4kiz 本山さんへの回答と、なぜ背景を隠すのかという疑問

カルト宗教二世の問題が注目されています。
やっとスポットライトが当たった、という気がしますが、この問題はとても複雑です。親の信仰のあり方、経済状態、本人の信仰のあり方など、背景が多様すぎるので、一括りにできないのです。
4kizの本山さんは、決して「一般的な二世」とは言えませんが、二世問題と関係ないわけでもないのです。その生い立ちは、彼自身が語っているとおり、彼の人生に深く影響しています。

というわけで、今回は僕が「統一教会エリート」と表現した本山勝寛さんのケースを、既に公開されている情報に基づいて、紹介しておきたいです。
本山さんは「家庭の宗教的背景を、本人の許可なく、本人への誹謗中傷」と言っているので、そうではないことを示すためでもあります。
なにしろ、誹謗中傷どころか、それらは教団の信者として誇るべきことであり、教団内では名誉に他ならないはずだからです。

また、本山さんは「個人の宗教とは全く無関係である所属企業と無理やり強く関連付けた」と言っているのですが、以下に示すとおり、ぜんぜん無関係ではないです。
それどころか、4kizの事業内容と、教団における本山さんの立場は、ものすごく関連してると思っています。

ホンジュラスの国家メシアだった本山峰司さん

まず、お父さんの本山峰司さんは、777双と呼ばれる「合同結婚式」で、やはり信者だった奥さんと結ばれた古参信者だそうです。本山さんが語っているとおり「ホンジュラスの国家メシア」として、子供たちを置いて南米へ赴任したのでした。
4kizのCEO本山さんは5人兄弟で、お兄さんたちもいます。

本山峰司さんの「証」(クリックで出典へ)

教団分裂でお父さんは三男派に

「国家メシア」になるくらいですから、峰司さんは十分「指導者的立場」にあったはずの方なのですが、教祖の文鮮明が死んだ後の教団分裂において、現在の総裁である韓鶴子ではなく、分派した三男の文顕進を支持しています。
顕進派が2019年に出した声明にも名を連ねています。
内輪揉めなので外部の人間にはどうでもいい話ですが、信者にとっては重大な問題です。内実は結局「カネ」絡みの話ですが、信者の間では文鮮明の正統な後継者は誰かという議論になっています。

真実を告げる共同声明文

峰司さんの離反がどう影響したのか、しなかったのかはわかりませんが、勝寛さんたち兄弟は、韓鶴子の「本家」に残っています。
そういう背景があります。

本山さん兄弟

さて、本山さんの一番上のお兄さん、勝道さんは、World CARP Japanの会長でした。日本における「原理研究会」の元締めです。世界本部の会長は文鮮明の息子だったはずです。ずいぶん高い地位だと思います。お写真なんかも、他のサイトとかにたくさん出てます。
「日本をむしばんでいる文化共産主義に立ち向かっていかなければならない」「なぜ苦労してでも歩むのか。。。それは、神様と父母様を愛しているからだ。」だそうです。
「宗教」だと言えばそれまでなんでしょうが、個人の自由や人権を尊重する思想を彼らは「文化共産主義」だというのです。
めちゃくちゃなんですけど、個人が「内心で」そう思うのは、信仰の自由です。内心だけなら、文鮮明のことを「メシア」だと思うのと同様に、自由です。

クリックすると出典に飛びます

教団のYoutubeでも、二世、三世への啓蒙に励む「本山勝道お兄さん」が出てきます。たいへん立派です。

次のお兄さんである本山勝由さんも、教団のサイトで「中高生のためのWeb礼拝」とかやってて、やっぱり立派なのです。二世、三世の信仰を固めることに尽力されています。

「青年学生局成和学生部長」

なぜ4kiz本山さんは背景を隠すのか

このように、お兄さんたちは今も教団のメディアに出て、二世、三世の信仰を固めたり、新たな信者に信仰(?)を説く活動に邁進しています。
4kizの本山さんは、そうした背景の中、2015年の「天一国指導者総会」で「統一運動への提言」を講演し、韓鶴子とのツーショットとともに、教団の出版物に大きく載っているのです。
とても誇らしいことだと思います。彼らにとっては。

そのうえで、その本山さんが「子ども向けSNS」を立ち上げたのですから、本山さんが抗議しているように「無理やり関連付けた」とは、とても言えないと思います。
少なくとも、利用者を含むステークホルダーに対しては説明責任があり、するべきことは、それを指摘する記事に嫌がらせをすることではないはずです。

統一教会の大きな問題点、違法性の一つは「正体を隠して伝道や勧誘を行うこと」だと昔から指摘されています。
ですから、4kiz本山さんのやっていることは、ますます疑念を深めるだけのように思われます。

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