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写真展「その夜の踊り子」に行ってきた

大阪中之島のフェスティバルタワー・ウエストのキャノンギャラリー大阪で「松田優 写真展:その夜の踊り子」が10月3日から10月14日まで開催されている。

松田優さんは、ストリップ劇場に惹かれて写真を撮り続けている共同通信の写真記者で、今回の写真展は2021年に閉館した「広島第一劇場」の様子を撮影した作品が展示されている。私は、4日のお昼過ぎに現場へ足を運んだ。

入口にいた在廊中の松田さんに会釈して会場に入る。思ったよりコンパクトな場内は、スポットライトに照らされた作品が周囲を囲み、中央にはテーブルがあって、そこには踊り子さんのステージ写真が散りばめられている。そして、テーブルを囲むように椅子が設置されていた。

周囲の写真展示は、踊り子さんの舞台裏の素顔、広島第一劇場最終日の熱気、そして閉館後に解体工事に着手している劇場舞台の様子などが主な内容だ。どの展示も興味深かったが、強いてお気に入りの一枚を挙げるとすれば、シャワーを浴びた後におどけた表情をしている踊り子・矢沢ようこさんの写真。まるで、自宅にいるような感じのリラックス感が漂う素敵な表情だ。矢沢さんは、広島第一劇場最後の大トリを勤め上げられた方。まだ矢沢さんの舞台を生で見たことがないので、早くお目にかかりたいものだと改めて思った。

写真展会場の中央にあるテーブルに目を向ける。このテーブルはストリップ劇場のメイン舞台の「盆」を表現している。なので、周囲の椅子はカブリ席と捉えてよいかと思う。この構図の意味合いは、写真展に行く前にジャーナリスト小山美砂さんの「その夜の踊り子」関連のコラムを読んで予習していたから気付いたのだ。私は椅子に座りながら、しばらく空間の雰囲気に浸った。

アンケートを書いたあと、帰り際に松田さんと少し会話させてもらった。外見は落ち着いた雰囲気に見える方だが、話すと、はきはきと言葉を発せられる。芯の強い方のように見受けられ、この感じが広島第一劇場の社長に取材を断われ続けても、何度も劇場に通って、取材の許可をもらった原動力になっていると思った。その人柄は、広島第一劇場の社長から会場にお花が届いていることにも窺がえる。

私は、約1年前からストリップ劇場に通い始めた。メインの踊り子さんを始め、さまざまな出会いがあったが、今回、新たに松田優さんという写真記者に出会うことができた。今回の写真展では、有意義なひと時を過ごせたと思っている。

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