見出し画像

柴田善臣騎手が黄綬褒章受章

4/28、JRAから「令和4年春の褒章において、黄綬褒章が授与される旨の発表があったのでお知らせするぜぇ」と発表がありました。2020年の秋の褒章に続いて褒章キタァァァーーー!!!と驚いて内容を見てみると、なんと受章したのは相談役だというから二度の驚きです。確かに年齢的には貰っていいと思いますが、正直ソコ?と思ったのもの事実です。だってJRAには年の近い武さんがいますからね。

相談役のコメントは「大変光栄に感じております。このような栄誉に浴することができたのは、これまで支えてくださった多くの方々のご理解とご協力によるものであり、私一人では到底受章できなかったものと、あらためて感謝を申し上げる次第でございます。今回の件は、治療からの復帰を目指しながらも、心の折れそうな気持ちになった中、とても勇気づけられるものとなりました。この受章を励みに、早く復帰して、関係者の方々と共に競馬の発展に一層貢献していきたいと思います」だそうです。本当におめでとうございます。


一応、JRA騎手としては二本柳俊夫、岡部幸雄に続く三人目、現役としては史上初となります。国営時代からは尾形藤吉、稲葉幸夫も受章していますが、二本柳含み、どちらかと言えば騎手より調教師の功績を重視されたと思います。ちなみに地方では一昨年に的場文男騎手が受章していますね。その時の記事です↓↓↓

この記事でも書きましたが、勲章や褒章って分かりづらいんですよ。ざっくりおさらいすると、陛下から褒められる(栄典)ものには主に勲章と褒章の2種類があり、勲章をもらうことを叙勲褒章をもらうことを受章と言います。ちなみに同じ栄典の一つである位階は対象者が死亡した際にもらうもので、位階をもらうことを叙位と言います。

んで、勲章の種類と対象は、こんな感じです。

勲章 (2)

■大勲位菊花章
最高位となる大勲位菊花章は、皇族や内閣総理大臣、最高裁判所長官、諸外国の大統領や国家主席などに贈られるもので、一般人はまぁ関係ないです。

■桐花大綬章
桐花大綬章は元々『旭日桐花大綬章』として運用されていましたが、2003年(平成15年)の栄典制度改正により旭日章から分離され、上位の普通勲章として運用されています。受章者は大勲位菊花章と同じような人が多く、一般人には無縁ですね。

■旭日章
旭日章からは聞き覚えがあるかと思います。一番上の位が旭日大綬章、そこから旭日重光章、旭日中綬章、旭日小綬章、旭日双光章と続き、一番下は旭日単光章となります。下2つの名称は2015年の栄典制度の改革によって旭日が先に来るように変更されています。受章対象者は「功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた方」ですが、岡部さんでも旭日小綬章だったので旭日中綬章以上を叙勲するには武さんクラスでやっと、というところでしょうか。

■瑞宝章
瑞宝章も旭日章と同じく、瑞宝大綬章、そこから瑞宝重光章、瑞宝中綬章、瑞宝小綬章、瑞宝双光章と続き、一番下は瑞宝単光章となります。位は旭日章と同位であり、こちらは改正によって以前の名称から旭日章と同じような名称に変えられています。

■宝冠章
宝冠章は女性専用の勲章であり、上から宝冠大綬章、宝冠牡丹章、宝冠白蝶章、宝冠藤花章、宝冠杏葉章、宝冠波光章となっています。2015年の栄典制度改正前は菊花章、桐花章、旭日章は男性限定でしたが、改正後は女性にも受章されるようになり、現在は主に女性皇族や諸外国の儀礼叙勲に限定して運用されているそうです。こちらも位は旭日章、瑞宝章と同位です。

■文化勲章
文化勲章は他の勲章と制定の時期が異なる単一級の勲章です。主に文化功労者が対象ですが、その『文化』という範囲がどんどん拡大しているため、何でもありの勲章になっています。それなのに位は旭日章や瑞宝章、宝冠章の最高位である旭日大綬章・瑞宝大綬章・宝冠大綬章と同位とされており、個人的にはバランスが悪いなぁと思います。


それから勲章の受章対象者は原則70歳以上(精神的または肉体的に著しく労苦の多い業務に精励した方、または人目に付きにくい分野で長年業務に精励した方は原則55歳以上)となっていますので、現在53歳の武さんがは最速でも再来年2024年の春にならなければ受章できません。叙勲された競馬関係者は2022年4月現在、以下の8名となっています。たぶん。

画像2

これとは別に、同じ組織という意味では元JRA理事長で史上初の生え抜き理事長だった土川健之氏も旭日中綬章を叙勲しています。


ここまでが『勲章』です。続いて『褒章』の話に参りましょう。こちらは以下の6つの褒章があり、団体なら褒状、再び同じ褒章を受章する場合は飾版となります。

画像3

この中で競馬関係者が受章できるのが黄綬褒章です。どうもスポーツ分野が対象となる紫綬褒章ではないようです。勲章も褒章も関係府省から推薦を受ける形になりますので、農水省から推薦されるため黄綬褒章になるみたいですね。ただ、社台グループの吉田照哉氏や勝巳氏などは産業の振興に優れた業績を挙げた方に該当しそうな気もするんですよ。そしたら藍綬褒章受章できませんか。そうですか。

もちろん、命の危険を顧みず人命救助に尽力したり、ボランティアに勤しんだり、多額の寄付をしたりすれば、紅綬褒章や緑綬褒章、紺綬褒章などが受章できるかもしれませんが、まぁそれは競馬とは別ですからねぇ。

なお、褒章について栄典制度の改革により、平成15年秋から年齢に関係なく授与されるようになりました。 今年の冬季五輪で金メダルを獲った平野歩選手などが受章しているのはそのためです。競馬関係者の受章者は今年の相談役を除くと以下の4名です。

画像4


勲章にしろ、褒章にしろ、騎手一筋で貰えたのは岡部さんと的場さん、そして今回の相談役のみですから名誉なことです。でもですね、相談役の受章でハードルが著しく下がったのも事実なんですよ。実績からすればノリさんとかも対象になりそうですし、順調にいけば福永とかも貰えそうですもんね。うへぇ。

ともかく、褒章という名誉な栄典を頂いた柴田善臣騎手、おめでとうございます。早くレースに復帰できるようお待ちしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?