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#546 アルバム論25|GUITARHYTHM FOREVER Vol.1 / 布袋 寅泰(1995)

書いていて何気に楽しいアルバム論、前回のTHIS BOØWYに続き、BOØWYのギタリストであり、現在は日本を代表するロックンローラー・布袋寅泰の作品の中で、僕が最も愛したアルバム「GUITARHYTHM FOREVER Vol.1」、そして次回「GUITARHYTHM FOREVER Vol.2」を紹介します。


GUITARHYTHM FOREVER Vol.1とは?

BOØWY解散後、ソロになった布袋は自身のソロ活動のテーマを「GUITAR」と「RHYTHM」の融合である造語「GUITARHYTHM」を掲げて、ソロアルバム4枚をリリースし、ロックンロールを基調としながらもポップであったり、メロウである独特の布袋サウンドは効きごたえがあり、主に男性から熱い支持を集めておりました。

そして1995年1月、このGUITARHYTHMプロジェクトに終止符を打つべく最強のシングルPOISONがドロップされ、その活動の区切りとして2枚のベストアルバムがリリース。
このVol.1はエッジの利いたロック調の曲が多く、Voi.2はメロウな感じが響くバラード調の曲が多いのが特徴です。

僕は俄然、青版(Vol.1)派でしたが、赤版も悪くないんです。
とにかくこの時期の布袋が一番聞いていたので、一番カッコいいと思っていますね。
ちなみにこのスタンドみたいな像は、サルバドール・ダリが造形した悪魔像で、布袋が所有していた私物ですね。

従兄弟がこのアルバムを車の中で聞いていて、何というか「大人の魅力」を感じたんです。
それまで僕はミスチルとか流行っていたJ-POPを聞いていたんですが、布袋はちょっと大人でカッコよくて。当時僕が所有していたアルバムは、既にリリースされていたミスチルの「everything」「Kind Of Love」「Versus」「Atomic Heart」だったんですが、それに続いて購入したアルバムがこれだった記憶がありますね。
そしてここから、日本の古いロック~ヴィジュアル系に魅了されていき、僕の音楽感は養われたので、まさにロックの入り口が本作でしたね。


GUITARHYTHM FOREVER Vol.1 全曲解説

1. C'MON EVERYBODY

「Summertime Blues」などでも知られたエディ・コクランの世界的に有名なカヴァーでこのアルバムは始まります。
とにかくいきなり始まるギターのリフ。これで心を掴まれた人は多いでしょう。
そしてイントロもキーボードとかがいい感じに入って、いい感じでデジタルで、いい感じで近未来でカッコいいんです。
この曲は布袋のソロアルバムの実質1曲目でもあるので、あえてGUITARHYTHM物語の始まりであったこの曲を1曲目に持ってきたのでしょう。
全編英語で、ギター、ベース、ドラム、キーボードの楽器隊と布袋のヴォーカルが融合するかなりデジタルでロックでアグレッシブなサウンド。
100点ですね。


2. BEAT EMOTION

この曲のイントロは誰もが一度は聞いたことがあると思います。
そう、めちゃイケのオープニング映像で使われていたんですね。まさにオープニングに相応しい、臨場感を感じさせるゴキゲンなイントロで、ベースラインがカッコいいです。
布袋のイントロはやっぱりカッコよくて、数年後にタランティーノに認められ、キル・ビルのテーマソングで全世界を震撼させただけありますね。

で、そんな本曲はBOØWY時代にリリースした渾身のアルバムに冠した思い入れのあるタイトルを名した本曲は布袋自身初のオリコン1位を記録しました。


3. MERRY-GO-ROUND

そしてこれですね。
これだけ簡単で、これだけカッコいいリフがこの曲以外に存在するでしょうか?
とにかくこのアルバムでも、布袋の中でもかなり好きな曲ですね。
ギターもさることながら、ピアノも相当カッコいいですね。

とにかくこの曲は森雪之丞の歌詞が炸裂しています。
「石の背広を着こんだ紳士」「町の媚薬にやられた天使」「頭にナイフ刺さったピエロ」「象牙の椅子に座ったキング」とか、最高に意味わからないじゃないですか?笑
そしての「My Life Goes Around Never Stops Like A Merry-Go-Round」の歌詞も最高に曲にしっくり来ますよね。素晴らしい歌詞です。

そしてこのアルバムはライブバージョンはちょっとボサノヴァっぽくなったり、「現れて」の部分のタメがあったりなので、普通のCDバージョンの方がいいです笑


4. UPSIDE-DOWN

この曲の勢いも素晴らしい。
流石ロック系が集まる本アルバムだけあって、攻撃的な曲が並びます。
チュッチュ、チュッチュラーラーラから、最後まで駆け抜ける曲ですね。

この曲も雪之丞の歌詞が爆発していますね。
「愛した奴はみんな消えてく だからクールでいたいのさ Oh,Yeah!Everything Is Upside-Down」という分かるような分からない歌詞ですが笑

この曲も構成は極めてシンプルなんですけど、この曲はドラムがカッコいいですね。
入りのドラムと全体のリズムキープが非常に◎。ライブで盛り上がります。
そして最後にドラムが盛り上がってアウトロが終わり、間髪入れずに次のPOISONのベースが始まる繋がりの部分は最高にカッコいいです。


