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第138話 ワーオ

 この前、大阪の遊園地に行ってきた。
 そこには、バナナの妖精、魔法使いに、赤い帽子を被ったおっさんとかがいるわけだ。
 僕は、ハリウッドの方には昔行ったことがあるのだが、ジャパンの方は初めてだった。
 平日というのに、この遊園地は人でごった返している。
 2日間行けたので、2日目を1番激混みの赤い帽子のおっさんの世界に賭けるため、1日目は他の場所を回ることにした。
 まずは、僕も月を盗んでた頃から大ファンのバナナの妖精に会いに、今では有名になりすぎて少し寂しい気持ちもあるが。世界観もよく乗り物も楽しかったが、三半規管の弱い僕には少し辛い内容だった。
 そして、魔法使いの世界でバタービールを飲んだ。次男のかーくんも飲みたいというので、2つ買ったのに一口目で渋い顔をしていらないという。長男のひーくんもママもいらないと言う。僕はバタービールでお腹がタプタプ、口の中は甘々になった。
 隙間時間を使って、恐竜世界にも行った。チャイルドスイッチという制度があるらしく、末っ子のモーちゃんがいても、交代で家族みんなで乗ることができるらしい。僕は探検クルーズみたいな乗り物だと思って、かーくんにはジェットコースターじゃないよーと、かーくんと一緒に乗った。乗る時座席がずぶ濡れなのを見て、あ、これそーゆう系かと、心の中でごめんかーくんと思いながら。最後肉食恐竜を見ながら、急降下、噴き上がる水を全身に浴び、僕とかーくんはずぶ濡れになった。写真に写ってるかーくんは、いたたまれない顔をしていた。そして、同じくジェットコースターが好きじゃない長男のひーくんと交代しようと戻ってきたら、僕らの状況を見て察して号泣し、結局乗らなかった。
 かーくんも、ジェットコースターは好きではないが、しょうがない時は覚悟を決めれる。ただ、それからというもの、乗り物に乗る時、ジェットコースターだったらとも思うのだろうか、毎回、ベルトを閉めた後、僕に向かって手を突き出してくる。無視してると怒られるのだ。
「パーパ、手、手!」
 かーくんにとっては、僕と手を繋いでいれば、怖い乗り物も大丈夫になるらしい。こういう時だけ甘えてくる愛しいやつなのだ。
 そんなこんなで、近くのホテルに泊まり、明日は開園から行くぞと意気込んでいたら、ひーくんは急に疲れていたのか吐いてしまった。
 絶賛反抗期インドア好きなひーくん、ストレスもたまってたのかもしれない。生物も食べてないし、熱もない、多分疲れ過ぎなんだろう。
 本人はスッキリして寝ている。我々はホテルのスタッフさんに謝りながら、後処理。
 かーくんも、早く寝な、というのだが
「くちゃくて寝れない」
 みんなくせーんだ。かーくん。
 かーくんは、買ってもらった赤い帽子を被りながら寝ている。
 明日はどうなるか。赤い帽子のおっさんに会えるのだろうか。

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