福岡市高島市長、2020年4月14日会見全文起こし(10459文字)

初めまして、福岡市在住のライターユウミハイフィールドです。この新型コロナウイルスの影響で、対面取材や撮影がセットの案件が多い私の仕事はすべてきれいさっぱり延期&中止で4月の予定がまっしろになりました!!(今月の売り上げはゼロ!)

そしてライター業とは別に営んでいる小さな書店も休業を決め、猫と遊ぶ以外にすることのない私が今朝Twitterを見ていたら、10時から高島市長が会見をすることを知りました。昨日、県知事から緊急事態要請もあったし、「ちょっと見てみるかー」くらいの軽い気持ちで会見を見ていたのですが、今の私たちが触れておくべき情報がぎゅっと詰まっているように感じました。

福岡市としての精一杯の取り組みとその説明や福岡市民に向けた協力のお願い、そして今も最前線で働いているみなさんに向けられた感謝の言葉など…
福岡市独自の様々な施策や資金の捻出方法もしっかりと説明されていましたが、それ以上に市民に近い感覚で語りかける市長の姿が印象的で、普段市政になんの興味関心も持っていない(ごめんなさい)私にも響くものがあり、1ヶ月の自粛にしっかりと協力しようと改めて思うきっかけとなりました。

現在福岡市内には、休業を強いられている方、医療従事者をはじめ、社会機能を維持するために今も休まず働いている方など、様々な立場の方がいらっしゃるかと思います。このようにみんなが厳しいときだからこそ、今回の市長の会見の内容がきちん伝わるといいなと思いました。

会見のアーカイブもありますが、音声が出せない環境にいる方、すべてを見る時間がない方もいると思い、今回ライターとして何かできることがないかと文字起こしに取り組んだ次第です。(時間はたっぷりあるので!)

約37分の会見はQ&Aまで含めて、約1万文字になります。普段のインタビュー記事であれば、わかりやすく話したことを整え、その内容に間違いがないか本人確認を行います。

しかし今回は、私が個人的に文字起こしをし、市長にチェックをしてもらうことはできないため、「えー」や「あのー」、「〜という」などの言葉(通称ケバ)を取った素起こしに近い状態になっています。少しでも読みやすくなるよう、私の所属するチーム「EDITONE」の編集者2名に誤字脱字のチェックや見やすくなるように編集をしてもらいました。

それでも読むにはそれなりの覚悟が必要かと思いますが、もしよかったら全文を読んでみてください。

私も多くの仕事がなくなり、とても厳しい状況ではありますが、早く新型コロナウイルスを終息させ、来年はどんたくも山笠もできるように、福岡市民のみなさん一緒に頑張りましょう!!!

文字起こしにはKBCさんの映像を、画像は高島市長のブログからお借りしました。アーカイブが残っているので、気になる方はこちらでどうぞ。

2020年4月14日 高島市長会見全文

まずは冒頭なんですが、今日福岡市内で新型コロナウイルスの関係で亡くなられた方、80代の女性がお二人いらっしゃいます。これまでと併せますと、福岡市内で新型コロナウイルスで4名の方がお亡くなりになったことになります。90代の方がお一人、そして80代の方が3人となります。謹んで哀悼の意を表したいと存じます。

さて、昨日福岡県の小川知事から福岡県内に休業要請が出されました。対象業種は、およそ東京都と同じということです。

一方で、市民の生活は大変厳しいものとなっています。

今、休業要請の前から緊急事態宣言ということで、今経済活動も「非常に厳しい」という声は福岡市にもたくさん届いていますし、一刻の猶予も許さない緊張感のある状況になっています。

そこで福岡市としては、この福岡県の休業要請を、より実効性があるものにすべく、そして接触者を8割減らす「外出の自粛要請」または県の「休業要請」がより実効性を持つために、福岡市独自の緊急経済支援を実施して、福岡県をしっかりとサポートしていきたいというように思います。

その考え方は、大きく2つの柱で成り立ちます。まず1つめの柱は、今回の県による休業要請に協力をいただいた施設への支援もう1つの支援は感染リスクがあるなかでも、一生懸命最前線で働いていただいているみなさんへの支援。この2つが大きな柱になります。

最初の柱は、今回の休業要請にご協力いただいた施設への休業支援であります。なんといっても人との接触を8割減らすということは、非常にハードルの高いものです。これを実現していくには、あらゆることをしなければいけない。特に人が集まる店舗などでは、やはり店舗を閉めていただくことが非常に効果的だと思います。

