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本屋を旅する店の日々 2019.2.27 尾道旅行3日目

9時くらいに起床。一階のあくびカフェに行き朝飯を食べる。前日と同じ和定食。やっぱり美味しい。チェックアウトをして山を登る。

申し訳ない連絡が入る。完全に自分のせいなので謝って行動を直していくほかないのだが、そもそもの互いのスタンスの違いに根本原因があると悟る。自分はやっぱり鈍感で、や、鈍感というか気付けるセンサーはあるのだけどOSが大雑把なことを是としているというか細かいことは気にしないことを良しとするような考え方をしていて、どちらかというとドライな志向があるということなのである。大雑把=ドライということではなくて、大雑把であるが故に見落とすものがあるということについて仕方ないと思えてしまうということがドライな志向だと思っている。

かと言ってドライ過ぎる思考をする人は正直好きにはなれないしそうなろうとも思わないのだけどもナイーヴな物の見方よりもドライ寄りな見方をした方が自分の頭や体がうまく動くことを経験上知っている。それは良い悪いではなくてたまたま僕はそういう考え方というかそういうOSの方がうまく動けるということであって、ナイーヴな人がいることを否定するものではない。20代のときはナイーヴさを良しとしていたこともある。結果的に溺れただけだったけど。

まあ僕はそういうOSなものだからナイーヴだと感じる物事や思想には距離を置くようにしている。

そういう感じ方を理解できなくはないのだけれどそれを噛み砕いて自分の言葉にできるような忍耐強い言葉を持っていなくて、ナイーヴな感傷に引っ張られすぎてしまい、結果として動けなくなってしまうからだ。自分がそのような状態になるのが僕は嫌なので距離を置いているのである。

そのためそういった場や人に遭遇した時に適した行動が取りにくい自分がいて、特に好きな場や人だと思い入れが入り過ぎてうまく動かない。その結果として、善意の暴力、とでも言おうか、良かれと思って動いた結果として他者に嫌な思いをさせてしまうことがある。それは他人である以上、ある程度は仕方のないことではあるけども自分にとって好きな場や人であるだけに傷つけてしまったダメージは自分にとっても大きくてかなりへこんでしまったのであった。

僕は自分の世界を作る作家というよりは自分の好きな人や場所や物や情報を適切に整理して伝える、という方の能力が強い人間だと思っているので、これまで書いたような自分の姿勢や態度によって引き起こされるような状況は未熟の一言に尽きる。

ナイーヴな感じ方を持った人や場の世界は、きっと僕には理解も共感も難しいのだと思うのだけれどそれでもそういう世界の作法を学ぶことはきっとできるはずだ。自分が傷つかないからと言って傷つけていいわけではないと思うから。今まで忌避してきた世界についてまた近づいてみたほうが良いのかもしれない。

09尾道旅行

とそんなことを考えながら、朝、おのみち文学の館までの階段を登り、中に入って文学記念室の行く途中にあるベンチに座って尾道の街を眺めながら返信した。多分、や、おそらく確実に相手は話が通じないことに絶望してしまうかもしれないがこれが僕の率直な気持ちでそれでもまた会ったら話してくれることを願うばかりだ。

そういえば『空をゆく巨人』の中で蔡國強がこんなようなことを言っていたと書いてあった。そういう広くて強い考え方を持っていければ良いなあ。

さて、おのみち文学の館は文学記念室や志賀直哉の旧邸などで構成される施設で、尾道に所縁のある作家や歌人、詩人の遺品や原稿、本が展示されている場所である。ブックショップトラベラーとしてここを外すわけにはいかないと来てみた。

実は一時期、中井に住んでいたことがあるのだけれど近くに林芙美子記念館があった。初めて知ったのだけれど尾道は放浪の画家・林芙美子にとって大きな意味を持った土地のようで、展示スペースも他の作家と比べて大きかったのだけれど、思わぬところでこの街に縁があったことが分かりとても嬉しくなったのだった。勉強不足な僕は『放浪記』を読んでいないのだけれど。

山を下る途中でLOGというやけに上品なカフェ、雑貨屋、ホステルを足したような場所に立ち寄り、お土産を購入。みかんハチミツ。美味しそうである。

10尾道旅行

知人に勧められたやまねこカフェでランチを食べて、これまた知人に勧められたONOMICHI SHAREで2時間ほど仕事する。からさわでソフトクリームを食べてエネルギーを素朴な味を楽しんだら、あなごのねどこに寄って紙片さんにご挨拶。弐拾dBさんは今日はあなごのねどこにいないとのことなので寂しいがそのまま帰るこたにする。

11尾道旅行

途中、クラシコで珈琲豆を買って、パライソ珈琲でひと休み。おのみち林芙美子記念館に立ち寄って17時過ぎ。尾道を後にする。たったの3日だけど濃密な時間だった。ありがとう尾道。また来ます。

新幹線にひたすら揺られて家に着いたのが23時ごろ。風呂に入ってすぐに寝たのだった。

12尾道旅行


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