見出し画像

#494 アルバム論20|DRUG TREATMENT / 黒夢(1997)

アルバムについて熱く語るアルバム論、気づけば20回目です。
このシリーズが一番執筆の労力を使うのですが、これもまた一興!

LUNA SEAXを経て、しばらくは黒夢について語りますが、本日紹介するのは1997年にリリースされた名作「DRUG TREATMENT」ですね。
前年にリリースされたFAKE STARから、よりロックさ、パンクさに磨きがかかった、この1997年を代表する名作です。

僕がこの年に1番愛したアルバムはANGRY FISTだと思われますが、その次はこのアルバムかもですね。すげー聞いてました。


DRUG TREATMENTをリリースした時の黒夢

FAKE STARをリリースした後、黒夢のメディア露出がガっと増えた気がします。
96年11月にLike A Angel、97年4月にNITE&DAY、6月にSprayと良質なシングルをガンガンリリースしていたのもありますが、清さんが「BOON」「COOL」「GET ON」「SMART」などと言った、当時鬼流行っていたファッション雑誌で鬼のようにブイブイ言わせていました。
あとは「BIDAN」とかもありました。懐かしいですね。

とにかく90年代後半は、マジで清さんはファッションリーダーでした。HEY!HEY!HEY!でもカッコいいです。PUFFYも若いですね…


そんな最中の97年6月27日にリリースされたDRUG TREATMENTはなかなか衝撃でした。

まず、ジャケットがカッコいいんです。このこめかみに拳銃を当てるドクロ2体、スプラッターっぽいフォント、そしてタイトルがカッコいい。
更に収録曲も、シングル以外は全て「D」が入る拘りっぷり。

今聞いても色褪せない…
そんな名盤ですね。


DRUG TREATMENT全曲紹介

1. MIND BREAKER

PVは初めて見ました。
全体的にパンキッシュなアルバムなんですが、1曲目は割とダウナーでヘヴィーな曲から始まります。タイトルが「精神破壊者」の時点で重いですよね笑
プロローグ的な、序章的な感じで、この位置が最適ですね。
そんな感じで不思議な余韻を残し、このアルバムはスタートします。


2. DRUG PEOPLE

2曲目はかなりゴキゲンなラップです。
リズミカルで可愛い曲なんですが、歌詞の中ではしっかりレコード会社などを批判している感じで、そんなに可愛くないです笑
前作でいうBARTERに通じる曲ですね。

去勢された彼の歌に 人は有りもしない意味を探し出すのに
とがり過ぎた僕達は 悪い薬の様な拒絶感をいだいている

この「彼」は…この人が濃厚ですね笑


3. DRIVE

そしてこの3曲目辺りからパンクが加速します。まさにDRIVE。
この曲の何がマズいかと言うと、歌詞がヤバすぎて全部カットされているという笑

「君を犯したい 僕が犯したい 要求不満を教えて」
「また幻覚が見えたよ 詳しく話せないけど」
「明かりをつけたままで 入れたり出したりしたい」

完全にアウトです笑
ですが、この曲は良い感じのグルーヴでカッコいい曲ですね。


4. C.Y.HEAD

これはライブでの定番曲で、ライブの第1部のトリ前(SICKの前)で重宝されたハードコア・パンク・ナンバーです。
とにかくこの曲もガッツリ頭がプラスティックな人間を批判しているんですが、一説にはチバ(Chiba Yusuke)を批判している説もありますが、それは絶対ないはずなのでガセと思っています。


5. CAN`T SEE YARD

この曲は重厚なロックンロールですね。僕の地元のHくんはこの曲をフェイバリットに挙げていました。
とにかく最初から最後までいい感じで、ギミックと言うかオカズと言うか、とにかくライブで演奏したら楽しいだろうなと思わせる仕掛けがいっぱいあるんですね。