一方、こうした店舗のみなさんからすれば、「閉めている」「協力はしたい」。でも、閉めている間に固定費がずっと掛かっていくわけであり、今「緊急事態宣言」が出て、もちろん「閉めないといけない」「協力がしたい」という気持ちがあっても、経済的な理由により、後ろめたい気持ちで営業を続けざるを得ない方々もたくさんいると思うんですね。

そこで福岡市としては、この方々に基づく緊急事態宣言の期間中、福岡市独自に休業要請、時短要請に応じていただいた店舗のみなさんには、家賃の8割を福岡市から支援をしたいと思います。


上限は50万円です。福岡市内で言いますと、中小企業・個人事業主が対象になるわけですけれども、施設数だと約17,000の店舗、予算規模はおよそ50億円規模になると思われます。

そして人件費ですが、こちらは国の制度「雇用調整助成金」が拡充をされまして、およそ9割まで出ますので、ぜひ事業主のみなさんは、従業員のみなさんに給与の支給をよろしくお願いいたします。

さらに飲食店などは、緊急事態宣言のあと、非常にお客さんも少なくなっているわけです。そういうなかで、「でも、やっぱり外出の自粛には協力もしたい」という思いのなかで、デリバリーのサービスを新たにチャレンジされている飲食店もたくさんいらっしゃいます。これは、外出の自粛にも当然寄与するものであります。こうしたデリバリーを利用する場合、1000円以上電子決済で注文していただいた方には、500円のポイント還元、もしくはクーポンを差し上げたいと思います。

これは大阪府の吉村知事がすでに打ち出しをされていて、素晴らしい政策だと思うので福岡市としてもぜひ取り入れていきたいと思います。

文化・エンターテインメントですが、以前関西でライブハウスでクラスターが出たことから、ライブハウスでの「3密」が言われています。ただ私もライブが好きなんですけれども、あれはある意味「3密」を楽しみに行く場所でもあるわけですね。そういう意味では、今回のコロナウイルスによって非常に大きな打撃を受けています。

こうしたライブハウスやスタジオの支援といたしまして、法に基づく緊急事態宣言の期間中、ライブハウスも家賃の8割を福岡市が支援するというこの政策を使っていただくのと併せて、今後も当然こういう事態は想定されるわけなので、無観客でライブの映像配信をされる場合などの機材や通信環境やソフトの整備にかかる費用、上限50万円まででひとつの施設ごとに支援をしていきたいと思います。

また休業要請がない部分の支援については、特に今「広域での人の移動をしないでください」という要請をしているわけですね。こうしたもので一番打撃を受けるのは、宿泊事業者であります。こうした宿泊事業者は、泊まる人が非常に少なくなり、稼働率が低くなっているわけですが、こうしたなかでも消毒はデリケートに取り組まないといけません。こういう消毒や除菌対応など、安全対策に関わる部分については、一施設50万円を上限として、福岡市として支援をしていきたいと思います。

これが休業要請に協力をいただいている企業に対する支援です。

続いて、2つめの柱についてです。これはまさに最前線で、感染のリスクのあるなかで頑張っていただいている方への支援の内容になります。まず何と言っても、医療関係者は新型コロナウイルスの中で、まさに最前線で頑張っていただいています。そして、これは小さなクリニックも含めて「熱のある方が来院した」となれば、これはすべて最初から「新型コロナウイルスかもしれない」という前提で対応しなければいけないですから、非常にデリケートななかで、ストレスも溜まるなかで、お仕事を頑張っていただいています。

そういう意味で、すべての福岡市内の医療施設やクリニックで働く、医師や看護師などに対して、特別給付金を配布したいと思います。これは、病院の規模などに応じてとなりますが、およそ一施設当たり40万〜600万円ということで支給を行います。加えて、福岡市民が新型コロナウイルスに感染をして、その市民を受け入れて入院をさせていただいた医療機関についてはその患者さん一人につき、30万円ずつ給付をしたいと思っております。

それから特に例えば、介護施設、特に高齢者や障がいのある方の介護をしていただいている施設のみなさん。こういう仕事に従事するみなさんは、「3密」は避けたいけれども、現実問題そうはいかないわけです。やはり密着をしなければいけません。そんななかで、このような仕事のみなさんがいなくなってしまったら、まさに高齢者や障がいのある方の行き場所がない、路頭に迷ってしまうということも出てきてしまうわけですね。こういう介護施設などで頑張ってくださっているみなさんにも、今回特別給付金を支援したいと思います。また、民間の保育施設なども同じように支給をしたいと思います。そして、この医療位関係・介護関係・保育関係を対象とした特別給付については、およそ全体の規模感としては、20億円規模になります。

