心層回遊

体育座りの底で 今も見上げる水面は遠く
この場所での呼吸の仕方も 上手くなったもんだ
真ん丸の息を吐いた 目一杯の憂いを込めて
嫌いになるのは得意だ

平日、昼間の都会は 齷齪と価値を紡ぎ続け
取り残されたと気取る僕 街へと沈んで行く
遥か向こうへ飛んでく 飛行機の光に導かれて
知らないこの道の終わりを 最期と呼ぶんだ

泥だらけで続く轍を 恥じる事等ないじゃないか
笑われたから捨てたものが 今更何故か愛しいんだ

分かってるよ、分かってんだよ。
何も分からないまま こんな所まで来ちゃった
哀しさも、寂しさも 何も知らないままで 虚しいんだ、と歌ってら
少年はあの日のまま 僕達はあの日のまま

身体に心を湛えて 諦めかけた明日を目指す
「もう一度。」って今迄 何度あったろう。
優し過ぎる街が言う その命の対価を支払え、と
生きる事は無価値じゃないんだ 嫌なら、消えろ。

分かってるよ、もう良いよ。 いっそ殺してくれよ
そんな眼で視られる位なら
歩いてみても、手を伸ばしても、ただ削られていくだけ
宛先さえ失った僕等 君はただ泣き噦るだけ 僕はただ目を逸らすだけ

諦めの悪い負け犬の唄 口ずさむ僕も同じ類いだ
誰かに憧れて此処まで来た 誰にもなれない僕等は誰だ。

いつの間にか白んだ空と 欠伸をした街並 夜は明けないものだと思ってた
僕は僕だし、君は君だよ それは変わらないでしょ?
きっと弱いまま、それも同じ

一人泣くのはもう飽きたんだ 誰かになるのはもう止めたんだ
やっと逢えたから 共に行くから

何処迄も共に行くから

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