食品の海外進出のポイント解説

2013年、ユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されました。それに伴い、世界的に日本食の認知度が上昇し、注目が集まっています。これは、海外進出を目指す食品企業にとって追い風と言えるでしょう。現に、海外の日本食レストラン数や農林水産物・食品の輸出額が増加しており、数字の面からもその影響がうかがえます。

(1)海外における日本食レストラン数の増加
2013年:5.5万点 → 2017年:約11.8万点

(2)農林水産物・食品の輸出額の増加
2013年:5,505億円 → 2017年:8,071億円

出典元:https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/wasyoku_unesco5/unesco5.html

ですがいざ海外進出しようとなっても何から始めればいいかわからないという企業も多いのではないでしょうか?
本記事では食品企業が海外進出する上で考えるべきポイントを解説します。

海外進出を進める上で考えるべきポイント

・海外進出をする上で準備すべきポイント5点

①サポートしてくれるパートナーを探す
②自社製品の強みを整理し、現地の消費者にアピールできる要素を明確にしておく
③現地の法規を把握しておく
④現地の商習慣や文化、宗教や嗜好性を調査しておく
⑤販売先を確保しておく

これまで海外に全く携わってこなかった企業が、自社だけで海外進出するのは難しいでしょう。日本と大きく異なる環境下でビジネスを成功させるには、現地の状況をよく知るパートナーが必要です。パートナーは、海外の現地法人やすでに海外進出している日系企業、海外進出の支援をしているコンサルタントなど様々です。パートナーは伝手をたどって自力で探しても良いですし、ジェトロ(日本貿易振興機関)などが開催しているパートナーとのマッチングプログラムを利用して探すという方法もあります。

そして自社製品を売り込むにあたって、強みや訴求点を明確にしておきましょう。ポイントとしては、日本市場で培ってきた経験に縛られないことです。これまで日本市場で得てきた情報や知見を参考にするのはよいですが、海外は市場環境や現地のニーズや嗜好性、競合などが日本とは全く異なります。日本市場で強みだったことが海外では強みにならなかったり、逆に思わぬところが強みになったりします。

逆に現地の法規や商習慣や文化、宗教や嗜好性は日本のそれとは全く異なるため念入りな調査が必要です。特に食品の場合は知らぬうちに法令違反を犯してしまったり、宗教上の理由で口にできないものを誤って口にしてしまったりすることで大きな問題となることがあります。

最後に販売先確保ですが、海外進出を成功に導く重要なポイントです。営業先についてはパートナーの伝手を活用するのも良いですし、日本国内で取引があり、かつ、すでに海外進出をしている既存顧客にアプローチする方法もあります。顧客と商談をする際には、現地の嗜好性やニーズについて重点的にヒアリングをしましょう。国や地域ごとに嗜好性が大きく異なる食品にとって、すでに現地でビジネスをしている顧客の生の声は最も有用な情報です。その情報をもとに、現地の嗜好性にマッチするように自社製品を改良したり、訴求点をブラッシュアップしたりしていきましょう。

まとめ

この記事では、食品企業の海外進出のポイントについて解説をしました。日本は少子高齢化が進み、食品市場の規模は徐々に縮小していくことでしょう。それに伴い、競争も激化していきます。他方で、世界では自社の強みを活かして優位性を確保することができるチャンスがあるかもしれません。さらに、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、「Made in Japan」の食品の価値が高まっており、日本の食品企業が海外進出するチャンスの時期です。海外と無縁のビジネスをしてきた食品企業にとっては、海外進出は途方もないチャレンジに感じるかもしれませんが、ぜひこの記事を参考にして、海外進出の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。そして、これまで磨き上げてきた自社製品を世界にアピールして企業の成長につなげていってください。


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