第132話 ラッコさん
長男のひーくんと次男のかーくんは、3歳くらいからスイミングを習っている。
ここのスイミングは、毎月テストがあり、それに合格すると、クラスが上がっていくスタイルだ。
ひーくんは、ぽんぽんぽんと、最初は浮かぶ練習みたいだったのが、今ではクロールの練習にまで行っている。
かーくんは、1番下のクラスにずっといる。
最初は体の小さいかーくん、目は大きいので、たまに二階の席から観れるのだが、同じ格好をみんなしていてもすぐにかーくんだとわかった。
最近は、段々最初一緒にいたみんなは次のクラスへと移っていく。気づけば、同年代ではまだまだ身体の小さいかーくん。
でも、今の初期クラスでは、明らかに体が大きい。周りは自分より1-2歳小さい子しかいなくなってしまった。
なんのテストができないの? と聞くと、ラッコさんと言っていた。背泳ぎの簡易版みたいなもののようだ。
ひーくんは、お腹をちょっと上げて泳ぐといいんだよ、と教えてあげているが、かーくんに聞く気はない。
それから、たまに2階で見れる時にラッコさんの練習を見てみると、みんな少し浮かびながらバタ足で多分1mくらい先にある先生の元へと泳いでいた。
かーくんのラッコさんを見てみると、かーくんのバタ足は水飛沫が1番すごかった、でも…… 全然進んでいなかった。
かーくんにそのことを聞いてみたら、だっちぇ、頑張ってるのに進まないんだもん! とめちゃくちゃ怒られてしまった。
お風呂で少し練習見てあげようかと聞いたけど、最近かーくんは、1人で入りたいらしく、いつも謎の歌を歌いながら、リビングにまで歌声を木霊させ楽しく1人でお風呂に入っている。
なんの歌うたってるの? と聞くと、聞かないで! と怒られてしまう。
もしかしたら、そのうち、末っ子のモーちゃんもスイミングに入るかもしれない。
モーちゃんに負けるな、かーくん。
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