そして今、保育という話が出ましたが、保育園の職員やスタッフのみなさんは本当にそうした意味では、たくさんの子どもたちが集まる、そして子どもというのは抱きついてきますから、ソーシャルディスタンス、「距離をとって!」と言っても、そりゃ子どもに対しては現実無理なわけですね。そうしたなかでも、社会を維持する上で欠かせない、警察・医療関係者・保育関係で働いていらっしゃる方、そういうみなさんがいなくなってしまったら、社会を維持できません。だからこうした職業のみなさんのお子さん、どうしても預けざるをえない方、社会的な弱者、ひとり親の方などの受け皿として保育園はどうしても必要ということで、福岡県としても昨日の休業要請の中から除外をしているわけですね。

でも、こうしたみなさんが一生懸命頑張ってくださっています。先ほどの特別給付も行いますが、併せて改めて市民のみなさんにお願いがあります。

警察や医療機関、保育関係など、その他どうしても子どもを預けないといけない方、社会的弱者・ひとり親の方など、どうしても預けざるをえない方以外は、ぜひ自宅での保育のご協力をよろしくお願いいたします。本当に預けざるを得ないお子さんだけになれば、当然園内の感染リスクは下がるわけですね。そして園児同士、保育の先生方に感染するリスクも下がるわけですから、ぜひこれはご協力をよろしくお願いいたします。これを後押しする施策として、福岡市としては、自宅で保育をしていただいた日数分は、保育料から減免をするという形で実効性を高める後押しをしていきたいと考えております。

一方で、保育園の経営を圧迫してはいけないわけですから、保育園については園児には休んでもらいますけれども、これまでと変わらない助成金ということで支援をしていきたいと思います。

今回、新たに認可外保育施設についてもこれは保育園とまったく同じ状況があるわけですね。どうしても預けざるを得ないみなさんに対して、預かっていただいて社会的役割を果たしていただいているわけですから、その認可外保育施設に預けている保護者の方が経済的な負担を感じずに自宅で保育ができるために、保育園と同じ形で対応したいと思います。ですから、認可外保育施設に預けているお子さん、自宅保育をした分は、認可外保育施設のみなさん、事業者のみなさんには減額をしていただきたいというふうに思います。そして、認可外保育施設の方に減額をしていただいた分は、福岡市からその分の料金を認可外保育施設に支払う形で協力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

留守家庭・子ども会も、たくさん子どもたちが集まるわけですね。ぜひ先ほどお話ししたような、社会を維持するのに必要な、どうしても預けざるを得ないご家庭のお子さん、ひとり親、社会的弱者の方以外はできる限り、子どもたちを留守家庭・子ども会ではなく、ご自宅で過ごすことができるように、お力添えをよろしくお願いいたします。

こちらに関しても、休んでいただいた分は料金の一部返金をできるように対応、制度を作っているところですので、ご協力をよろしくお願いいたします。

いま福岡市としてお話をした、福岡市独自の施策を合わせますと、全体で100億円規模になります。

その財源なんですけれども、基本的にはこういう部分は国の交付金を検討しています。ただ、もちろんこれは、その期間に交付金が間に合わない、または交付対象にならないということもありえるわけですね。

ではそうした場合どうするか? まさにそういうのときのために「財政調整基金」というものを都市経営として、何かがあったときに使えるようにコツコツと貯めてきているわけですね。

こうしたものを取り崩して活用したいと思います。また、コロナウイルスがこれだけ世界中が混乱をしているわけですから、福岡市としても国際的な事業はもちろんのこと、これまで想定した事業でできなくなるものもたくさんあるわけですね。

こうした事業もやめた(中止した)部分については、その費用をコロナ対策に充てる形で財源を捻出していきたいと思っております。福岡市はまさに基礎自治体として、市民のみなさんの声をたくさん聞いているわけですね。

そして特に、福岡市は第三次産業が9割という特徴的な産業構造を有している街であります。ですから、これまでたくさんの人を呼び込む、集めてくるというような形で、都市経営をやってまいりました。そして、市民のみなさんが頑張ってくださったおかげで、今6年連続で税収が過去最高という、非常に元気(な都市)だったわけですが、まさにこの新型コロナウイルスの発生によって、「3密」を避けないといけない、できるだけ人が集まらないようにしないといけないなかで、非常に私自身もジレンマがあります。

