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夏季競馬の暑熱対策はこれでいいの?

夏季競馬における暑熱対策の一環として、午後のレースを休止する対策が正式に発表されました。これによると、2場開催となる7月27日~8月4日の2週間のみで行われ、新潟と札幌で競走時間帯が違うということです。

こんな感じですが、新潟と札幌の両方で行われるわけではなく、特に暑い新潟のみで休止時間があり、札幌は通常通りになります。新潟は午前中に5Rをこなすため1Rの出走時刻が20分ほど早くなり、昼前から3時まで休止して残り7Rを18時半までに終えるようです。

札幌が通常なのでちょっと混乱しそうですねぇ。メインが7Rなのはいいですが、どうせなら札幌も合わせた方が良いと思います。いくら札幌でも日中の気温は30度を超えますし、昨年8月の最高気温は36.3℃ですから、暑熱対策とは名ばかりのような感じがします。

もちろん、18時半まで競馬ができるのは嬉しいですし、新しい試みなのは分かるんですが、この結果、仮に札幌競馬で人馬に熱中症が発生したり、重大な事故に繋がったら、何で札幌は暑熱対策しないんだ!という話になりますし、新潟で発生したらこの暑熱対策は意味がないものになってしまいますよね。

何が何でも毎週競馬を開催するという意気込みは素晴らしいですが、私が前々から言っているように、2週ほど開催休止すればいいんですよ。以前に書いた記事の内容をまとめると、


1.開催を2週間休止する

具体的な週は7月の最終週から8月の2週目までの内、2週間ということになり、最大で2節12日間の休止する案です。

新潟 4日間 → 第1回新潟or第1回福島に+2日
        → 第3回新潟or第3回福島に+2日
小倉 4日間 → 第3回中京に+2日移行
          第3回中京の2日は第1回or第2回中京に移行
       → 第4回中京に+2日
札幌 4日間 → 第1回および第2回函館を1週繰り上げ+2日
       → 第2回札幌に+2日

基本的には同じ競馬場の別開催に組み込む形ですね。9月は2場開催が続くので、ぶっちゃけそこに組み込めるならそっち方がトップジョッキー以外には助かります。


2.重賞は繰り下げで対応する

以前の書いた時は8月の2週を休止したケースを想定しており、今年は重賞の開催日が少し変わっていますが、今年で言うとエルムS、レパードS、関屋記念、小倉記念が休止の対象となります。

ダートの2戦は前後に振り分ければ済みますし、芝の2戦はサマーシリーズの関係もあり、1~2週繰り下げで対応できます。というかサマーシリーズ自体を再編成したり、1週繰り下げしても対応できるんですよね。

仮に休止を7月最終週を組み込むなら関屋記念と小倉記念は動かさなくて良くなりますし、アイビスSDは2週繰り下げた開幕週、クイーンSは1週繰り上げの札幌開幕週で対応できます。開幕週を嫌うなら札幌記念の翌週に組み込めます。勝ち馬がエリ女に直行しているのを見ると、秋競馬にそこまで影響はないでしょう。


3.メリット

日本競馬は年中休みがありません。トップジョッキーにもなると満足に旅行にも行けないほど日程が詰まってしまい、働き方改革どころの話ではない状態が続いています。シーズンオフが無いなら、せめてまとまった休みを少しでも取れるようにするのが今の世の中の流れに合致するのではないでしょうか。

調教だって2週間限定なら少なくなる前提で交代で行えばいいのです。休む騎手も居れば、精力的に手伝って顔を広げる騎手だっているでしょうし、海外に遠征する騎手も居れば、体のメンテに使う騎手だっています。選択肢を与えることが重要なのではないでしょうか。

また、厩舎関係者も中途半端に1場だけ休みますってしても結局、他の2場で開催しているなら普段と変わりませんし、2週間競馬がありませんとなれば、外厩に回すなり、調教の頻度や世話を分担して数日づつ休めるように振り分けることだってできます。もちろん、それをするかどうかは厩舎次第ですが、繰り返すようの選択肢を与えることが重要だと思います。

それはJRA職員にも言えます。巨大な組織であるJRAなら職員が有休を申請したらそうそう拒否はしないでしょうし、開催業務が無ければその分、時間に余裕ができます。それをやりくりしてまとまった休みを与えることだってできるでしょう。ただでさえ、土日業務で家族と余暇を楽しむことが難しい職ですし、働き方改革で職員の意識も変化してきているわけで、そこをしっかりと考えるのが巨大組織で特殊法人というJRAの立場ではないでしょうか。


というわけで、JRAの暑熱対策は毎度やってる感しかないんですよね。もっと攻めていいと思いますし、売上は十分取り返せますから、新しい日本競馬の礎を構築するためにも大胆な方策が必要かと思います。

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