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ケンタッキーダービーへの挑戦

今年のケンタッキーダービーには日本から2頭が出走し、フォーエバーヤングが日本馬の最高順位となる3着に入り、テーオーパスワードも5着と奮闘しました。

フォーエバーヤングは昨年の全日本2歳優駿(L)の勝ち馬で、今年はサウジダービー、UAEダービーを連勝し、5戦5勝で米国最高峰のGⅠに挑戦となりましたが、スタートが伸びあがるような形になり、1角では20頭立ての15番手で回る苦しい展開に。テーオーパスワードはさらに後ろの17番手でしたので、そこまで下がらなくて良かったと思う反面、悔しいと思うスタートでした。

向こう正面ではゆったり走っていましたが、さすが米国競馬。前が飛ばして密集する反面、その後ろはそんなに馬群が凝縮しておらず、フォーエバーヤングはジリジリとポジションを上げ、3角で外に出すと一気に先頭集団に追いつく捲りを見せます。

直線に向くと外のシエラレオーネと馬体をぶつけながら伸び、先頭を走るミスティックダンにジリジリと迫り、残り200mでは併せ馬で伸びて来る2頭の決着になるかと思いましたが、ミスティックダンも粘りを見せ、最後は3頭が馬体を合わせたところでゴール。わずかにミスティックダンが粘り、2着は馬体をぶつけまくったシエラレオーネ、フォーエバーヤングは3着に敗れました。着差は全てハナ差で、もの凄い勝負を見ましたねぇ。


フォーエバーヤング陣営のコメント
矢作芳人調教師
ただ一言、悔しいです。馬は素晴らしかったです。すごく頑張ってくれました。日本の馬にとって全く慣れない環境のなかで、これだけ走れる彼には本当に頭が下がります。ただ、あそこまで行ったので勝ちたかったです。この経験は今後に生かさなければなりませんし、間違いなく生きてくると思います。世界一の馬になれるように一緒に歩んでいきたいです。応援してくださった皆様、すみませんでした

坂井瑠星騎手
悔しいのひと言です。この素晴らしいレースに騎乗させていただいたことを感謝したいです。競馬にいくと、すごく良い状態で、あそこまでいけたなら勝ちたかったです。応援していただきありがとうございました


悔しいという言葉は、そこに手が届く場所に居る人にしか言えないコメントなんですよね。間違いなく日本競馬のレベルの高さを示しましたし、今後の3歳ダート路線の道筋を決めた一戦でした。馬体と調子さえ良ければ、プリークネスSやベルモントSに挑戦してもらいたいくらいです。

今後はどうなるか分かりませんが、このまま米国に残しても調整が難しいでしょうし、帰国した上で秋にBCに向かうプランが現実的じゃないでしょうか。国内のGⅠを使うくらいなら、来年のサウジ、ドバイを目指した方が良いですし、選択肢が多すぎて困りますが、矢作先生ならしっかりと考えてくれるでしょう。

また、最後の直線でフォーエバーヤングがシエラレオーネにガシガシぶつけられ、決勝戦手前ではタイラー・ガファリオン騎手が坂井瑠星騎手の右側手綱を掴もうとするようなシーンもあり、ネット上でも物議を醸しましたね。これは正面からの映像を見ると、どうやら外に寄ったフォーエバーヤングを左手で制しいるようですね。それでどうなるかは別にして、同じタイミングで自身の右手綱を外に引っ張っているので、危険防止という観点から行った行為のように見えます。

そんなんするなら自分の馬を外に出せばいいのですが、それはしたくないみたいで・・・まぁガンガンぶつかってくる米国競馬ですから、これくらいは許容範囲なのかな。日本式の騎乗ではなく、向こうに合わせた騎乗をした坂井瑠星を褒めましょう。


それから勝負に参加はできなかったものの、最後に脚を伸ばして着に入線したテーオーパスワードは素晴らしいチャレンジでしたね。日本のダートOP勝ちの実力は米国でも十分通用することを示してくれましたし、フォーエバーヤング同様にダート界の新しい道を切り開いてくれた一頭だと思います。


テーオーパスワードの陣営のコメント
高柳大輔調教師
もう少し経験を積んでいればゲートもうまく出てくれて、ポジションもいいところにつけることができたと思います。そのぶん、最後少し離されてしまいました。レースプランとしては、前には行きたくなかったですが、中段にはつけたかったところです。レース前は、こちらの馬と違いイレ込んでしまいましたが、パドック内のボックスに入ったときに落ち着いていたので、これなら大丈夫だと感じました。あの走りをもってすれば、日本でも十分活躍できると思います。この馬はまだ3戦目ですので、今後精神的にも大人になっていくはずです

木村和士騎手
馬はすごく頑張ってくれて、直線でもしっかりと伸びてくれました。調教に騎乗したばかりの頃は幼い面も見せていましたが、徐々に成長してくれていました。ただ、2戦しかしていないこともあり、日本でのスタートのようにスムーズには前に出てくれませんでした。それでも、道中は切り替えて、前の人気馬を追走する形で、しまいはしっかりと伸びてくれました。この経験を生かせれば今後もすごく期待できると思います



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