市民のみなさんも、今、本当に苦しい思いをしていると思います。そのようななかで、今回対策としてこのような、いろいろと頑張っていただいているみなさん、協力をいただいたみなさんに”お金を出す”という政策を実施しています。

実は、この”お金を出す”という点でいくと、福岡市のこれまでの都市経営の基本的な考え方・コンセプトとしては、いかに税金を使わずに街づくりをするかということでやってきたんですね。それは例えば、「天神ビックバン」の巨大プロジェクトですけれども、あのプロジェクトも今建て替えを頑張っているのは、補助金で建て替えているわけではないんですね。

福岡市は、国の規制緩和を勝ち取り、福岡市独自の規制緩和を加えるという中で、チャンスを作っていくことをやっているわけで、補助金で建て替えているわけではないんですね。行財政改革もこれまで頑張ってきて、私が市長になってまもなく10年になろうとしているわけですが、これまでで市債残高、福岡市全体の借金ですね、これを毎年ずっと減らしてきて、3200億円減らしたんです。つまり、これくらい税金を使わずに街を元気にするという、これまでのポリシー・コンセプトからすると、ある意味今回の”お金を出していく”というスタンスは、まさに今までと真逆になるわけです。

でも、それは今は”平時”ではなくて、”有事”、オリンピックが延期されるほどの国難です。ですから、今までは頑張ってきた、でも今はお金を出すときだと思いますので、福岡市としてはこうした形で独自の支援を決断いたしました。これから国に対しても、当然交付金措置が出されるように、そして先ほど「家賃の8割を支援する」ということも言いましたけれども、こういったことも交付金の対象になって、やはり全国で苦しんでいるみなさんが同じように使えるようになるといいなと期待をしております。

ちなみにこの期間ですけれども、それは先ほど繰り返し言っておりますとおり「法に基づく緊急事態宣言の期間中」という言い方をしました。具体的に言えばつまり、5月6日までのおよそ1ヶ月ということになります。

これは想像もしたくないことなんですが、もしゴールデン・ウィーク明けの5月6日の時点になって緊急事態宣言を延ばさなければいけないという、これは想像もしたくないですが、もし仮にそうなったとき、同じ規模での財政的な形での経済支援を同じ規模で続けられるかというと、それは無理です。できません。それは財源の話もあるわけですから、市民のみなさんにはそこをご理解いただきたい。

つまり何が言いたいかというと、なんとしても私たち福岡市役所もできる限りのことをしますので、この1ヶ月で終わらせましょうよということなんです。ぜひ協力をしていただきたいと思います。

来年にはどんたくも山笠もやりたいですよね。ぜひこの1ヶ月でなんとしてでも終わらせるために、私たちもできることを全部やります。できる限りのことはやります。だから、市民のみなさんもこの1ヶ月の間、外出の自粛、そして8割の人との接触を控える! という大変高いハードルではあります。ストレスも溜まります、フラストレーションも溜まります、不安もあります。私も、なかなか夜眠れません。でも、みなさんもっと眠れないと思います。ぜひみんなで力を併せて、短期間、集中して終わらせられるようにお力添えをよろしくお願いをいたします。

記者によるQ&A

Q.申請の手続きはどのように行うのか?(あとの質問が聞き取れない)
A.手続き的なことはあとにしてもらってもよいですか? というのも、家賃に関する手続きはここ、こういう支援についてはここ、と窓口がすべてバラバラになっているんですね。ですので、今は事務的なことではなく、全体的なコンセプトで聞いてもらってもいいですか?

予算案については、直近の臨時議会で提案をします。そこで可決をいただいたのちに、実行が速やかにできるようにということで、準備はもうすでに進めておりますが、実際には臨時議会という手続きを経なけれないけません。市議会のみなさんにもご協力をいただいて、そして、その後速やかに実行できるような手続きを今からしておく、ということになります。

Q.今日が4月14日で、緊急事態宣言が発出されたのが今月8日だが、これまでの日数も含めて家賃も計算してもよいのか? 夜間営業している飲食店などは、営業時間を短縮して何時までに終わらせるという状況だが、そのような店舗への支援もあるのか?

