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二人静

両口屋是清の「二人静(ににんしずか)」

きれいなものが好きだった母の思い出の和菓子です。

紅白の和三盆のやさしい甘さが、薄い和紙でそっと包んであります。
箱も丁寧に作られていて、
箱の蓋に描かれた絵が うつくしい。

この度、娘の婚家との初顔合わせの時の手土産に使わせていただきました。


上から時計回りに、
ゴディバのクリスマスチョコレート、両口屋是清の二人静、モーリシャスの紅茶


二人静
蓋を開けると、中村汀女の文と歌が添えられていました。
「忘れざり花にも 二人静あり」




参考までに
以下、両口屋是清さんのHPからの抜粋です。

昭和24年に完成した「二人静(ににんしずか)」は、庭に咲く白い茶花「二人静(ふたりしずか)」からヒントを得て生まれました。可憐な花を想わせる、紅白一対の和三盆糖の干菓子は、すっと口にひろがる上品な甘さが印象的。ひとつ、またひとつとつまみたくなる、優しい口どけに仕上がっています。
 俳人の中村汀女がこよなく愛したと言われるこのちいさな菓子には、“忘れざり花にも二人静あり”と歌に詠みこまれるほどの、えもいわれぬ風情が漂います。お抹茶や煎茶にはもちろん、コーヒーに合わせてもしっくりとなじむのは、洗練された菓子の底力でしょうか。両口屋是清を代表するお菓子のひとつとして、昔も今も広く親しまれるひと品です。

こんな説明も見つけました。

両口屋是清のお菓子の絵は、昭和の初めに活躍した画家森村宜永に、両口屋が「二人静」のイメージの絵を依頼して描かれたものだそうです。 二人静は、元々は能の謡曲の名です。 神社の神職に頼まれて菜を摘みに出た女に静御前の霊が乗り移ります。 菜摘の女は、神職に自分は静だと名乗って苦しみを語ります。彼女が舞い始めると、女の姿とぴったり寄り添って静御前の姿が現れます。 二人の女が舞うので、二人静です。 花に、二人静という花がありますが、静御前の舞う姿に見えるということで、その名前がつきました。 両口屋の当主がその花のイメージで2つが合わさって丸くなるお菓子を作ったそうで、 二人静って確かに丸い花なんです。 つまり、お菓子の形は花の形であり、花の形は能の曲が元なので、赤と白は二人の静御前ということになります。 ですが、二人静という名とお菓子からイメージする絵を頼まれた画家は、赤と白がぴったり合わさる姿に、雅な男女の恋人をイメージしたのですね。 静御前と源義経なのでしょう。 そして「二人静」という名前と絵のイメージが合うと評判になります。 世間一般に「二人」という言葉で恋人同士を連想するからか、やはり「静」という名で、義経と静御前の恋を連想するからかもしれません。