6. DISTRACTION

DISTRACTIONは「気晴らし」の意味ですね。
シンプルな曲で、ロックンロールとパンクの中間くらいの位置づけの曲ですね。
そしてこの曲も「誰か」を批判してますが、誰を批判しているのかは清さんにのみぞ知る・・・と言う感じですね。


7. Spray(NEW TAKE)

前半のパンクタイムを締めくくるのは、アルバムと同月にリリースされた先行シングルの「Spray」ですね。
黒夢はシングルをぞんざいに扱い、アルバムが売れる為のツールとしか思っていないフシがありますが、この曲はポップでシングル向けでありつつ、ライブでもちょくちょく演奏された愛された曲だった気がしてますし、何よりも結構みんな大好きでしたね。


8. LET’S DANCE

そしてこの曲もDRIVE程では無いですが、歌詞が大分レコ倫に触れる内容が多く、一部の歌詞がマスクされています(クスリという表記など)
この翌年のライブで、この曲をシンプルにそぎ落として再構築したバージョンをちょくちょく演奏してましたが、原曲の方がいいです笑


9. BLOODY VALENTINE

「血まみれのバレンタイン」という曲でしょうか?
全曲LET'S DANCEから、この曲と、次の曲まではロックバラードと言うか、ちょっと人時の作ったメロディアスな曲が並びます。


10. DEAR BLUE

これは後にリリースされるベストアルバムEMIにも収録されていた曲で、普通に良い曲です。
BEAMSとかの時代(と言っても1年前)だったら、シングルで切られていてもおかしくないようなメロディアスな曲ですね。この曲を推す人達は一定数いました。


11. NITE & DAY(NEW TAKE)

そしてこの曲は普通に良いですね。攻めるバラードと言うか何というか。
元々この曲のコンセプトとして、「パンクしか知らない少年が、アコースティックギターでラブソングを作ったイメージ」みたいな感じらしいですが、それも頷ける。ナイスな曲です。
当たり前のようにPVでもTVでも人時がギター弾いてるのが自由でいいですよね笑
そして、やはりNIGHTではなくてNITEとしたのが良いですね。この辺のこだわりは大事です。


12. NEEDLESS

この曲も人気があった曲ですね。
印象的なギターリフと、少年の心情を描いた歌詞、そしてメロディアスなAメロ→Bメロ→サビ。曲中のベースソロやギターソロなど見せ場も多く、バンドで演奏しても楽しいかもですね。
エンディングで次曲に繋がるような演出も◎。


13. Like A Angel(NEW TAKE)

そして黒夢を代表するシングルで、最後まで愛された曲でした。
リリースされた96年のタイミングからいい曲だなと思って聞いてましたが、本格的にハマり出した97年以降でより好きになった曲ですね。
この曲はベースの弾きごたえのある曲で、結構動いて難しいんですけど、これが引けたら一人前みたいな感じで練習した曲です。未だに間奏のベースソロは弾ける自信ありますね。

ライブバージョンがやはり大好きなんですが、このアルバムに収録されているバージョンも悪くない。
やはり黒夢にとってメチャクチャ大事な曲ですね。


14. BAD SPEED PLAY

そしてこのモンスターアルバムは、最後変態的な曲で終わります笑
この曲はマジで大好きで、以前に紹介した黒夢について語るバンド論では2位に選出させていただいたくらい、大好きな曲ですね。

ライブバージョンを聞いて欲しいですが、オリジナルの時点で十分早く、十分イカレているので、かなり聞きごたえはあります。

アルバム全体を通した時に、Like A Angelでライブが終わって、アンコールがこの曲とかそんなイメージかもですね。


まとめ

とにかくエグいアルバムでした。
これ持ってたんですけど、どこに行っちゃったんでしょうね?
黒夢のCDはこれ以外にも「新宿ロフト」「CORKSCREW」「EMI」と持ってたんですが、全部家にないという笑

ただ、このジャケットを見たり、収録曲を聞いたら鮮明に当時を思い出す、そんな思い出と共に残っているアルバムですね。

次回は「新宿ロフト」を紹介します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?