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いつか、かたくられんの隣に俺が必要なくなるその日まで。

株式会社リバ邸代表のかたくられんとは、彼の片腕というかペアというか、そんな距離感でこの1年間一緒に仕事をしてきた。


いま、彼とぼくは同じ家(リバ邸蒲田)の隣の部屋に住んでいる。
(彼はおそらくONE PIECEの動画を爆音で見てるようで、アーロン編のナミの絶叫が聞こえてきている)


それこそ言葉通り、寝ても醒めても隣にいる環境。


彼のペアとしての俺の仕事内容は「彼がやらないこと(できないこと)をやる」だ。


ちなみに俺には正直、突出した能力がない。

でも「できないことはできるようになるまでやる」という根性論だけで彼の全面サポートをしてきた。

万能とは程遠いけど、凡人なりに気合でなんとかしている感じ。


そんな感じでペアとして関わっている彼に、2人で鳥貴族に飲みにいったときに伝えたことをこのnoteに書き残しておく。


これからの彼と俺と、株式会社リバ邸の未来について。


かたくられんと俺。

たぶん、彼と俺は相性がいいわけではない。

優先順位も、大切に思っていることもけっこう違う。

そもそもの価値観が違い過ぎる

「阿吽の呼吸でアイコンタクトだけで意思疎通」みたいなのはたぶんこの先も一生実現しないと思う。

それでも今、生活も仕事も共にして生きている上で、彼のペアとして隣で支えられるのは多分俺しかいないと思っている。

なぜなら、彼に付き合いきるのは相当な胆力がいるから
(経験者は語る)


