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騎手の成績 2024年1月

気が付けば1月も終盤です。本ッッッッ当に時が経つのは早いですね。毎週競馬をやっていると特にそう思いますよ。さて、新たな一年が始まりましたが、毎年1月期は一発勝負的な争いになり、思いもよらない結果が出るもんで、後述する女性騎手や短期免許組などがそうです。どんな1月期になったでしょうか。


■1月期リーディング&通算リーディング

2024年最初のリーディングを獲ったのはルメールでした。ちょっと意外でしたねぇ。中山開催でこれだけ勝つなら東京開催になったらどうなってしまうのでしょうか。そして2番手につけたのは川田ではなく推しの坂井瑠星で、こちらは驚きのし・・じゃなくて成績でした。川田を喰えるかどうかと考えるのはまだ早いものの、可能性はありそうです。その他、上位陣は相変わらず顔ぶれが変わりませんが、3場開催だとローカルで勝ち星を重ねた少し下の騎手が上がってくるので、その分、岩田Jrが落ちているのが面白いですねぇ。


トップのルメールは前述のとおり中山開催で勝率3割超の14勝を叩き出しました。今週から東京開催ですが、このまま爆発されたら昨年の同一開催最多勝(8日間24勝)を更新するかもしれませんね。


2位の坂井瑠星は、3週間で4勝、4勝、5勝と川田のような数字を残し、重賞まで勝って勢いに乗っています。この勢いのままmレモンポップで海外GⅠ制覇に挑戦してもらいたいところです。


3位の川田も相変わらず良い馬に乗っているものの、取りこぼしがちょっと多いかなぁ。数字的には昨年1月期と騎乗数は変わらないものの、その他の数字(勝率0.341、3着内率0.773)と比べると物足りないですね。まぁその数字がスゴ過ぎるとも言えますが。重賞2つ勝っているのはさすがです。


6位の武豊は3節目の京都で行われた芝の特別戦3つを全勝するという暴れっぷりでしたねぇ。京都は俺の庭とはよく言ったもので、3月で55歳になろうというおじさんとは思えませんねぇ。今年こそGⅠ完全制覇を期待しています。

13位の貫太は昨年の新人最多勝を獲得した逸材ですが、年が変わっても信頼を得ているようで6勝を挙げました。この勢いなら今年中に減量取れるかもしれませんね。ただ、関西若手3年目のジンクスを忘れてはいけません。彼のように田舎の小坊主のような顔でも、周りの先輩や関係者に連れられてあちらこちらに行けば調子に乗ることもあるでしょう。そうやって失敗を重ねてきても治らないのが栗東の風土と言えますから、どうか外れることなくしっかりと前を見据え、一部の諸先輩を反面教師としながら頑張ってもらいたいと思います。


あと気になるところと言えば、女性騎手の活躍が目覚ましい今日この頃、キング姐さんが力の違いを見せつけてくれましたが、肝心のJRA女性騎手は閑古鳥のようです。唯一6勝と気を吐いたのはスマホ6の一人、小林美でしたが、昨年50勝を挙げて女性騎手リーディングを獲った永島、25勝の今村、13勝の藤田、河原田は1月期未勝利に終わっています。永島に至っては深刻で、リーディング上位並みの47鞍に騎乗し、かつローカルの小倉に参戦した上で、2着2着、3着4回と良い所がありません。短期免許組が多く弾かれた騎手が小倉に集まったとしても、これは厳しいですね。


■重賞成績

1月期のリーディングは川田が奪取、とは言っても2勝なんですが。まだまだ始まったばかりですし、これからどう変化していくか。2番手で坂井瑠星はまたダート重賞を獲りました。2023年以降、地方海外を含めると8勝中7勝がダートで、それまでの通算15勝でダートは5勝だったことを考えると驚きの偏り方です。ただ、レモンポップで3勝、フォーエバーヤングで2勝と強い馬に乗っているとも考えられますし、それ以外の重賞ではさっぱりだ、とも取れます。次世代を担う騎手だと思っているからこそ、芝重賞での活躍が見たいですね。

