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コンセプトから考えるロスター構築

※ウォーハンマーAOSの話です

「どうやってロスター作るの?」

という声を聞く機会が増えてきました。

「好きなようにロスター組みなよ。」
が嘘偽りのない本音ですが役に立ちません。

戦術レベルのテクニカルな話はすぐに解決しますが、これで済むのは1000ptまでの話。
戦場が広くユニット数も増えた2000ptではやれることもたくさんあって、コンセプトがないとロスター構築時に迷子になりがち。

「どんな戦い方がしたいのか?」
が重要です。勝敗を意識するなら、
「どんな勝ち方をしたいのか?」
になります。

大雑把にロスターを分類すると7タイプほど。
(実際にはこれらをミックスすることになります)

「速攻型(アルファストライク)」
とにかく「戦だぁ~!」と先手必勝。

「妨害型(アルファブロック)」
前で邪魔して「好きにさせんよ!」と先手妨害。

「反撃型(カウンターストライク)」
引き付けて「返り討ちにしてくれる!」と後の先(ごのせん)。

「耐久型(ダメージチェック)」
前に出て「よろしくお願いしまぁ~す!」と耐えながら争い勝つ正攻法。

「防御型(キャッスル)」
受けて「やれるもんならやってみな!」と守りながら相手をすり減らして戦う遅攻。

「対抗型(カウンターブロック)」
受けて絡めて「まんまとやってきたな!」とハメて動きを封じる謀略。

「支配型(コントロール)」
戦場の空間を支配し、「戦いは数だよ!」と絶望させる数の暴力。

戦術嗜好か戦略嗜好かによって好みのコンセプトが分かれます。
自分の好みの戦い方をベースにして、色々とミックスしていくことになります。
もちろんそれぞれに向き・不向きのアーミーがあります。例えば見た目が好みでティーンチでAOSを始めたのに「速効型」をやりたいと言っても無理があります。
足りない部分を永久魔法や顕現で補ったりできますが無理なものは無理。

1つのアーミー内で複数タイプを兼ねられると"強い"という結果になりやすいです。
(特化すると簡単に対処されちゃいますから)

以下、個別にざっくり解説ですが公式見解ではないので、人によっては異なる考えや捉え方があります。
あくまでもご参考と言うことで。


速攻型(アルファストライク)

・特徴

先手必勝・突撃・ダメージ
高機動力(移動&突撃)・高火力ユニット、高機動力射撃ユニットを編成
(つまり有効射程距離が長いユニットを多く編成)

・目的

初期配置の位置からでも大ダメージを期待できる主力ユニットで序盤に相手戦力を大きく崩す。

・リスク

・突撃ロールの失敗
・攻撃のロール(火力)下振れ
・相手の高い防御力
・主力ユニットが相手のターンに格好の的になる

火力重視で攻めるので攻撃にバフを入れる場合が多く、初めの攻撃に失敗すると次のターンに返り討ちにあう。さらに第2ラウンドで相手に先攻を取られると(いわゆるダブルターン)、自軍が崩壊する可能性大。やることはシンプルで一見初心者向きだが、一か八かの大味なゲーム展開となり、失敗すると心が折れるきっかけにもなるので個人的にはおススメしない。

・リスク回避策

・突撃の確度を高める手段を導入
・防御バフを入れておく

3D6突撃がある環境ならいいが、相手にも"再配置"という手段で突撃確度を下げる手段があることを忘れてはいけない。防御力を上げて保険を掛けてもいいが、それなら速攻する必要もない。
どうしても速攻型をやりたい・でも負けたくない、という方は慣れるまで後攻でプレイしてみる手も。でもその場合、相手が「突撃型」「防御型」「支配型」の場合は詰むかも。どちらにしてもリスキーなスタイル。

筆者はこのスタイルに適したアーミーを持っていないのでやらないです。対戦経験は多数ありますが純粋な「速攻型」がハマって負けた記憶は皆無。第1ラウンドはおとなしくして、距離の詰まった第2ラウンドに「速攻型」でプレイングすればいいのでは。


妨害型(アルファブロック)

・特徴

先攻・ロック・デバフ
低ポイントの高機動力ユニットを複数または傷が多めの高軌道力ユニットを多めに編成。

・目的

初期配置の位置から第1ラウンド先攻で揺動ユニットを敵ユニットぶつけてロックする。相手に作戦目標を確保させず序盤からポイントリードを狙う。

・リスク

・相手が高火力で自軍ユニット崩壊
相手のロックに失敗すると次のターンに返り討ちにあう。また、誤って高火力ユニットに突撃すると接近戦の殴り返しで殲滅される。
速攻型と違い、敵ユニットの殲滅ではなく動きを封じることを目的としているので、位置取りさえ間違わなければ突撃ロールの失敗は許容範囲。だが殲滅されてしまうと意味がない。移動する場所のセンスが問われるがゲーム回数をこなすことでプレイングの上達を実感しやすい。

