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気鋭の若手研究者たちが、世界と日本と沖縄を新しい視点でつなぐ。復帰50年を前に読みたい、沖縄近現代史の入門書。


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この本は「教科書」でも、歴史のトリビアを寄せ集めた「歴史ネタ本」でも、専門用語と古文書だらけの「専門書」でもありません。

世界史や日本史とのつながりを意識しながら、現代の沖縄社会の課題に向き合う上で必須だと思うテーマが選ばれています。

執筆者は本章とコラム合わせて総勢25名。多彩なバックグラウンドを持つ研究者たちが、最新の研究成果を踏まえ、史料に基づき、時代の流れに沿って配置した沖縄近現代史の「入門書」という位置付けです。

復帰50周年を前に、沖縄の歴史をあらたな視点から振り返る一冊、ぜひご一読ください。

目次

はじめに 近くて遠い、近現代史へのミチシルベ  前田 勇樹・古波藏 契

第一部 狙われた島々

●第一章 ペリーが琉球にやってきた時代 前田 勇樹

●第二章 「琉球処分」の一四〇年 前田 勇樹

●第三章 甘いけど苦い、黒糖と沖縄近代 前田 勇樹

【コラム①】旧慣期宮古・八重山地域の女性たち 伊佐 知弥子

【コラム②】農村の人口増加とイモ・ソテツの話 比嘉 吉志  

【コラム③】旧慣期の先島と人頭税 平良 勝保

第二部  「日本人」への扉 

●第四章 沖縄を変えたふたつの戦争 前田 勇樹

●第五章 沖縄の人々にとって「日本人」になるってどういうこと? 萩原 真美

●第六章 「ヤマト化」に翻弄される沖縄 高江洲 昌哉

【コラム④】島嶼性と島嶼制 高江洲 昌哉

【コラム⑤】戦前の「SNS」・新聞投書  上里隆史

【コラム⑥】七〇年にわたる沖縄の方言札 近藤 健一郎

【コラム⑦】八重山女性の手から消えたティーツキ 山城 彰子

【コラム⑧】人類館事件 大里 知子

第三部  「沖縄戦」に潜むもうひとつの歴史

●第七章 エスニック・マイノリティの沖縄戦 北上田 源

●第八章 読谷・旧軍飛行場用地問題から何を学ぶか 北上田 源 

●第九章 語りなおされる沖縄戦体験 秋山 道宏

【コラム⑨】沖縄戦における御真影奉護と志喜屋孝信 萩原 真美

【コラム⑩】朝鮮半島出身者と沖縄 成田 千尋

【コラム⑪】サイパン・テニアンの地上戦と再基地化のなかで 森 亜紀子

【コラム⑫】「集団自決」と向き合う 石川 勇人

【コラム⑬】沖縄の地域史編さん 濵地 龍磨

第四部 アメリカ世と日本復帰にひきさかれて    

●第十章 アメリカ膨張史のなかの沖縄 池上 大祐

●第十一章 何が人々を「島ぐるみ闘争」へと駆り立てたのか 古波藏 契

●第十二章  復帰運動を「総括」する 古波藏 契

【コラム⑭】「沖縄県公文書館」とアメリカ資料 仲本 和彦

【コラム⑮】米国統治下の「外国人」について 土井 智義

【コラム⑯】沖縄アイデンティティーにとってコザ蜂起とは? ウエスリー 上運天
【コラム⑰】 アメリカ世から日本世を貫く《沖縄を返せ》  栫 大也

第五部 沖縄社会を編みなおす

●第十三章 ウチナーンチュの世界帝国 古波藏 契

●第十四章 日本復帰と「開発の時代」 秋山 道宏

●第十五章 くりかえす沖縄ブームと基地問題 古波藏 契

【コラム⑱】本土就職と「キセツ」のあいだ 岸 政彦

【コラム⑲】市場の戦後史 新 雅史

【コラム⑳】一九九二年の沖縄ブーム 新城 和博

おわりに 出会いなおし続けるために  秋山 道宏・前田 勇樹