それからルメール、横山武、松山、武豊、戸崎など重賞の常連も未勝利ですが、2・3着がある惜しいグループと、さっぱりのグループに分かれます。武豊は後者ですが、とっとと3勝して38年連続重賞3勝以上を達成してほしいなと思います。


■記録

ルメール  『JRA通算1800勝』
野中    『JRA通算100勝』

ルメールは2015年にJRAに移籍するまで245勝、移籍後は現在まで1567勝を挙げており、年平均はざっくり190勝ちょっとという驚異的数字を叩き出しています。これもひとえに某大手馬主グループのおかげですが、こうした数字を過去の名騎手と比べるのはもうできないですね。

エージェントが正式に導入されたから20年弱、自身の騎乗技術とは関係ないところで大半の成績が決まる現状に個人的には辟易とします。だいたい、良い馬に乗っているから勝てるという説の反論に、良い馬を集めるのも騎手の仕事だというのは理解できます。かつての中館英二御大が騎乗技術はそこそこでも、営業力で馬をかき集め、毎年リーディング上位に顔を出していましたし、それならその反論の仕方は分かるのです。

しかし、エージェントが騎乗馬を集めるために大きな役割をしている現在、その理屈は通らないと思うのですよ。馬主さんに挨拶したりするのは当然として、馬を集める仕事ほとんどしてねぇだろと思うのですよ。せいぜい外厩に行ったりするくらいでしょうか。普通に考えてルメールや川田が中館御大のようにあちらこちらに出向いて営業を掛けているかって問われたら、多くの人はしていないと答えますよ。だってその役割をしているのはエージェントなんだから。

であれば、良い馬を集めるのも騎手の仕事って理屈は通らないと思うんですよね。だいたい、エージェント制度にも問題がありますが、JRAが容易に介入できない点が問題なんですよ。馬券購入禁止、グループを組んで騎乗馬の囲い込み(融通する行為)を禁止していますが、実効性は伴うかと言われればそうではないでしょう。それに競馬記者やトラックマンとの兼業は認められていますし、予想行為も禁止されていません。そういう曖昧な部分にメスを入れられないことがJRAの怠慢だと私は思います。

だってスマホ6の時に言ってましたよね。疑いを持たれることすらいけないんだ、と。東京のGⅠで有力馬が内枠に入る確率が天文学的な数字であるのも疑いを持たれていますし、エージェントに関する上記の点も八百長を疑われていますよ。多くのファンや関係者がそう思っています。それで何も行動しないのであれば疑いを持たれても構わないとJRA自らが肯定するのと何ら変わりがないと思うのは私だけでしょうかねぇ。

まぁともかく、ルメールは大変素晴らしい騎手だと思います。怖いのは武さんのGⅠ記録を抜かれる事だけでしょうか。ここだけは死守してほしいところですが、今年45歳になるルメールは現在JRA・GⅠを45勝しており、武豊は81勝です。JRA移籍後に40勝、年間4~5勝ですから、約8年で追いつく計算ですし、年間GⅠ8勝の大暴れを5年すれば追いつく数字です。それまで武さんが年2勝したとしても、10年ちょっとあれば追いつきますね。もうルメールが何歳まで乗るかの勝負になってます。あと10年乗るか乗らないか・・・ヒリヒリしますねぇ笑 なお、全GⅠ制覇はドバイと同週の高松宮記念だけが難しそうです。


それからかつての推し、野中君はやっとJRA通算100勝を達成しました。長かったですねぇ。武者修行から帰ってきた2019年に25勝を挙げた時は関東騎手界を引っ張れる存在になりそうな雰囲気はあったんですが、その後減量が取れて、騎乗数も勝ち星も徐々に下がって行き、昨年はひと桁まで落ち込みました。もっと勝てると思ったんですがねぇ。