・リスク回避策

・突撃失敗を考慮して相手の目標確保を邪魔できる位置に移動しておく
・防御バフを入れて少しでも耐久を上げておく
・射撃ユニットを併用して突撃対象を少しでも弱体化する
・魔法やデバフアビリティを活用して突撃対象を少しでも弱体化しておく

相手が膠着状態から抜け出せないように複数の低コストユニットを運用し、退却と突撃を繰り返しつつ、相手の嫌がる位置にユニットを配置することで有利に進めることが重要。

スラーネッシュはこの手のスタイルに向いてると思う。


反撃型(カウンターストライク)

・特徴

後攻・スクリーン・ダメージ
低コストのスクリーンユニットと高火力ユニットを同程度の比率で編成。

・目的

スクリーンユニットを前列に配置し、高火力ユニットを後列に配置することで、「速攻型」の突撃を受けてから次のターンで殲滅を試みる。バトルに1回限りのアビリティなど瞬間火力を最大限に活かした反撃がハマる。初期配置では相手が突撃してくる対象を意識して誘導するような配置にするため何も考えずにアーミーを1列に並べてはいけない。

・リスク

・反撃時の攻撃ロール(火力)下振れ
・相手の高い防御力
・相手が突撃失敗または突撃して来ない
・先攻を強いられる

反撃に失敗しても大きく崩壊することはないが、作戦目標確保への動きが一歩遅れる。言い換えると、「速攻型」のアーミーに「妨害型」の動きをされることになるのでプレイングの上手い人と対戦すると辛い。相手の出方次第では自ら動く必要があるので、ロスター内で異なる役割を持つグループに分けた構成も重要となり、初心者には構築・初期配置・プレイング共に難しい。突撃されないとスクリーンユニットが自らの動きを制限しかねないので、初期配置にミスがあると展開が難しくなる。第1ラウンドに先攻を取らさせると困る。

・リスク回避策

・射撃ユニットを多めに編成する
・飛行ユニットを編成してスクリーンユニットを飛び越えられるようにする
完全に受け身にならないよう、先攻になってもやれることがあるように有効射程距離の長いユニットも編成しておくとよい。しかしカウンターで殲滅を狙うくらいなら、カウンターでロックする「対抗型」の方が安定する。

筆者はこのスタイルに適したアーミーを持っていないのでやらないです。対戦経験上は、射撃にコストを割きすぎてトータルの攻撃力や確保力が落ちている印象で、バトル中は負けているような気持にさせられるが最終的にはポイントリードで勝っている記憶。


耐久型(ダメージチェック)

・特徴

正攻法・エリート・モンスター
3~5体編成のエリートユニットまたは傷の多いユニットを編成

・目的

傷の多さと防御バフによる耐久力を活かして前線を押し上げながら、作戦目標を確保しつつ真っ向から戦う。

・リスク

・目標確保がロールオフの運に左右される
作戦目標が多い時には戦いやすく正統派で初心者向き。ただし「制限型」や「支配型」の相手との相性が悪く、デバフで防御を下げられると耐久できないことも。ラウンド開始時のロールオフが運命を左右しがちで、先に目標を確保しないと取り返すまでに時間がかかる。1ユニットが高コストになるので先にユニットが崩壊すると手がなくなる。ウォースクロールだけ見て強そうなユニットを編成すると「耐久型」になりがちで、悪い言い方になりますがノーコンセプトのことも。

・リスク回避策

・低コスト高機動ユニットを編入する
・射撃ユニットを編入して後方支援
・一部を傷の多いモンスターに置換する
・バフのオプションを複数準備しておく
・さらに傷を増やす

正攻法の戦い方になるので豊富なオプションを使いこなせるか、ユニット間のシナジーを活かせるかどうかが勝敗の鍵。運任せにならないように耐久性がなくても相手の動きを少しでも封じるための高機動ユニットを混ぜておく。防御を下げられたら逆に攻撃力を上げるなど、むしろバランスを崩された時にはバランスを取ろうとしない。怪物的蹂躙を活用するためにモンスターの編成も効果的。いっそのこと射撃ユニットや傷の多いユニットをさらに増やして「防御型」に展開してしまう手も。「耐久型」ロスターには少し変化をつけると◎。

対戦経験上、ストキャスは「耐久型」ベースで「防御型」に寄せたスタイルが向いてる気が。S2Dは「耐久型」ベースで「妨害型」「対抗型」に寄せたスタイルのロスターが強かった記憶が。


防御型(キャッスル)

・特徴

後半逆転・防衛・遠距離攻撃
傷の多い大ユニットや防御の高いユニットと射撃ユニットを編成

・目的

序盤は相手のポイントリードを許容し、前線に配置した防御力の高いユニットで突撃を止める、または突撃して相手ユニットをロックする。後列から魔法や射撃をダメージソースとしてロックした相手ユニットを殲滅し、徐々に数的優位を作り後半にポイントを逆転する。

