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#372 読書論14|レヴォリューション No.3(金城一紀)

前回の読書論で「GO」を紹介したタイミングで久々にGOを読みたくなっちゃって、そしてGOを読んだ後にはやっぱりこの「レヴォリューション No.3」を読みたくなっちゃって、読みました。

おそらくこの後で「フライ、ダディ、フライ」と「SPEED」も続くと思いますが・・・

GOを読んで金城一紀の魅力を知り、速攻買いに行った記憶がありますね。


レヴォリューション No.3 あらすじ

これは新宿にあるオチコボレ高校に通う高校3年生のお話です。

主人公(僕)は南方という少年で、基本的に南方の目線でストーリーは進行します。
いつもつるんでいる友人の一人は朴(パク)、GOの主人公の杉原と同じく在日朝鮮人で、とにかく喧嘩が鬼強くて作中最強の男です。
もう一人は萱野(かやの)、高校生ながら家計を養うために働く苦学生です。
そしてコメディリリーフの山下。作中で最も運が悪く、ヒキが強い男。追手内洋一くん張りに不運の星の下に生まれた存在です。
で、もう一人ヒロシという仲間がいるんですが、入院中なんです。

この5人と、他にも40人くらいいるんですけど、その連中がゾンビーズと呼ばれている連中で、この集団は徒党を組まず、カラオケが嫌いで、携帯電話が嫌いで、渋谷系が嫌いな、そんな連中なんです。

で、この連中はある日の科学教師の授業に感銘を受け、「エリート(男)とエリート(女)が結ばれるのを阻止して、風穴を開けてやろう!」みたいな感じで、我々こそがエリート(女)をGETしてやろうという意向で、そんなエリート女子校・聖和女学院の学祭で彼女を作ろうとするのが、このゾンビーズの最終ミッションだったりするんですね。

この聖和女学院はかなりイケてる女子高生だけに、学祭にはチケット制が導入されており、BØYでいうところの夢殿学園みたいなノリなんですけど、1年目・2年目とそこの侵入に失敗し、そして勝負の3年目を迎えるところから物語がスタートします。

とにかく頭悪い系の話ですが、青春が詰まっています。


レヴォリューション No.3 の魅力

1.独特の言い回し、ユーモアあふれる文章

とにかく文章が休みやすく、表現が豊かで面白いですね。
僕も小説を書くなら、こういう風に書きたいと思わせるような構成で書かれています。
1つ1つ説明すると長くなってしまうので、パッとだけ切り出して紹介しますが・・・

とりあえず山下に犯人連中の人相を訊くと、「長髪で色が黒い」とのことだった。僕たちは頭を抱えた。渋谷にはそんな連中しかいない。

「刑事訴訟法第二三一条の『現行犯逮捕』というやつです」
僕がそういうと、後ろの方から、二一三条だ、というアギーの訂正の声が聞こえた。
とにかく、と言って、僕は続けた。

多分ここだけ読んでもなんとも面白くないですよね!
ただ、こういう言い回しがすごい好きです。


2.分かりやすい内容

3話から構成されるオムニバスなんですが、本当にシンプル。

第1話:名門女子校の学園祭に進入する
第2話:みんなで金を貯めて沖縄に行く
第3話:ストーカーの犯人を探す

という目的が明確なので、わかりやすいし面白い。

そして金城一紀先生の特徴ですが、本当に物語が読みやすくてわかりやすいです。


3.青春

改めて、こんな青春を送りたかったなと思わせる内容ですね。

この小説の野中で一番好きな亡くなった友達に主人公が捧げるフレーズなんですけど、まさに青春を感じさせる。本当に大好きな一節です。

ーおまえには悪いけど、俺は女も金も名誉も欲しいものは全部手に入れると森だよ。なんなら世界だって変えちまうつもりさ。羨ましいだろ。俺は生きているうちに、めいっぱい楽しむんだ。でも、おまえのことは絶対に忘れないよ。お前が望んでいたことも俺のやり方でやってみるつもりだよ。だから、そんなに怖い顔して出てくんなよ。いつもションベンちびりそうになってんだぜ。


まとめ

音楽や小説、漫画とかは「いつ読むのか」が非常に重要だったりします。
前々回に紹介した69-sixty nine-も、このレヴォリューションNo.3も、高校時代に見ていなかったら、ここまで残ってないかも知れません。

なので、是非これを今の中学生とか高校生に読んで欲しいですね!
ケータイ小説(今もあるのかな?)も良いかもしれませんが、こういう古き良き青春小説も是非読んでみてください!

必要なのは「努力」です!

Google ブックスというところでも見れるみたいなので、ぜひチェックしてみてください!


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