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騎手の成績 2023年11月

ジャパンCの衝撃から数日、皆様の懐は温かくなったでしょうか。私の懐はお察しの通りです。まぁ穿った馬券を買わなければ誰でも儲かるレースでしたから、物価高+年末に向けて助かった方も多かったのではないでしょうか。

さて、騎手の成績も気が付いたら11月期です。毎年初めは先が長いなぁと思いながら書いていたのですがねぇ。歳を取ると月日の流れがおかしいですよまったく。相変わらずの福永推しにも腹が立ちますが、短期免許組が本格的に参戦して騎手界隈はどう変わったのか、見ていきましょう。


■11月期リーディング&通算リーディング

11月期もルメールの独擅場でしたね。やはり東京ルメールの破壊力はヤバイです。これでリーディング奪還が確定しました。川田も悪くなかったんですが、11月期や7月期などブレーキが掛かった月があったのは痛かったですね。ルメールは今年の東京で82勝ですし、自身の得意な場所が欲しいところです。

また、11月期終了時点で年間100勝超えが6名います。年間100勝は毎年5名前後なんですが、あと100勝まであと6勝の坂井瑠星が到達すれば7名です。年間100勝が7名で、内3名が若手なのは喜ばしい傾向ですよね。ただ、重賞勝利数は5勝以上挙げたのは8名で、若手は2名なのが残念です。GⅠは18勝中、若手は3勝ですから、もう少し数字が欲しいところ。

あと11月期はローカルがあるので、佐々木や永島、古川など若手の勝ち星が目立ちました。特に永島や古川は福島2節目で4勝、5勝と福島リーディングを狙える状況でしたが、最終節5勝という佐々木の後方一気にやられ、2着の差でリーディングを逃しました。特に永島は古川との競り合いを制して8R終了時点でリーディングトップ立ったのも束の間、10Rで逆転され腸が煮えくり返る思いだったでしょう。この経験を糧に頑張って欲しいですね。

なお、数字的には古川は良くやってます。11月期の勝率は2割、3着内率は3割と、佐々木や永島はもちろん、菅原や岩田Jrより優秀です。これから騎乗機会が増えていけば永島に並ぶことも十分可能でしょう。どこぞのインフルエンサーかぶれとは大違いですね笑


通算リーディングで見ると、1位は安定のルメールです。もういい加減にしてほしいくらい勝ちますね。その一方で中山の成績は真逆で、今年は現在まで27勝と東京の3分の1程度しか勝っていません。香港での騎乗も無さそうですが、かと言って中山で勝てるとも思えず・・・取捨が難しいですね。


2位の川田は残念ながら、この程度ということでしょう。昨年は念願のリーディングを獲得しましたが、それはルメールの大不振と多数の海外遠征、はやり病関係の自粛などが大きく影響したからです。BCやドバイWCの制覇で調子乗ったのかJRAとの忖度に繋がるようなジョッキーカメラの導入にも関与しましたし、個人的には落ちるべくして落ちたという感じがします。


3位の横山武はルメールとは真逆で、中山得意、東京苦手の騎手でしたが、11月期は14勝を挙げています。京都で挙げた1勝以外は全て東京で、短期免許組が襲来している東京で重賞2勝込みでこの成績は良く頑張っていると思います。ソールオリエンスに乗り替わりの話があるように現在は信頼しきれる存在ではありませんが、他の東京開催でもこうした成績をコンスタントに出せると信頼も増しますし、一気に川田を抜けるくらいの騎手に成長できそうなんですが・・・まだ早いかなぁ。


逆に5位の戸崎は10月期に12勝を挙げた勢いが完全に削がれ、まるでドウデュースの呪いにでもあったかのようにわずか5勝に終わりました。これは完全にマーカンドやモレイラなどの短期免許組に来日に影響を受けたのだと思います。ただ、なんだかんだでGⅠ勝ってて、なんだかんだで100勝してて、なんだかんだででリーディング上位なんだから、さすが戸崎です。


