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#622 読書論26|悪の教典(貴志祐介)

この小説が話題になったのは実写化の時だったと記憶しています。

大島優子が「私は、この作品が、嫌いです!」と泣きながらコメントしたのが、かなり完璧なマーケティングとなり、この作品の名前を広く知ら締めました。僕もこの騒動で知りましたね。

そこから数年後でしょうか?
たまたまBOOK OFFで文庫の上下巻が売っているのを見て、ちょっと読んでみるかと購入し、上巻を21時とかに読んで23時位に読み終えて、そこから下巻行きましたのでその日中に読み終えました記憶があります。
大分ハマりましたね。


悪の教典とは?

ミステリー小説の第一人者・貴志祐介先生が提供する、バッド・エンターテイメントです。
発売当初
から有名で、「このミステリーがすごい」の2012年大賞になり、その流れで実写映画化や漫画家とミディアミックスにも成功し、この作品から着想を得て作られたデスゲームとかの類は多いと思っています。

主人公の蓮実聖司は教師からも信用され、生徒から人気のあるイケてる英語教師なんですが、自分以外への他社への共感能力が一切なく、自分の利の為には平気で他者の人生を終わらせることができるサイコパスであり、サイコ・キラーなのです。
物心ついた時から殺しのハードルが低く、常人では持たない選択肢があるが故に、学生時代からちょっと目立ったクラスメイトや、自分を注視する先生、自分のヤバさをお気付いた両親、社会人になっても自分の狂気に気づいた生徒や同僚の先生、面倒なモンスターペアレントなどを、殺す、殺す、殺す!
とにかく殺しまくるんです!


悪の教典 魅力

1. 人を殺しまくる主人公・蓮実

そんなサイコ・キラーの主人公の蓮実について、共感できないし、応援したいとも思わないんですけど、ただ目は離せないという感じで、正直ちょっと次の一挙手一投足が気になってしまう、そんな魅力がありますね。
そしてサイコパスだからなのか分かりませんが、メチャクチャ頭がいいので、考えとか発想とかが凄く、惹かれる所があります。
とにもかくにも魅力的な主人公であることは間違いなかったですね。
DEATH NOTEの夜神月に近いかも知れませんね。


2. 「そんな理由で?」という虐殺スタイル

ネタバレするのは避けたいのですが、まぁ「蓮実が生徒を虐殺するんだな」というのはなんとなく皆さん分かると思うので書いてしまいますが、とにかく思考のふり幅がやはりハンパないんです。

言ってしまうと、とある女生徒に秘密を聞かれたので、口封じしようと思って勢いあまって殺しちゃうんですが・・・この殺しをしてしまった事から「木を隠すなら森に隠せ」理論で、「死体を隠すなら死体の山を作れ」というスーパー・サイコパス発想で、生徒を殺しまくるという恐ろしい展開になるんですねえ。


3.エンディング

そしてエンディングが素晴らしい。
流石にこれはネタバレになるので言わないですし、是非原作を見て欲しいんですが、伏線というかが効いており、非常に良いエンディングでした。



悪の教典 印象に残るキャラクター


10位 永井 あゆみ

惨劇が起きてしまったのはこのアホが原因です。
文化祭準備の日に乗じて、安原美彌(後述)を殺そうとしていた蓮実の一挙手一投足をチェックしており、それを速攻友達に広めて、上記のように「ゴキッ」とやられて死にます。
安原美彌は用意周到に殺そうとしたんですが、このあゆみをイレギュラーに殺してしまったが故に、前述の「死体を隠すなら~」理論が生まれたという罪深き登場人物ですね。


9位 早見 圭介

この早見くんは蓮実先生の受け持ちクラスの生徒では無いのですが、とにかく怪しいと蓮実先生を調べて、捕まり、殺されてしまいます。
とにかくサイコパスに戦うのは危険と言うのが分かる、そんなエピソードですね。


8位 安原 美彌

この子は元々万引きをしてしまったのを、柴原という教師に目撃されており脅されていたんですが、それを蓮実先生に助けられてから、蓮実先生にZokkon命となってしまい、そこからは普通に手出されるという関係になります。
まぁ、平気で生徒を殺す先生が、手を出すなんて訳ないですがね…
しかし、蓮実先生が早見を殺していたのではないか?と怪しんだが故に、蓮実先生の殺しのリストに加わってしまう可哀そうな役どころでした。


7位 渡会 健吾

この太っちょは頭が良いが故に、自分だけは生き残ろうと色々と画策するのですが結局は無駄に終わり、最後蓮実先生に命乞いをするんですが、上記のセリフの通り、「Oh!You were to enter Todai(トーダイ)?But, you are going…To Die(トゥーダイ)!」と言われて惨殺されてしまいます。


6位 田浦先生

田浦先生は保険教諭でありながら、蓮実と性的関係を持ち、あまつさえ早見とも性的関係を持つというスーパー・ビッチ・ティーチャーです。
ある種こいつもサイコパスですね笑


5位 釣井先生

この釣井先生もなかなか狂ってます。
いち早く蓮実の異常性に気づいたんですが、気づいた故に粛清されてしまいます。


4位 柴原先生

柴原先生も前述の通り、万引き現場を目撃した安原に性的な要求をするというなかなかのクズ教師ですね。
蓮実がぶっちぎっているので目立たないですが、なかなかダメ教師が多い学校です。


3位 片桐 怜花

この漫画の生徒サイドの主人公です。
蓮実の異常性にいち早く気付いて、それを相談していた早見を失ってしまうのですが・・・という感じです。
映画では二階堂ふみが好演しておりました。


2位 夏越 雄一郎

男の主人公はこの子ですね。
あまり主人公っぽいフォルムでは無いのですが・・・笑


1位 蓮見先生

もうほとんど紹介しつくしましたが、マジでサイコキラーです。
表面上はものすごくよい先生だけに、その裏が本当に怖いですよね。

実写版は伊藤英明でしたが、僕の中でイメージは堺雅人でした。


おまけ

この小説で貴志祐介にハマって、他にも「黒い家」「青い炎」とかはすげー面白かったので、また改めて紹介したいです。

一方「ダークゾーン」とか「新世界より」はダメでした。
僕はファンタジー物は苦手なので、開始数ページでそっと閉じてしまいまいたね笑

久しぶりに小説読み返したいですね。
是非読んでみて欲しい作品です。

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