おいらさんの

かわいいもうふ。

うまれたときから、

ずっといっしょにそだってきた。

いつでもやさしく

つつみこんでいてくれた。

おいらさんの

かわいいもうふ。

かなしいとき、ふあんになったとき、

そっと

においをかいでみる。

いつもの

におい。

だいじょうぶだよって、

いってるきがして

あんしんするの。

おいらさんだけの、

トクベツなにおいなんだ。

おいらさんの

かわいいもうふ。

いつのまにか、

おいらさんの

すべてをつつむことは

できなくなっていた。

おいらさんの

かわいいもうふ。

つかいふるして

やぶけてしまった。

それでも、ずっと、いっしょだった。

あるとき、

おうちにかえると

かわいいもうふのすがたが

なかった。

もう、

ボロボロだからって、

ぞうきんにされていた。

その、かたはしを

だいじに、だいじに、

ぎゅってした。

かなしいきもち。

なみだがたくさんあふれでた。

おいらさんのかわいいもうふは、

なみだをそっとうけとめた。

においをかいでみると、

いつもとかわらない、

おいらさんだけのトクベツなにおいだった。

おいらさんの、

かわいいもうふ。

ボロボロになった、かたはしを

だいじに だいじに

そっと しまった。

おしまい。

〜あとがき〜

土屋鞄の絵本コンテストの応募作品です。

“長く大事にしたいもの”がテーマだったので、私がこどものころにとても大切にしていた、“もうふ”について絵本にしてみました。

絵本を作るにあたって、かわいいもうふのことを思い出し、おもわず涙してしまいました。

いままで忘れかけていましたが、ずっと、わたしの心の中にいてくれてたんだ、と気づくことができました。

“想い”を絵本という“かたち”に残すことができて、とてもうれしく思います。

ステキなお題をありがとうございました…！！！

＼よんでくれて、ありがとう！／

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