5. POISON

そしてやっぱ何といってもこの曲ですね。
前述の通り、GUITARHYTHMシリーズ最高で最後の曲と言われている位、かなり布袋自身も思い入れがある(と思われる)代表曲ですし、僕等の世代は「布袋の代表曲は?」と聞かれたら、みんなせーのでこの曲を答えるでしょう。それだけのパワーがこの曲にはありました。

冒頭のベースはもちろんのこと、「Love,Love,Love, Love Is A Poison」の疾走感のまま曲が始まり、クールで雰囲気がありながらもメロディアス。そしてPVもなんか危険なエロスな感じがしたりと、この曲に死角は無いですね。

僕もこの曲を何度カラオケで歌ったか…数えきれない位歌った名曲です。


6. SURRENDER

そしてPOISONに続いて、メジャーでインパクトのある曲のSURRENDERが続きます。
この曲は美しく、泣けるメロウな曲で、次に紹介する「Vol.2」にあってもおかしくない曲ですね。

以前にも紹介しましたが、この曲は本当にどこを切り取っても泣けるんです。敢えてリストにすると…

1. ランランランのイントロ
2. 美しすぎる「悲しくて悲しくて…」のAメロ
3. サビの「繰り返してばかりの夜に」
4. 単音で聞かせるギターソロ
5. ラストの優しい「春に目覚めた花も」
6. ピアノが美しいアウトロ

本当に美しい曲です。


7.さよならアンディ・ウォーホル

バナナやマリリンモンローのポスターでお馴染み、ポップアートの開祖とも呼ばれたアンディ・ウォーホルの追悼で送った曲ですね。
MERRY-GO-ROUNDあたりから「濃い」曲が続くので、ちょっと箸休め的な感じのインダストリアル的な感じの曲で、割とS.S(※)な感じの曲でしたね。

※ S.S:Skip Songの略。スキップしがちな曲の意。


8.SERIOUS?

PVがあるのは今回初めて知りましたが、PV作る位なんで、それなりに思い入れの強い曲なんでしょう。
どちらかというと歌詞がハードで、日本を憂いで、若者を憂うようなそんな曲です。「お前ら正気か?」みたいなニュアンスなのでしょう。
まぁ基本的にこの曲もS.Sなのですが、この曲が終わったと同時に次の曲が始まるのが◎。
このアルバムは曲と曲の間のインターバルが短くて良いですね。


9. RADIO! RADIO! RADIO

この曲は良いですね。
とにかくゴキゲンで踊りまくれるナンバーで、メロディアスでピアノも美しく、とにかく楽しい曲ですね。ライブでもさぞ盛り上がるでしょう。
もう「それだけでOK」って感じですね。


10. SIREN

シレン(試練)ではなくサイレン(警報)ですね。
全ての心にサイレンを鳴らす的な感じで、あくまで内向きな感じで「しっかりしろよお前!」と警報を、警鐘を鳴らしてくれる内側の自分の曲ですが、まぁこの曲はS.Sですね笑


11. GLORIOUS DAYS

大好きな曲ですね。
1曲目のC'MON EVERYBODY同じく1stに収録されている曲で、GUITARHYTHM初期のロックmeetsデジタルみたいなコンセプトの曲で、歌詞は全部英語で、非常に爽やかというか、ポップな曲ですね。
歌詞の訳詞は見たことなんですが、タイトル「栄光の日々」が示すよう、俺たちの人生は素晴らしいと言ってると思います笑

ライブで聞けたらテンション上がるでしょう。


12. DIVING WITH MY CAR

これもメチャクチャ好きですね。
この曲もSURRENDERよろしく「Vol.2」に入ってもおかしくない、メロウな曲なんですが、とにかく布袋ワールド全開で、最高に上がる曲です。
まずイントロがいいんですけど、Aメロもゴキゲンでいいですし、Bメロのメロディが個人的には一番好きだったりですし、そしてサビもかなりいい。
ハンドクラップもできるし、ライブで聞いても楽しいでしょう。

そして、ライブバージョンですが、2番のAメロの「愛してるから俺は狂った 邪魔が入れば行かせてもらう」部分をみんなでシンガロングするのも凄くいいですね。
ドライブ中に聞きたい名曲です。


13. I'M FREE

正直、このアルバムは前曲でほぼ終了の印象が強く…この曲はボーナス・トラック感が個人的には有ったりしています笑
まぁ、「布袋はこういうのが好きなんだろうな…」というのが分かる変態曲で、終了間際のギターバトルというか何というか、そのカオスな部分でいい感じにグチャグチャになって終了する、そんなアルバムです。


まとめ

そんな感じで結構な熱量で書いてしましました。
個人的には「DIRTY STAR」とか入れて欲しかったですめ¥ね。

そして今の状態でこの「GUITARHYTHM FOREVER  2024(ビート版)」の収録曲を決めるのであれば…
間違いなく「スリル」「バンビーナ」は固いとして、「BATTLE WITHOUT~」も入るだろうし、個人的には「SUPERSONIC GENERATION」も入れたいですね。
よって、アンディとかSERIOUSとかSIRENはリストラしなければ…とか、そういうの考えるのすげー好きだったりするので、また別の機会に笑

後編(Vol.2)に続きます!


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