・リスク

・膠着状態が長引くとリードされたポイント逆転が間に合わない
・前線ユニットが崩壊すると全滅の恐れ

「反撃型」と同様に守備的になりがちで動き出しが遅く、前線ユニットが敵スクリーンユニットにロックされてしまうと何もできない。ロックするユニットの選択を間違えない相手ロスターの特徴を把握したプレイングが必要なので、初心者向きとは言えないが序盤に全滅することはなく退却の重要性など戦術的な理解が進むので上達しやすい。

・リスク回避策

・退却も含めた機動力の確保
・飛行ユニットの編成
・接近戦型モンスターの編成

不本意な位置でロックされた場合でも戦場の位置取りで主体性を保つために、退却を有効に使って作戦目標確保が可能な編成を。退却後に突撃できれば作戦目標の奪還に効果的。飛行ユニットや高機動ユニットが目標争奪に加わることで自軍内に釘付けにされないようにする。近接型モンスターを配置して後列キーユニットに対する突撃を敬遠・積極的なサポートを考える。「対抗型」とのハイブリッドにすると安定する。

フレーマー編成のティーンチはこれになりがち。実際はホラーやスクリーマーを増やした「対抗型」にした方が圧倒的に勝ちやすいことを経験上実感している。


対抗型(カウンターブロック)

・特徴

後半逆転・防衛・機動力
複数の低コストスクリーンユニット、傷の多いまたは防御の高いユニットと飛行または高機動ユニットを編成

・目的

後攻で行う「制限型」のイメージ。相手の突撃をスクリーンで受けた後に、耐久または防御ユニットで有利な位置取りでロックして長時間何もさせない。飛行または高機動ユニットで積極的には戦わずに目標を争奪し、とにかくポイント獲得を優先する。

・リスク

・高機動ユニットをロックされると何もできない
・序盤からの数的不利に弱い

ポイントゲッターとなる高機動ユニットが目標確保する前にロックされると何もできない。スクリーンや防御ユニットにコストを割くため、相手ロスターのユニット数が多いと序盤からの数的不利で逆転のプレイングは難しい。

・リスク回避策

・退却も含めた機動力の確保
・ロック解除のため後方からの射撃支援
・ロック解除のためのデバフ
・接近戦型モンスターの編成

退却を有効に使う。作戦目標争奪用のユニットがロックされた場合に備えて、射撃ユニットでサポートできる編成にしておく。「反撃型」とのハイブリッドにすると安定する。

S2D連合を加えたナーグルはこのコンセプト。まだまだ進化中だけどギットやスケイブンの「支配型」とは相性が悪いだろうなと思ってる。


支配型(コントロール)

・特徴

盤面支配・数の暴力・神出鬼没
低コスト大ユニット、テレポートユニット、高機動ユニット

・目的

戦場の作戦目標へのアクセスを妨害し、移動レベルから好きなようにさせずポイントを取らせない。攻撃に対しては耐える・受け流す・逃げる(テレポート)・復活する。加えてデバフを多用することでやりたいことをやらせない。

・リスク

ユニット内の渋滞
テレポートユニットの受けの弱さ
・バフデバフ要員の位置管理
・動かすモデルが多い
・プレイ時間が長引く(〜5時間)

大ユニットを運用する場合、テレインの配置次第では思うように数的有意を活かせない。数ラウンド先の動きを見越した配置と移動のために、相手アーミーの特性もある程度把握するなど多くの情報が必要。テレポートを多用して支配する場合でもユニット崩壊を防ぐため、被ダメージが最小となるような設置が必要。ヒーローを護るためのプレイングスキルが必要。初心者が運用した場合は次々と各個撃破されてしまい最終的に勝ち筋がなくなりやすい。

・リスク回避策

・相手のバトルトームを読む
・相手のアビリティを聞く
・バトルプランをよく理解した初期配置
・戦場のテレインの位置関係の把握
・ヒーローをきちんと護る
・ユニット内のモデル配置
・筋トレ、体力強化
バトルプランが決まった後に相手がやりたいことを考えなければならないし、それに対して的確な配置が必要。はじめのロールオフで防御側を選択してテレインを有利に配置するのも大切。"閣下、危ない(Look out, Sir!)"を外さないような運用が不可欠で、隊列もきちんと意識する。たくさん動かすので後半疲れてしまわないように体力作りも必要。支配型で1日に2000ptを3戦できますか?

スケイブンのクランラット、ギットのグロット、ソウルブライトのゾンビやスケルトン、レッサーデーモンを中心とした、「戦いは数だよ!」というスタイル。シルヴァネスのテレポート編成もテクニカルだが「支配型」の亜種。

ロスター組むのが楽しい人はこういうの考えるの好きだと思う。

個人所感でソウルブライト、オシアーク、スラーネッシュ、シルヴァネスは強い。

2024.02.28 by Botanical グンマーの地で


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