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【公道走行NG】YPJ-XCのスピードリミット(制限)を解除する方法

YAMAHA YPJ-XC (2018年モデル)のアシスト制限を解除(厳密にはアシスト制限の速度を先送りにする)改造に成功したので概要から手順、必要なパーツ、そして失敗談も含めて記事にしました。

YPJ-XCでの作業ですがYPJ系のeBike、あとアメリカで発売されているYDX TORC でも同様だと思います(未確認)

今回の改造は可逆、つまり改造前に簡単に戻すことができる方法です。

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※改造後の自転車の取り扱い次第では法に触れる為、いたずらに広めるものではないと考え有料公開としています。

!ご注意!
この記事はあくまで素人が「やってみた」記事です。いかなる責任も負いかねますので自己責任でお願いします。アシスト制限が規定以上になった自転車は公道走行はできませんしデメリットやリスクの方が大きいです。詳しくは以下記事を読んでください。

【公道禁止】電気アシスト自転車(e-Bike)のアシスト制限解除について調べてみた

・・・読みましたね?

速度制限を解除する方法

YPJ-XCの速度制限上げる改造をする方法は大きく分けて二つあります。

1.  専用の制限解除ドングルをつける
2. モーターコントローラを騙す

1. 専用の制限解除ドングルをつける
YPJ-XCのモーターであるPW-Xは海外のeBike(Giant等)で使われており、海外サイトを調べるとPW-X用の制限解除ドングルが売られています。ドングルなのでカプラを差し替えるだけでインストール可能なので簡単。手順もYoutubeにありますし差し替えれば元に戻せるので楽。デメリットはお値段でしょうか。1万円は超える感じなのでお高いです。あと日本のYPJで動く保証がない(成功した人柱さんがいない)です。結構ネットで調べたけど動作した報告を見つけられなかったのでドングルについて具体的な商品名はここでは紹介しません。

2. モーターコントローラを騙す
2つ目の方法はモーターの回転数などを管理しているコントローラを騙す方法。YPJ-XCではリアホイール部分に磁石がありそれをスピードセンサが読み取ってホイールの回転数を拾い、そのデータを元にコントローラがアシストパワーを算出しモーターへ命令します。コントローラに間違った回転数を伝えることで実際よりも遅い速度と誤認識させてアシストパワーを得る方法です。

メリットは金額。磁石パーツ自体はヤマハの純正パーツとして1200円くらいで買えるのでドングルよりもかなり安価。その分ドングルと違って自分で作業をする必要がありますが、パーツ自体はいくらでも購入できるので失敗しても失うものは時間とお金だけ。元に戻せるので安心です。

主に値段の面で、僕は2の「モーターのコントローラを騙す方法」を行いました。なお鋭い方ならわかると思いますが、厳密には「制限解除」ではなく「制限を伸ばす改造」となります。

コントローラを騙す具体的な方法

コントローラを騙す方法は通称「マグネット減らし」と呼ばれていま。なぜそんな呼び名なのかを説明するために、速度検知の方法を説明します。

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YPJ-XCではリアホイールについている上記マグネットコンプリートをスピードセンサーが常時チェックしています。で、このマグネットコンプリートには計24個(S極x12、N極x12)の磁石がSN交互に入っています。(以下イメージ)

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リアホイールが1回転するとスピードセンサーはSとN合わせて24回検知します。モーターのコントローラは1回転(24回検出)するため、一周間にかかった時間から速度を算出し、モータ出力を決めたり速度メーター表示させたりするわけです。

磁石を減らすと算出速度が遅くなる

ここからがミソ。磁石の数を24個→12個に減らすと磁石24個を通過するためにはホイールが2回転回る必要があります。つまりモーターが算出した速度が1/2になるんです。日本のeBikeでは算出速度24km/hでアシスト0になりますが算出速度が半分になると言うことは48km/hまでアシストされるということ。もちろんフルアシスト速度上限も10km/h→20km/hに伸びます。

ノーマル状態でのフルアシストについては以下図がわかりやすいです

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2箇所の「制限」タイミング(10km/hと24km/h)でアシストが不自然に弱くなりますよね。

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上記のように制限がかかる速度を先に伸ばすのが今回の制限解除(厳密には制限される速度を先送りにする)です。

この記事でわかること

・電気アシスト自転車のセンサーを騙すカスタムの概要説明(磁石は何個が正解?磁石の大きさは?)
・必要なパーツとヤマハ純正パーツの調べ方と買い方
・制限を変更する作業手順(写真たくさん)
・試行錯誤の記録

かかったパーツ代金はおおよそ1800円。工具はリアホイールを外す工具と電動ドリルくらい。自転車専門的なものは必要ないです。かかった時間は僕は試行錯誤したので三日間くらいかかりましたが次やるなら実作業は3時間くらいで出来ると思います。

エラーで困ったりもしたのでその試行錯誤も時系列で載せていますので参考にしてみてください。

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