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#501 アルバム論21|1997 10.31 LIVE AT 新宿LOFT / 黒夢(1998)

初めてこのアルバムを聞いた時はマジで衝撃を受けました。

これまで、なんとなく最近カッコいいなと思って聞いていた黒夢が、「うわ、これは熱い!ヤバい!」と、かなりの衝撃を与えてくれました。

このアルバムを初めて聞いたのは中2の冬、サッカーの室内の大会の帰りだった記憶がうっすらとあります。
クラスメイトのキョーちゃんになんとなく借りて、なんとなく聞いてみて、速攻虜になり、その後速攻同アルバムを入手し、
飽き足りずに既発のDRUG TREATMENTまで遡って入手してしまう位、黒夢にハマりまくりマクリスティーでした。

そしてこの後のCORKSCREWはリアルタイムで聞きましたが、この辺はマジでクソ熱かったですね。
1998年は前年に引き続きハイスタを聞きながら、再始動したLUNA SEAを聞きながら、急逝したhideを偲び、この年に存在を知ったハスキンを聞き、そして黒夢を聞いてました。多分ハイスタの次は黒夢だった気もしますね。それくらい大好きでした。


1997 10.31 LIVE AT 新宿LOFTとは??

DRUG TREATMENTがリリースされて以降、黒夢は鬼のようにライブをやってたんです(これが活動休止の引き金になったんですが…)
そのツアーを新宿ロフトで行ったんですが、そのライブを何曲かPICK UPしてアルバムになったり、VHSになったりで、とにかく当時の勢いと言うか、グルーヴと言うか、その辺が詰まりまくっている、マジで最初から最後まで鬼カッコいいライブ・アルバムです。

僕はこのアルバムを知るまで、ライブアルバムとかがそんな好きじゃなかったんです。
ライブアルバムって原曲にないアレンジが入ったり、原曲を再現できていなかったり「劣化」の印象があったんですけど、
この新宿ロフトを聞いて、完全に嗜好が変わりました。ライブ盤の方が俄然カッコいいじゃんって感情ですね。
それ位、このアルバムにはパワーがありました。


1997 10.31 LIVE AT 新宿LOFTの魅力


1.清さん手書きの歌詞カード

あと、歌詞カードが良かったですね。
歌詞は全部清さんの全部手書きなんですけど、清さんの「挿絵」がすごく中2の僕には刺さったんです。
「YA!」と言ってナイフを振りかざす犬とか、NICE DRUGとかいたピースサインとか、あとDRUG HOUSEとかもありました(下図参照)
中3の頃、僕ら上級者はこの辺のイラストを机に書いたりしていましたね笑


2.「ライブ」ならではのグルーヴ間

とにかく、ライブならではのグルーヴがメチャクチャ熱いです。
清さんは歌詞間違いまくってますが、そんなのどうでもいいようなカッコよさ。
そして、このアルバムが一番熱いのが、口述しますが演奏中にブレーカー落ちて演奏止まるのが、そのまま収録されていることです笑
それがそのまま、"SICK" THE BROKEN DOWNとして収録されているんです笑
あと、清さんと人時は言わずもがなですが、ギターの長谷川さんとドラムのそうる透さんの2名が演奏鬼上手いです。

3.オーディエンスの声

これがいい。これが一番好きかも知れません。
とにかくオーディエンスがクソ優秀で、「フェイクスター!!」とか「Oi!」とか「常用!常用!」とか叫びまくるのがそのまま収録されています。
とにかく如何に、黒夢が愛されていたのかが分かる、そんな熱が溢れまくっているアルバムで、最後のLike A Angelの「初期衝動~」のところだけでもこのアルバムの価値がありますね。


1997 10.31 LIVE AT 新宿LOFT 全曲紹介

1. FAKE STAR

以前に紹介した「FAKE STAR」に収録されている同曲より3倍くらい早く、とにかく鬼カッコいいです。
ライブアルバムって大抵、序盤の群衆の声から入ったりしがちだと思うんですけど、その辺の無駄を一切省いて、再生ボタンを押すと同時にそうる透のカウントの「チチチチ」から始まる辺りが、鬼カッコいいです。
全体的にとにかく早く、エッジが利いていて、清さんも歌詞通り歌わないし、歌うパートもオーディエンスに歌わせるしなんですが、とにかく相当カッコいいです。
終盤の黒夢は毎回、この曲をライブの1曲目に演奏するという様式美がありましたが、それが凄くカッコよかったですね。


