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ナートゥダンスに思ったこと 〜24時間テレビ

今年はどっぷりハマった24時間テレビ。
全体的なプログラムについての感想は前回、綴らせていただきました。

見入っちゃったよ、今年の24時間テレビ 
  |ぶーみおちゃんぷ @boomio1919 #note

〈Part.1〉
https://note.com/boomiochamp/n/n7b993ca788cf

〈Part.2〉
https://note.com/boomiochamp/n/ned31cf13f4d9

数多くあるプログラムのうち、

「24時間テレビ46」
イッテQ!女芸人と耳の不自由な子ども達が挑む 総勢62名のインドナートゥダンスメドレー

について、私の思うところを書かせていただきたいと思います。


毎回思う。
イッテQのメンバーってすごいなぁって。
普段の番組でも、無謀と思えることにいろいろチャレンジしてる。その無謀さと達成できそうにない「めちゃくちゃ」ぶりで笑いを取るのだけど、でもみんなそれなりに成し遂げてるから。
みやぞんさんのスーパーマンぶりはもちろん、宮川大輔さんの世界のお祭りとか、出川さんの「出川イングリッシュ」とかも、笑えるだけでなく、すごーい!って思うこともしばしば。
今回の24時間テレビでも、遠泳部、24年前のドーバー海峡に続いて琵琶湖横断しちゃったし。


で、今回の女芸人さんたちのチャレンジはインド映画で話題の「インドナートゥダンス」
スピードとパワー溢れるダンス。
見てても動きに目が追いつかないほど、、、。
「重量級」メンバーや「シニア」メンバーにはどう見ても出来そうになかったけど、、すごかった。

そして、このスピーディなダンスを聞こえない子たちと一緒にやる、と。
こういう「聞こえない子どもとやる音楽系の演目」
毎年何かしらありますね。
それを通して「聞こえないと、号令や合図に合わせて周りと揃った動きを取るのが難しい」とか、「聞こえないと、平衡感覚がよくなくて、バランスを取るのが難しいことがある」とか、そーゆーことが理解されるといいな、といつも思います。

音はどちらを向いていても入ってきます。
体を動かして顔の向きが変わっても、その音やリズムに合わせれば、みんな同じタイミングで動ける(理屈としては)
回れ右をして、後ろ向きになって、もう一度、回れ右で元に戻れるのは、後ろを向いていても号令が聞こえるから。
目を閉じて黙祷していても、終わりの声で黙祷を終われるのは、目を閉じていても合図が聞こえるから。

聞こえている人はそんなこと何も考えもせずやってますよね?
私自身、黙祷は苦手。心穏やかに祈りを捧げるべきなのに、「まだ終わってない?」って不安になって薄目を開けて周りを見ちゃう。
そんなこと、みんな知らないだろうなぁ、って思います。


で、聞こえない子たちのダンス。
まずみんなが揃って動く基準になる音楽が聞こえない、手拍子も聞こえない、リズムが分からない。
ダンスだから体を動かす。後ろを向くことも横を向くことも。だから正面でカウントとってくれてても、手話で声掛けしてくれていても、それが見えない。
一人一人が体内時計でリズム取って躍る。その体内時計をみんなが合わせなきゃならないわけで、、。

皆さんも、音楽も、声かけも、手拍子もなしで、誰かと2人で、「せーの!」とTikTokのダンス、始めてみてください。動きを合わせるのが大変だってわかってもらえるかと。

そんな「難しさ」を分かった上でのダンスパフォーマンスへのチャレンジなわけです。
聞こえないから音楽を楽しめない、踊れない、ではなく、どうやったら楽しめるか、やれるか。
手話ができないから伝えられない、ではなく、どうやったら伝わるか。
そういう視点で考えること、工夫することの大切さをこのパフォーマンスで感じます。

そして、「聞こえない子どもたち」と言ってもみんな個々に違いがあって、ブレイキンをやるような子もいれば、動くことが苦手な子もいて、それぞれの思いで参加し、何よりみんな楽しそうでした。

24時間テレビが非難されてきた一つに、「感動の押し売り」のために、出演者(障害や病気の当事者)に無理をさせているのでは?ということ。
ある年は、頑張ってたけど挫けそうなお子さんへの親御さんの声かけが「暴言」と言われたこともあります。天候などに左右されて、無謀といえるようなチャレンジを続けていた時もあったかと思います。
でも、最近は減ってきてるんじゃないかな。
やはり出演者が楽しげに、笑顔でいられなきゃ、意味がないですもの。

そして、今回も最後に、チャレンジした生徒さんからの手紙の朗読がありました。
「やってよかったです」「一緒にやってくれてありがとう」「応援してくれてありがとう」いつも、そんな言葉が綴られますが、今年はさらにこんなメッセージまで!

「このテレビで皆さんに伝えたいことがあります」
「もしも街で私たちみたいな人に会ったときに、大きな声で、大きく口を動かしてもらえると、私たちともコミュニケーションを取ることができます。ぜひ、みなさん(耳が)聞こえない人とも積極的に話してくれると本当に嬉しいです」

24時間テレビ公式サイトより

素敵なメッセージですよね。

女芸人さんたちや高校生との練習風景でも、いとうあさこさんが手話を使ったり、ジェスチャー使ったり、子どもたちが高校生に手話を教えたり、っていう様子が流れていましたが、こーやってコミュニケーション取れるんだってことに気づけるだろうし、このメッセージがテレビを見ている人にきちんと伝わったら、なお嬉しい。
そんなふうに思えた今年のろう学校生徒さんのパフォーマンスでした。

このダンスパフォーマンスでは、都立狛江高校のダンス部、その前のウォーターショーでは県立川越高校のの生徒さんたちが一緒にやりました。
どちらも「強豪」と言われるチームですし、さらに上へ、上へ!って頑張っているチームだと思うのです。

でも、今回のようなパフォーマンスを通して、「自分とは違う特性を持った人」と出会い、自分のやっていること、自分が楽しんでいること、をシェアする、でもそのまんまでは難しい部分を、「どうやったら、できるか」をあれやこれや考えて、みんなで作り上げていく、ということは、彼らにとってもすごーく大きな経験になると思うのです。
いつもと違う苦労を経て出来上がったものは、もしかしたら「普通に動ける」「普通に聞こえる」仲間たちと作り上げたものより、達成感が大きかったのではないかしら?

私も同世代の子どもを持つ親ですが、今の子どもたちって、失敗したくない、という気持ちがけっこう強くて、安定した環境、安定したつながりの中だけで収まっているような面があると思うのです。
だから、こういうことを通して、自分達がいる世界ってもっと広くて、いろんな人がいて、いろんなことが起きてるって知れることは大事。

こうやって考えると、ウォーターショーにしろ、ダンスショーにしろ、当事者のため、だけでなく、一緒にやってる芸能人たち、高校生たちにとって、すごーく感動や成長や学びをもたらすものなんじゃないかな。

「感動の押し売り」っていう人もいるけど、いいじゃん、素直に感動すれば!って思う。
気づきや心動かされることが、必ず次につながる源になるはずだから。

まっ、そんなことを今年の24時間テレビを通して感じた私でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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