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#599 読書論25|グミ・チョコレート・パイン(大槻ケンヂ)

この小説「グミ・チョコレート・パイン」を初めて読んだのは高校時代だったと記憶していますが、とにかくなかなかエグイ小説でした。

全3部作となり「グミ編」「チョコ編」「パイン編」となっているんですが、初めて僕が読んだ高2くらいの頃は「グミ編」「チョコ編」までしかリリースされておりませんでしたが、正に青春小説
なかなか感銘を受けた記憶があります。

「パイン編」が出たのは大学に入ってからで、あまりその時期を覚えてないですが奥付を見ると2003年11月と書いてましたので、20歳の頃に読んだんですね。

とにかく青春時代に読んだ、そんな思い出の作品です。
以前に紹介した69-Sixty Nine-も青春小説ですが、こっちが陽キャの小説だとしたら、グミ・チョコレート・パインはマジで陰キャの青春小説で、180度違う感じなのですが・・・笑


グミ・チョコレート・パインとは?

未だに我が家に全部あります

そんなグミ・チョコレート・パインですが、かの大槻ケンヂの自伝的?小説であり、とにかく少年の葛藤を描いた小説です。

主人公の大槻ケンヂに名前が近い大橋賢三は都内の高校に通う高校生なんですが、マニアックな映画や音楽が好きで、クラスメイトの浅いノリの会話や趣味に馴染めず孤立しています。

そんな賢三ですが、他のクラスに友達はおり、その友達もマニアックな趣味を持って周りを見下すカワポンタクオという友人であり、いつもこの3人でつるんで、酒を飲んだり、音楽を聴いたり、映画を見たりと良い感じの青春を過ごしています。

そんな中で賢三はクラスメイトの美甘子に恋をするんです。
美甘子はクラスのスクールカースト最上位で、クラスメイトの浅いノリの会話で爆笑するようなリア充ねーちゃんなんですが、実際のところは賢三も唸らせる位のマニアックな映画や音楽の趣味を持っており、偶然それを知った賢三はさらに美甘子に惹かれていき・・・という小説ですが、ここからのどんでん返しが凄いんです笑

ちなみにタイトルのグミ・チョコレート・パインとは、階段の一番下でジャンケンをしてグーで買ったら「グ」「ミ」と2段あがり、チョキで買ったら「チ」「ョ」「コ」「レ」「ー」「ト」と6段あがり、パインは「パ」「イ」「ン」で3段あがるという遊びですね。
僕の地元は「グリコ・チョコレート・パイナップル」でした。


グミ・チョコレート・パインの魅力

1. 強烈過ぎる冒頭

この「五千四百七十八回」というパワーワードの始まりはなかなかセンセーショナルであり、惹きつける魅力がありました。
とにかくこの小説は90%くらいが低俗な下ネタなんですけど、最初から最後まで狂っています笑

チョコ編のラストもなかなか酷いですね笑

「握りしめた・・・」じゃないんですよね笑


2.どんでん返しの展開

ヒロインの美甘子がなかなか狂ってるんです。
序盤はサブカル女子なんですけど、グミ編のラストでとんでもない事態になり、そしてチョコ編も変わらず、パイン編でもとんでもないビッチという感じで、ヒロインが聖なるものではなく、どす黒い存在であることが非常に良いですね。

リア充に対するオーケンの怨念がにじみ出ていますね笑


3. 時代を超えて愛される作品に

小説としてのリリース以外のメディアミクスも成功しており、漫画も結構流行っていましたね。
僕は1~2巻くらいまで持ってましたが、コアな部分以外は小説の内容を全然踏襲していないという笑


そして映画化もされております。
見たこと無いんですけど、青春が凝縮されていることでしょう。


まとめ

やはりこの手の小説は「いつ読むか」が非常に大事と思います。

僕は高校時代に読んで、僕もこの賢三ほどではないですけど、ハイスタとかその辺を聞いている存在は周りにそう少なく、割とクラスでは音楽の話とか漫画の話とか、その辺はそんなにできなかったんですけど、それでも今振り返ると楽しかったような気もします。

あの頃に戻りたいとは思いませんが、もう一度あの時期を過ごしたい思いはありますので、是非この小説を読んで10代後半にタイムスリップすることをお勧めです。

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