2. DRIVE

そしてFAKE STARが終わって、畳み込むように2曲目のDRIVEに繋がります。
ライブアルバムの醍醐味はこの曲と曲の繋がりがスムーズなところなんですけど、ご多分に漏れずこの繋がりも相当カッコいいです。
この曲はライブの方が映えます。と言うか、先にライブバージョンを聞いていたので、カッコよさを最初に認識した記憶があるかもですね。
原曲同様、ほぼ言えない歌詞ばっかりですね笑


3. NEEDLESS

この曲はライブバージョンよろしく「オイ、NEEDLESS」と言って歌い始めないとダメです。
この曲は普通にメロディアスで、人気のある曲だったりするんですけど、ライブバージョンなので少し構成がシンプルになってますね。
アウトロがオリジナルで、この曲も次の曲に繋がる感じで繋がってます。
そして、CORKSCREWのツアーでは更にリアレンジされた形式で演奏されていて、それもカッコよかったですね。


4. S.A.D.

そしてこの曲、大好きです!ライブで聞いて本当に惚れましたね。
多分このアルバムでは一番古い曲なんですけど、とにかく歌詞が最高に熱いんです。
「欲しがる目に代わる "虐待して"と 快楽はその痛み 淫乱のイヌ」という、このフレーズが大好きですね笑
この曲は原曲も後にEMI(ベスト)で聞きましたが、俄然ライブの方がいいですね。
「Just A Blue!Just A Blue!」って言ってるのが、何故かライブでは「Oi!Oi!」なんですけど笑


5. CAN'T SEE YARD

この曲もライブ盤がいいですね。
サビの最後の部分、アルバムでは「忘れて欲しい希望なんて↗」なんですが、ライブでは「忘れて欲しい希望なんて↘」と下がる感じがいいですね。


6. DISTLACTION

この5曲目~6曲目の流れは、アルバムDRUG TREATMENTと流れも収録順も全く一緒なんですが、この曲も前曲が終わったと同時に間髪入れず入るのがいいですね。
ライブで絶対盛り上がる曲ですね。


7. BARTER

そしてバーター、この曲はライブ(特に映像)が鬼カッコいいです。
前曲でライブでやったけど収録されていない「GOSSIP」が一瞬聞こえますが、このBARTERはFAKE STARの音源より数倍カッコいいです。
原曲はシンセっぽいのが入っているので音数は減っているんですが、それを感じさせないイケてる構成が熱い。
そして清さんの「1 BARTER」「2 BARTER」の指を立ててオーディエンスを煽るのが本当に(E)です。清△
そしてオーディエンスの「Have A Grace Vice!」のあとの、「Oi!」が最高です。


8. C.Y.HEAD

この曲はライブで愛されて、愛されて、愛された曲ですね。
この新宿ロフトではまだですが、この後のライブでは、清さんがイントロの途中でライブ会場の「大阪ぁ~」とか煽って、オーディエンスが「C.Y.HEAD!」とタイトルコールするのが非常にカッコいい。
他にも「Oi!」「PLASTIC!」とコール・アンド・レスポンスで盛り上がれる曲です。



9. BAD SPEED PLAY

今考えてもよくやってたなと思いましたが、この新宿ロフトのアルバムってCM流れてたんです笑
そのCMで使われていたのがこの曲だったので、特に印象残ってるんですが、この曲はアルバムで一番カッコいいです。

清さん「おぅ、お前ら、クスリは効いてるかぁ?」
観客    「ワー!」
清さん「クスリは効いてるかぁ?」
観客    「ワー!」
清さん「クスリは効いてるかぁー?」
観客    「ワー!」
清さん「BAD SPEED PLAY」

この流れを全てのヴォーカリストに勉強して欲しいところですね笑

そしてとにかくこの曲はライブで本当に盛り上がります。
オーディエンスの「常用!常用!」そして「商法!商法!」など、とにかく素晴らしい。
サビの追っかけのコーラスも言うまでもないでしょう。