ただ、本人も言ってるように営業が下手ということもあるでしょうが、やはり関東圏から出ないという点は可能性を狭めていると思うのですよ。昨年は年初の小倉に参戦して安田翔伍先生のところでお世話になってましたが、そうした繋がりを持てるのがローカルの良いところですから、積極的に第3場に出向いていければもっと勝ち星は増えると思います。

横山和も9年目までは132勝でしたが、10年目に30勝を挙げると翌年から79勝、73勝、47勝とリーディング上位に食い込むようになりました。野中君も今年10年目ですし、きっかけ一つだと思うんですよね。あの笑顔をウィナーズサークルでたくさん見たいですねぇ。


■騎乗停止等

特になし


■短期免許組

こちらは大問題です。ルーク・モリス騎手は20日の京都競馬で斜行し、来月の3、4日の2日間騎乗停止処分を受けていましたが、1月24日付で短期騎手免許の取り消し申請を行ったそうです。理由は一身上の都合となっていますが、JRAの発表による一身上の都合って何でもありなんですよね。昨夏に落馬負傷して帰国したチャクイウ・ホー騎手も、治療のためと括弧書きがあるものの一身上の都合でしたし、発表するなら関係者やファンに対して分かりやすい内容にしてもらいたいものです。

そのモリス騎手は昨年12月から来日しており、GⅠ3つを含む重賞に7鞍騎乗したものの未勝利。というかトータルでも1勝しかしておらず、完全にハズレの外国人騎手でしたねぇ。まぁもともと英国リーディングで15~35位くらいの騎手で、凱旋門賞をアルピニスタに勝って来日していましたので、こんなもんかと言えばこんなもんか、なんですが。

ただ、やはり途中帰国は頂けないですよね。しかも騎乗停止になる前、JRAの発表前に帰国しており、24日のケンプトンパーク競馬場で4鞍に騎乗するとの報道があったのはJRAの心証を悪くしますよね。まぁもう来れないと思いますし、来ないと思いますが、短期免許組だからといって良い騎手とは限らない良い例だと思います。


それから豪州のキング姐さんはAJCCをチャックネイトで制しました。JRA史上初の女性騎手によるGⅡ制覇ですが、騎乗っぷりもすごかったですね。詳しくは週末の記事をご覧頂くとして、人気で外すシーンも少ないですし、これまで3着が0.405なら優秀だと思います。たぶん、豪州のニューサウスウェールズ地区の女性騎手リーディング1位で参戦してきていると思いますが、しっかりと結果を残せばレーンのように重宝されるかもしれません。短期免許期間は3月5日までなので、それまで注目しましょう。


■その他

関東の北村宏と猛蔵、小林脩斗が落馬負傷で休業しています。寒い時期は落馬が多くなりますから、人馬ともに十分に気を付けて欲しいですね。あと、毎回思うのですが、落馬負傷した後の容態について報道ではほぼ触れられない点が悲しい限りです。

武豊の場合は、復帰までどうこうとありましたが、マイナー騎手だとJRAの発表後は音沙汰無しとかザラですし、小林脩斗は自らのSNSで発信したので落馬負傷が分かったものの、今回の猛蔵に至っては7日の乗り替わりから情報が出ていません。報道機関としてこうした部分に目を当てられないのはいかがなものかと思いますよ。

JRAにしたって休業としているだけで、それがどんな事象に基づくものなのか分かりませんし、競走馬が故障した時は何ヶ月の休養を要する見込みと発表しているのに、騎手は落馬負傷しました、休業中です、おしまい、じゃあまりにもファンや関係者に失礼じゃないですか。

新規の客を集める事ばかりに注力して、集めた客の満足度を上げる事を考えないのは素人経営だなぁと思います。もう一度、JRAは誰の金で運営しているか思い出して下さい。ファンが馬券を買って金を落とすから運営できているのですよ。売上の99%は馬券収入なんですよ。JRAも関係者も自分たちが飯を食えているのはファンが金を落とすからです。もう少しファン目線で物事考えることをしたらどうでしょうか。


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