6位の岩田Jrはガクンと数字を落としましたね。今年の最低スコアは8月の0.270でしたが、11月期は0.245まで落としています。ここまで数字が悪いのは間違いなく短期免許組が来たからでしょう。人気馬の騎乗数が明らかに少なくなっていますし、中穴以下で何とかできるケースはせいぜい3着までで、この位置にいる騎手にしてはパンチが足りないのですが、なぜか重賞は5勝している不思議。来週で短期免許組が帰ればまた数字は戻るでしょう。


7位の推しの坂井瑠星は躍進したような数字です。ここまで数字が良いのは5月以来ですが、勝率も3着内率も一流騎手のそれと比べても遜色ありません。ただ・・・ただ・・・なんですよねぇ・・・そう、重賞勝利数が完全に不足しています。重賞1勝はさすがに少ない。それがGⅠであるのが唯一の救いなんですが、やはりローカル重賞でもいいから一つ二つ欲しいところです。


■重賞成績

今月はリーディング上位で勝ったのはルメールと横山武のみで、ちょっと外れた鮫島克、菅原、ミルコ、藤岡弟、田辺あたりがコツコツと勝ち星を挙げていますが、そこに襲来したのが3勝を挙げたモレイラです。1番人気はもちろん、4番人気のシュトラウスで勝つあたりが一流騎手なんですよね。だから来んなって言ったのに。

ルメールはGⅠ2勝を挙げて川田を突き放し、今年の年間最多勝は確実でしょう。これでも武さんの年間重賞最多勝23勝に届かないんだから、どんだけ化け物なんだあの方は。

横山武は2勝を加算して3位タイに浮上したものの、これでやっと今月騎乗がない54歳に追いついたという点で、どんだけ化け物なんだあの方は。

人気馬における成績は、鮫島克が10鞍に到達してランキングに参戦即一位という快挙達成。3着内率7割とか馬券買う側として助かります。横山武、西村も数字をあげたものの、ルメールは微減で5位まで下げてしまいます。もちろん、人気馬に乗ってる回数が違うのでルメールや川田の数字が低いのは仕方ないのですが、逆に考えれば有力馬に乗せればそこそこ使えるんじゃねぇの?と思わせる数字なんですよね。

一方で、鮫島克のように印象が悪いケースもあります。コナコーストなどもそうですが、肝心なところで乗り替わりになるのはそういう部分があるのかもしれませんね。数字では悪くないのに勿体ないです。


■記録

佐々木  『開催福島リーディング』


■騎乗停止等

岩田Jr  JBCレディスクラシックにおいて前検量に遅刻し、騎乗停止


■その他

やはり短期免許組は驚異でした。まず、モレイラは13勝(重賞3勝)を挙げ、3着内率は0.583を記録。ルメール並みとは言いませんが、それ以外は十分見下せる数字ですね。

続いて、マーカンドは3節で8勝を挙げました。勝率は0.163と目を見張るものがありますが、3着内率は0.347と一流騎手のそれより若干見劣りします。モレイラと比べると人気馬への騎乗数が少ないのでこれは仕方ありません。

その奥様であるドイルは最初の2節は福島で騎乗し、4勝を挙げる活躍。やはり有力馬に乗せればしっかり結果を残します。今週から再び3場開催ですが、どこに行くのでしょうか。中京でGⅠがあるので、中山や阪神に行くのかな。中央四場でどこまでやれるのか楽しみです。


こうした面々を相手に戦わなければいけない日本人騎手は大変ですね。特にモレイラはやりすぎでしょう。毎週15鞍程度に騎乗して勝率3割、人気馬への騎乗割合81.6%は完全に傭兵です。これでは騎手資源の保護は不可能でしょう。若手が育ってきていることですし、一刻も早く短期免許組の一日あたりの騎乗数制限を導入してくださいJRAさん。

今年も残りひと月ですが、モレイラは中旬、マーカンドとドイルは月末、今月はムルザバエフやムーアの再来日も噂されていますので、ますます苦しくなりますが、そんな輩に負けずに頑張ってほしいと思います。


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