A.まず、期間は今日(4/14)からなのか、それとも緊急事態宣言が発出されたときからなのかということ、一部時短をした店舗も家賃の補償になるのかという質問がありました。

これについては、まず遡って緊急事態宣言が出た時から、つまり今まで頑張ってきた人の頑張りもやはり報いるべきだと思いますので、これを「法に基づく緊急事態宣言の期間中」とします。それから、例えば今日この話を聞いて、「よし!自分たちも協力しよう!」と思っていただいたとしても、明日まで予約が入っていると、でもそれ以降は協力をしようという方もいらっしゃるわけですね。時短をして「もうここまでにしよう」っていう人もいるわけです。

では、こういう人たちを、日割りでね、「何日協力した分にしますか」とか「何時間したから、その分だと何分の一がカットですね」ということは、現実的に無理! そんな細かいことをして無駄なお金が逆にかかってしまうのではなくて、ここは申請主義ということにして、これはもう1ヶ月分ということにしたいと思います。

平時であればもっと厳密な制度設計をするですが、今はみなさんに協力をいただけるということが大事なので、1ヶ月分という形にしたいと思います。

Q.完全な休業ではなく、「夜は休むように」と言われた店舗も対象になるのか?

A.そこも本当は厳密に言えば、休業要請が出ているところは、休業をしていただくということが大事です。でも、当然それをやっている方も、「固定費やいろいろなコストを考えると休業できない」という方もいらっしゃると思うんですね。ですから、福岡市としては、今回家賃の8割を支援すると。そして、それ以外の雇用については国の制度もあるので、そういったものを活用して、ぜひこれをきっかけに福岡県が昨日発出した休業要請を実行性があるものにするために、福岡市としてはこのような政策を出していますので、できる限りお願いします。

でも、これというのは、時短をいつから始めるかとか、いろいろな兼ね合いもあるでしょうよ。ですから、そうしたところに関しては、細かくこれで1時間したからこの日は時短だけで、この日は休業したからと分けていくとキリがないんですね。今は平時じゃないんで。こういうときはもう「1ヶ月!」と決めてしまう。

そして、虚偽の申請があったらどうなるかって、この虚偽の申請のために、膨大な真面目にやっている方の手続きをするということ自体が有事の対応ではない。そこは申請主義で、申請をしてきたところにそうした手続きをとりたいと思います。

Q.デリバリーのクーポンに対しては、大阪府を参考にされたとのことだが、それ以外は福岡市の独自の取り組みなのか?

A.そうですね。他の部分に対しては私がまだ聞いていないだけなのかもしれませんが、クーポンに関しては大阪府の話があったので、非常に良いなと思い参考にしましたが、他は特には聞いていないです。

Q.今回、約100億円規模の”お金を出す”という大きな選択を決断されたが、それに至る経緯とは?

A.今日(4/14)も福岡市内でお2人の方が亡くなってしまわれるというようなことがあっています。そしてまた、福岡の新型コロナウイルス感染死者数の増加は非常に大きいものがあります。

これは昨今テレビなどでも繰り返し言われているので、多くの方が理解しているかと思うんですが、なぜ8割減らさなければいけないか。それは、感染者が増えていけばいくほど、倍々で感染者が増えていくんですね。

そういう意味からすると、1週間後に手を打とうといったら、今日手を打つよりも何十倍、何百倍と大変になっていくわけなんですね。ですから、こういった対策は、できるだけはやく打ち込んで、みなさんに協力をいただくということが結果的にはコストで言えば、一番小さくなると思うんですね。

ですから福岡市としては、昨日知事が休業要請を出されたということであれば、それに実効性を持たせるためには、できるだけはやく、今ドン! としっかり打ち込むことによって、結果的にはこれは大きい予算かもしれないけれども、結果的にそうするのが一番効率的だったというふうになると思うんですね。

やはりこれだけの感染者の増加と考えると、これは福岡は相当緊張感を持たなければいけないと思っていますので、昨日知事が要請を夕方出されましたので、今日の朝にはもう、すぐに福岡市として実効性を高めるための施策を出したということになります。

Q.県は、財政的な支援はすぐには打ち出されないということだが、市長としてそれをどう考えているのか?

A.もちろん県に対しては、「休業の要請をするときには、経済的な支援も併せてして欲しい」ということは、昨日も要請分を出しているわけですね。私たちは基礎自治体ですから、市民の声を常にダイレクトに聞いているなかで、こうした要望を出してきたわけであります。国の財源の確証が持てないなかで、なかなか県独自で打ち出せないというのは、地方自治体の判断として、通常であればそういう判断をするのもやむを得ない部分もあると思います。

Q.病院関係者の中には、「子どもを保育園に連れて来ないでほしいと言われ、心が折れそうだ」という声もある。福岡市内でも残念ながらそのような事例があるようだが、改めて今回このような補助を設けるなかで、医療従事者や保育関係者について市長としてのメッセージは?