そして特筆すべきは最後、アウトロでエキサイトした清さんが、
「クスリをくれぇ~」「クスリをくれぇ~」と叫び、最後の最後は「サイアイ(?)」と言って終わる。
上級者たちはこの辺はすべてカラオケで再現します笑


10. カマキリ 1997 BURST VERSION "SICK" THE BROKEN DOWN

そしてカマキリも俄然ライブのがカッコいいんですが、このバージョンは本当に鬼。
珍しくインタールードみたいなのがあり、「Easy...Money...Island...Message...」と清さんが煽り、
そして「カマキリだぁー!潰せぇー!」でオーディエンスが最もハイになった所で、人時の鬼ベースがイン。
曲は清さんが即効歌詞間違えたりするんですけど、全然それを感じ差ないグルーヴ。やっぱこの曲はいいっすね。
ライブで絶対盛り上がるでしょう。

そして、この曲が熱いのは、カマキリが終わって速攻次の曲、SICK 1997 BURST VERSIONが続くんですが、
サビのところでブレーカーが落ちて、ドラムと観客の「SICK!SICK!SICK!SICK!」の肉声しか聞こえなくなります。
この辺がリアルで非常にカッコいい。


11. SICK 1997 BURST VERSION

そして清さんが「今のはハプニング、もう一回行こう」と何事もなかったようにSICKが始まります。
SICKもライブバージョンも「見なくていい↗」のところが「見なくてもいい↘」だったり、メロディ落としたりするんですけど、それもそれでいいですね。
そしてカマキリ同様、この曲もライブで超絶盛り上がります。そりゃ1997 BURST VERSIONで再構築するわって話ですね。
この曲でたしかライブ本編は一旦終了だったようです。


12. SUCK ME !

そしてアルバム上は繋がってますが、実際はアンコール1曲目で歌われたのがこれですね。
この曲は所謂フェラティングの曲であり、黒夢で一番ワイヒー(卑猥)な曲ですね。
サビは「俺のをしゃぶれ!俺のをしゃぶれ!」「お前をしゃぶる!お前をしゃぶる!」と言うアホ曲で笑
ただ、メロディは爽やかで、ライブで盛り上がる感じの曲ですね。
「1.2・・・1.2.3 GO!」のとことか本当に盛り上がります。


13. 少年

そしてこの曲ですが、冒頭で「アンコール、アンコール」のオーディエンスの声をいれてから始まるのが渋いです。
まだシングル出してちょっとしたくらいの時期だったんですが、既にライブでは欠かせない曲になっていましたね。
この曲はコール・アンド・レスポンスはそんなくて、聞かせる系の曲ですが、ライブ特有の荒々しさがすげーカッコいい。
やっぱ人時のベースが本当に熱い。終始ブリブリで、このベースラインは普通に憧れました。
そして最後の、「BOY!」も最高ですし、歌詞カードのライダーズジャケットも良かったですね笑


14. LIKE A ANGEL

そしてラストは定番のこれです。
「今日は、新宿と、お別れです」のMCと共に、「デデデ、デデデ、デデデデ、デデ」が始まります。
そして上級者はカラオケでも一番最後にこの曲を入れて、「今日は池袋とお別れです」と現在の地名を言って、終わるという笑
ライブで聞くと、ドラム・ギター・ベースのみがそぎ落とされてカッコいいですが、この曲も然り。ギターがより響きます。
そして何といってもこの曲はオーディエンス全員で歌う、下記のフレーズが本当に素晴らしい。

「初期衝動に魅せられて走り出した 僕の感性いつまでも閉じたくない」

ライブで映える、最高の曲ですね。


まとめ

以上、ついエキサイトして熱く語ってしまいましたが、是非聞いて欲しいです。

ちなみにVHSバージョンは「S・A・D」と「少年」が収録されておらず、
代わりに「MIND BREAKER」「ROCK'N'ROLL」が収録されています。甲乙つけがたいですがアルバムの方がお得ですね。
とにかく、本当にこのアルバムは最高すぎるので、是非みんな聞いてみてください。

次回は黒夢史上最高傑作と言われたCORKSCREWを紹介します。

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