彼と四六時中共にいて、付き合いきっている立場から、ちょっと彼の他己紹介をさせてほしい。


隣で見る、かたくられん。

片付けができない。

まず、絶望的に整理整頓ができない。


朝、せっかく俺が淹れてあげたコーヒーも、飲みきらないどころか片付けずにテーブルに置きっぱなしのことが多々ある。

彼の飲み残しのコップを洗うのはもう日常業務のひとつになってしまった。

最初は「使ったら片付けて」と本人に言い聞かせていたのだけど、10回くらい言ってからはもう諦めた。

でもさすがに、リビングに放置しっぱなしだった彼の洗濯物を見かねてパンツを畳んでたときは「俺は母親か」と独り言を言ってしまった。


「ひとつひとつちゃんとこなす」みたいなのが本当にできず、思いついたことがあったらすぐにそっちに気がいってしまうらしい。

だからこそ、彼はいくつもの案件を同時進行させる。

ので、整理整頓がとても大変である。


酒癖が悪い。

とにもかくにも酒癖が悪い。


以前、彼と俺の2人でお酒を飲みに行った帰り道、ラーメン屋によった。

彼はなぜか、ラーメンの「麺抜き」を注文して、具だけを食べきった後、俺の麺を根こそぎもっていった。

そしてお腹いっぱいになった彼はリバ邸に帰った途端に廊下で深い眠りについた。

理解に苦しむ。


彼は

「酒を飲んだときの自分は本当にダメになるけど、それでも一緒にいてくれる人と仕事したい」

「素の自分を見せられる人とあそぶように仕事がしたい」

と言う。


これはまあなんとなくわかる気がする。

でも、人のラーメンの麺を根こそぎもっていくのは本当に理解に苦しむ。


口が悪い。

口が悪いから人を怒らせてしまうことが多々ある。


あとで注意しても「大丈夫、わかってるから。」というのだが、全くわかっていない。

わかってたらそもそも人を怒らせないはずだし。

あとでこっそり、怒らせてしまった相手に俺からフォローを入れることもある。

そして俺が謝ることさえある。

なぜだ。


ただ、口が悪い分、誰も言わないことを直接本人に伝えたりもする。

そのときはちょっと空気がザワっとするけど、一歩踏み込んだことを言うからこそ、信頼関係が築けていることもある。

相手にとってどんな言葉が当たり障りがないかを本能的に考えてしまう俺にはできないこと。


とてもさみしがり。

本当に根っからの寂しがり屋。


現在の住まいであるリバ邸蒲田では個室の部屋を持っているのに、扉を閉めずに寝る。

彼いわく、生活音が聞こえてないと不安になってしまうらしい。


だから、彼は人と会い続ける。

彼のスケジュール表はもうとにかく人と会う予定がビッシリ詰まっていて、ちょっと余白ができればTwitterとかで会う人を募集する。

そして酒を飲んで、気づいたら仕事を生み出してくる。


酒癖が悪いから人に迷惑をかけるけど、だからこそ彼の周りには面倒見のいい人が多い。

口が悪いから波風を立ててしまうけど、だからこそ本音だけで喋る信頼関係を築ける。

寂しがりやだから一人でいれないけど、自分から人に会いにいくから輪を広げられる。


これが、俺から見たかたくられんだ。


かたくられんを取り巻く世界とリバ邸の未来。

彼には「できないこと」が多いけど、それを補うほどの不完全な魅力がある。


彼は、人に頼るのが得意だ。

たぶん、自分が偏っている人だとわかっているから。

彼なりの本能的な生存戦略なんだと思う。


今のこのリバ邸の雰囲気は、たぶん人に頼ることができる彼じゃないと作れなかった。

もちろん、俺じゃできない。


俺は、人に頼るのが苦手だ。

彼のように「自分が全てやるわけではない」って前提で物事を進めていくことができない。


だから、彼に見えているものが俺には見えていない。

俺は、彼が見ている景色が見たい。


自分の力でなんとかしようとせず、大いに人を巻き込んで動く彼が実現する未来を隣で見たい。 


いつか、かたくられんの隣に俺が必要なくなるその日まで。

彼は、自分で思っているより、人と生きるのが下手だ。

でも、自分で思っているより、人に愛される資質がある。


たぶん俺の役割は、彼を社会とつなぎとめること。

そして、彼の魅力を殺さずに伸ばすこと。


最初にも書いた通り、彼と”ペア”で仕事をできる人は俺しかいないと思っている。

ただ、これは”チーム”になればきっと変わってくる。


今、クラウドファンディングで挑戦している#リバ邸100軒計画。

これは本文にある通り、かたくられんと一緒に遊ぶように事業を盛り上げてくれる仲間を募っている。


既にこの1年間で彼に深く関わってくれる人は増えた。


今年の4月から取締役として参画した拓美くんは、いままで俺じゃ言語化できなかったリバ邸の思想とかを見事に言語化して体系化してくれた。


リバ邸が法人化した当初に共同運営で関西にリバ邸を作ってくださった認定NPO法人D×Pの今井さんは、関西自体のリバ邸を盛り上げることにめちゃくちゃ力を注いでくださっている。


きっと彼にはこれからも力を貸してくれる強力な仲間ができていく


たとえば経理や事務、そのうち秘書なんかもできるかもしれない。

そうやって彼の足りない部分を補完して、魅力を伸ばせる人が周りに集まれば、いつか俺が必要なくなるときがくる


それが1年後か5年後か、もしかしたら10年かかるかもしれない。


でも「あ、もう俺がいなくてもかたくられんはやっていけるな」っ思うときが必ず来る。

彼に俺が必要なくなるタイミングがきたと察したとき、俺は彼の隣を去るつもりだ。

ちょっとさみしいけれど、きっとそれは喜ばしいこと。


彼のペアとしての役割に依存したり、ポジションを守ろうとするような自分を誇れないから、とにかく居座ろうとするようなことはしない。


俺にはできない彼のやり方で実現するリバ邸の未来を、隣の特等席で迎えたときが、俺にとってのリバ邸の節目。


その時が来るまで、俺は彼の隣でサポートしたいと思う。


いつか、かたくられんの隣に俺が必要なくなるその日まで。

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