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月イチスイッチ批評。延長戦 / 2018年4月期 Nintendo Labo Toy-Con 01: Variety Kit 「わかる」編

さてさて、もう3ヶ月も経つ“月末”批評。の未解決な完結編。無理やり?三編に分けた公開もこれが最後となる。執筆最中に9月発売の新作が発表されたのは不幸中の幸い、的な。
最後は「わかる」編。
前回は以下よりどうぞ。

第1回「つくる」編
https://note.mu/bornweb/n/nb7f726dfe385

第2回「あそぶ」編
https://note.mu/bornweb/n/n1e98d9ef2efd

今回紹介しているニンテンドーラボ バラエティキットは、「つくる」「あそぶ」「わかる」とモードに分かれているのだが、作って遊んでみて、最後に「わかる」モードを覗いてみると、改めて驚くほど良くできているゲームだと気づく。
そして、その一片でも皆さんに分かってもらえることが、私にとっての本望である。お子さんのいる方には特に、理解してもらいたい一品であることが伝わってほしい。


◼︎「わかる」チャット形式

「わかる」モードは、ほかの「つくる」「あそぶ」モード同様に非常に分かりやすく作られているということは、前回までを読んでもらった方々には、説明するまでもない。

LINEのような吹き出しチャットを用いた表現で、「わかる」ように解説していく。ここまで露骨に現代的な表現は任天堂にしては珍しいかも。
現代の子どもたちが「わかる」ために必要な表現方法だったと筆者は解釈する。

▲メールが届く、みたいな表現よりよっぽど「わかる」。選択肢を与えるのも“自分ごと”として捉えてもらうための策だろう。

楽しい会話がポコポコと繰り広げられるだけで、為になるし、つぎつぎ勉強したいと思わせる。おそらく、こんな教材はまだこの世にないだろうなぁ、と思う。
このキャラクターたちのチャットというフォーマットで、算数とか国語もやってほしいなー。とても勉強がはかどる新教材になりえると思うが。


◼︎経験が「わかる」につながる

「わかる」為に理解しておかなければならないこともある。
たとえば、先ほど画像であったように“重力”について学ばせる項目があるが、これは「ジョイコンの傾きを検知するセンサー」を分からせるためのものだ。
センサーについての知識は経験で既にあるので、重力への理解は深まる。

デザイン思考についてのnoteを見つけたので、そことつなげてもらうと分かりやすいかもしれない。

https://note.mu/sbr/n/nc1285171c618

意訳もあるかもしれないが、著者なりに一部を簡潔に説明していくと(お時間のある方は全文読んでみてください。)

じつは人は皆、日常を無意識に過ごしていることで、さまざまな考える機会を失っている。
なぜ良かったのか、悪かったのか、印象的なのか、気づかなかったのか、どういう仕組みなのか。
こういったことを考えていくことで、
一歩踏み込んだ考え方、アイディアが思いつきやすい思考をもつことができるようになる。

ということだ。(と思う)
本ソフトでいうと、日常またはゲーム内の経験を例にあげながらその前に遊んだ「つくる」「あそぶ」から何かを気づかせるような構造になっている。というのを言いたいのだ。

ここで重要なのは「わかる」モードを自主的に見る子どもがいるということ。
ゲームというフォーマットのおかげで、その思考に必要な意識的な行動というものが、無意識にできてしまっている。
ここがゲームのすごいところだよ、と力説したいところなのである。子ども自ら勉強を始めるなんて!!大人にも言えるゲーミフィケーションの考え方ですな。
まぁ楽しくてハマってしまう。って最高に集中しちゃってる良い状態だもんな…仕事でもそうしたい…!


◼︎カテゴリとしてのラボ

それからこういう記事も公開されていて。(以下リンク)

30人の小学生が新しい遊びの発明に挑戦! 「Nintendo Labo」を使うハッカソンの初日をレポート

ほぼ初体験の小学生たちがニンテンドーラボで何かを作るというイベントなのだが、こういうことでも良いと思っている。
ココから、ひとつ何かが生まれればイイし、興味が出てきた人が一人でもいれば、そこから発明家や研究者、でなくてもこれからの時代を生き抜ける人が一人でも育てば、この企画は大成功なんじゃないだろうか。
もっとも、売れることが一番だと思うが…余裕のある任天堂としては、こういった社会貢献活動のような商品は決して悪くは無いと思うし。

ラボのようなカテゴリが生まれてくるのは、時代から考えるとそんなに不思議なコトではなく、こういう記事を見かけると、いま求められているものなのかなと思う。


◼︎さいごに。

この商品、じつは作ったあと、とてもかさばるのである。
購入した箱にしまえるわけでもなく、強度などを考えて作られたのに分解するのもなんだかちがう。
だから、ボコボコっとそのあたりに放置していたりする。

このさいごに。を読んだ親御さんが、購入をためらうのは分かる。しかし基本的に段ボールである。しかも、単品で通販もある。(ニンテンドーオンラインストアにて販売中)

そう、これは使い捨てなのだ。
しばらく遊んだら、ソフトだけ残して後は捨ててしまってもいい。それが新しい遊び方、なのかもしれない。いや、もっと辿ると昔から、久しぶりに遊ぶゲームはたまにあっても、ほとんどが遊び捨てられてきたようなものではないか。とも思う。

ここを「わかる」と、すごく遊びやすい知育玩具となるのでぜひ。お子さんとともに壊れるまで遊んでみてほしい。


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