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第133話 そうか

 長男のひーくんは、最近たまに1人でお留守番をしている。
 だからたまに、心配だし現状把握も込めて携帯にメッセージを送るんだけど、なぜか僕のメッセージは既読スルーされるか淡白な返事をされてしまう。
 だから、ちゃんと返事してよ、心配じゃないかとずっと言っていたら、最近はたまに返してくれるようになった。

「もうすぐ帰るよ」
「そうか」
「パパだよー」
「そうか」

 ほぼ、そうか、しか言ってくれない。
 だから、僕も、同じメッセージを毎回返していくことが多くなった。
 ひーくんは、反応は淡白だが僕のよくわからないくだらない返しも結構ニコニコ対応してくれている。

「スイミングの迎え、パン買ってからいくから少し遅くなるかもだけど先着替えててね」
「うん、着替えのところで待ってればいいの?」
「うん、そんな遅くならないよ、夕方くらい」
「そうか…… それは早いね!」
「パパとひーくん、ふじゃけないで!」

 午前中にあるスイミングでのやりとりなどは日常茶飯事だ。
 くだらない会話には、かーくんかママが突っ込んでくれる。ひーくんと僕だけだと永遠とこれが繰り返されてしまう。
 今日も、中身のないメッセージのやり取りを2人で黙々としていたら、その画面をふとママが見てきてあきれて笑ってきた。

「いやいや、マジくだらな、小学生相手に何やってんの?」
「いやいや、小学生相手だから」
「お前は大人だろ」
「くだらないと言いながら、めっちゃ受けてんじゃん」
「くだらなすぎるからだよ、大の大人が恥ずかしい…… それにひーくんに伝わってないじゃん」
「まぁ、くだらなさを狙ってるわけだから、その反応の時点で成功しているんだよ。ひーくん、友達にこれやったらきっと人気者だぜ!」
「本当やめて」

 ひーくんにスタンプを送ると、また決まったメッセージが返ってくるので僕もお決まりのメッセージを返す。

「そうか」
「せんべい」

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