A.新型コロナウイルスを発生してしまった患者さんがいる病院の医療従事者に対しての差別がある、もしくはその本人についての差別があるという事例を紹介いただきましたが、実際今お
話しいただいたような内容、つまり保育園での受け入れを拒否される事例は福岡市でも起きています。

今見渡してみると、社会がとてもトゲトゲしくなっているなと思うんですね。みんなストレスが溜まっていること、それから不安、これがみんなの心をすごくザラつかせる原因になっていると思うんです。「俺たちは我慢しているのに、なんで彼は彼女は我慢していなんだ」ということも不安になる。そうしたなかで、医療関係者に対する差別などが実際に起きています。

福岡市としては、ではこうしたみなさんがいらっしゃらなくなっていいんですか? 自分だって明日もし何か病気になったり、新型コロナウイルスに感染してしまったとき、誰が診てくれるんですか? ってなったときに、間違いなく病院の先生や看護婦さんであったり、そうしたみなさんに支えてもらうわけですよね。自分事で「自分は大丈夫」ではなくて、自分も医療関係者のみなさんから、そういう意味で今もうすでに守られているわけです。ですから、そうした気持ちを表していこうと、「フライデーオベーション」という形で、誰かを責めるのではなくてみんなで医療従事者の方に感謝をするというふうに昇華をして、責めながら非難をしながら社会を正していくのではなくて、感謝という気持ちとかで昇華できないかなという思いで「フライデーオベーション」を始めました。

そしてまた今日も、こうしたみなさんに対する支援、特別給付ということもして、感謝に報いようと思います。でも、ここで忘れてはいけないのが、こうしたみなさんに守られていて、こうしたみなさんが保育園などで支えていただいているからこそ、自分たちもまた医療従事者のみなさんに守ってもらえているという好循環があるんだということをご理解をいただいて。

その分、当然保育園のみなさんだって保護者から言われるからそうしてるだけであって、保護者のみなさんが「自分の子どもだけは感染させたくない」という気持ちはみんな一緒なわけです。だからこそ、医療・介護などの最前線で頑張っている方のおかげだということは、私たちは常に思っておかないといけないですし、自粛することも大変ですけれども、こんな中で、通常の医療を守りながら、さらにコロナ対応までしないといけない方、全身防護服を着たら1日脱げないですよ! お手洗いもオムツをつけているという話も聞きましたよ。相当なストレスで心が折れそうになると聞きます。

だからこそ、そういう方たちにみんなでやっぱり感謝をするということが大事だろうなと本当に思いますので、そこのご理解を市民のみなさんにもお願いしたいと思います。

ごめんなさい! 1個最後に言わせてください。

今そうしたなかで、ご高齢の方は身体を動かさないことによってロコモ(ロコモティブシンドローム/運動器症候群)だとか、体調が悪化してしまうこともあります。だから1日1回、散歩やジョギングはいいですよ、と厚労省も言っています。ですが、ただ現実どうなっているかというと、天神を見たときに、天神の人は少なくなっています。でも、郊外のショッピングセンターとか大きな公園に行くと、ものすごくたくさんの人がいるわけですね。ジョギング、散歩はいいけれども、そのときも人との距離を取って、健康維持のために一人で散歩をする。公園に集まってみんなでそこでたむろしてお話をすると意味がないんですね。だからこれはダメです。

あと、郊外のショッピングセンター、それからスーパーには買い物に行かないといけない。でも、家族連れで行くのはやめましょうよ。

だって、今これだけ「密になれない」と言っているのに、退屈だから買い物についていきたい気持ちもわかりますけど、みんなで行かずに、買い物に行く人は家族でお一人にするという形で、みんなが集まる場所はみんなで協力をしながら、密度のリスクを下げていく協力をしていかないといけないので、そこはぜひ市民のみなさんにも協力をお願いいたします。

それでは私からは以上です。
ありがとうございました。

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元アナウンサーだけあって、高島市長の音声は非常に聞き取りやすかった!
そしてこのご時世難しいのかもしれないけれど、もし可能であれば、質問者にもマイクがあると嬉しいです!(質問がほぼ聞こえない)


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