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広報のための文化形成とWebマーケティング #採用広報を科学する

 昨今の採用活動ではリクルートメント・マーケティングが重要であると言われており、候補者からの認知獲得からエントリー検討への誘導の局面における手段の一つとして、採用広報に対する注目度はこの数年で一気に上がったように見えています。
 私も採用にコミットしている立場として自分の成果を振り返ると、出来ていることと出来ていないことがあります(出来ていないことのほうが断然多いですが・・・)。他社の事例を拝聴することで、次の打ちてについて考えるきっかけを作ろうと、今回はイベントに参加させて頂きました。

イベント概要

* 採用広報を科学する ~限られたリソースで広報の効果を最大化する方法とは~
* 2020年6月24日(水) 19:00-20:00 @Zoom
https://herp.cloud/events/note_kyosai_01.html

セッション(1): 1年の記事数を倍増させた継続的な発信を可能にする文化づくり

株式会社マネーフォワード 大崎さん
* 全方位採用を進めるうえで、(当時)採用広報1名なので全社を巻き込んでいくことが必須
* 始める前に検討すべき大事なこと: 
 1. 自社にとって「採用広報」は何のためにするか?
 2. 自社にとって「採用広報」は何をすることですか?
* 採用広報をする目的を決めた
 1. 社外のかたに働きたい会社だと思ってもらうこと
 2. 社内のかたに働き続けたい会社だと思ってもらうこと
* 仲間集め(巻き込み)
 1. ファーストピン
  * 新卒: 仲間が多いし文化づくりにもなる
  * 新規事業担当: 露出増やしたいのでニーズが一致する
 2. あえて依頼
  * 採用広報が自ら書き続けるリスク:
   * 属人性が排除しにくくなる
   * 継続性がネックになる
   * 現場が書くことで書き手が見える
   * 読み手の安心につながる
* 環境づくり
 * 取りに行く仕組み
  * Slackの分報チャンネルなどにこまめにJOINし、情報収集する
  * 気になるものにはメンションを飛ばす。リアクションする
  * 「noteで」スタンプ(emoticon)を作って活用する
 * 入ってくる仕組み
  * いつでも相談できる場所を作って言い続ける
  * ルールは細かくしすぎない
* 手伝ってくれたかたには全力サポート&感謝
 * 企画の相談
 * 執筆・編集フォロー
 * 公開後の拡散(社内外)
 * 感謝 ピアボーナス (unipos)
* 成果
 * 91本(2018年)から190本(2019年)まで増えた
 * 書き手が増えた
* 次の課題
 * データ活用
  * 再現性・効率性
 * 仕組みづくり
  * 自分のやる・やらないの線引が大事に
* 質疑応答
 * 巻き込んだあと質が良くなかったら?品質の担保はどうするか
  * 広報(5名体制)で確認、主にファクトチェックなどを実施
  * 巻き込む際は一人ひとりにさす、というのを人数分繰り返す
   * なんでこれをやったのか、というのをしつこくお願いして書いてもらう
   * 現場ならではのこだわり、熱意みたいなものを込めてもらう
 * KPIの設計はどうしているか?
  * フェーズによって違うが、採用強化するときはWantedlyのフォロワーを追っていた
  * 入社したかたにアンケートをとり、入社前に何を読んでいるか、何を決めてにしたかを確認している

セッション(2): 『お金をかけずに自社応募を増やす』採用広報と採用マーケについて

ナイル株式会社 渡邉さん
* 中長期的に採用を考えた際、エージェントや転職媒体に頼らずに自力で採用する、という観点
* 目的から逆算し成果にする
 * 採用成果のため、記事更新が目的ではない
 * データが取れれば目標や採用貢献度も可視化出来る
* 立ち上げ期:
 * 選考に来て欲しい人にのみ届けるイメージ
  * 広報でなく狭報
 * KPI設定無し
 * 面接官インタビュー
  * 選考時には面接担当の自己紹介が要らなくなる
  * 候補者の安心
* 浸透期:
 * 社内全体で認知を取りに行く姿勢を作り始める
 * KPI設定無し
 * インタビュー+Twitter道場(採用施策ではない)
* マーケ期:
 * 自社がWebマーケティングを強みとしているのもあったので、応用するようになった
 * 採用サイト改善
 * SNS広告
 * ウェビナー
  * チームでは何やるのか、みたいなのを説明する
 * 直面する採用課題・チーム体制・リソース などによって変化する
* データに基づく意思決定
 * ユーザの遷移を計測し、課題仮説を立てる
 * キーワードの順位・UX・コンバージョンを全部あげていく
 * 選考前だけではなく選考中の体験もよくするようにする
 * Google Analytics から抽出・絞り込み・予実作成
  * OKRから逆算して目標にする
 * 採用計画から逆算して、各ステップの目標設定をする
* オウンドメディアの運営
 * どんなひとがいるか、なにをやっているかの質問があまり来なくなった
 * 相手のキャリアや事業ロードマップについてより突っ込んだ議論から面談できる
 * 記事の読了率30%
  * リピーター(選考中の候補者)は90%くらい読んでる
* 質疑応答
 * 社内のエンジニアがどれくらい読んでいるか数字計測しているか?
  * あまり取ってない
  * 入社後のアンケートで効果測定する
 * リーダー、CXOなどを取るなら経営陣からのコミットが必須

振り返り

文化づくりについて
 記事投稿の量を純粋に追うのであれば、広報担当が動いたほうが短期的に成果にはなる一方、継続することはかなり難しいんですよね。現場に書いてもらうにもインセンティブ設計が難しいのですが、社内外に認知され、評価される仕組みも文化形成の一つだと感じました。
採用マーケについて
 メモをあとから振り返るとWebマーケティングそのもので、自社のWebプロダクトの改善に関わった人が見ると、そんなに不思議ではない話なんですよね。各ステップの目標設定はもっと細かくできそうだなという気づきがありました。

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