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「成功」と「有名」は「満足度の高い人生」と比例するのか?「無名」だからこそできること

「わたしは、メイクアップアーティストとして成功する!って息巻いて20-30代を生きてきて、いま40代でいろんなことを始めてるんだけど、
菜ちゃんはどうして最初からいろいろしているの?」的なことを、女優さんモデルさんからの指名が絶えないメイクアップアーティストの早坂香須子さんと話しているときに聞かれました。あんまり言語化してこなかったけど、整理できたので書いてみます。

「成功」したい、「有名」になりたい、と思うとき、
どんな暮らしに、
どんな人間関係になることを想像しているだろう?

20歳のときから「成功した有名なひと」と
至近距離でいる機会があったので、
わたしには「成功する」「有名になる」メリットもさることながら
デメリットたくさんを見てきた。

どちらかというと、
いつもデメリットの方がどんな人でも興味深かった。

多くの人が「成功」「有名」と
・お金持ちになること
・豊かな暮らし
・チヤホヤされること
・よりよい人間関係
などをセットで思い描いていると思う。


「成功」と「有名」は「満足度の高い人生」と比例しない

要するに、「成功」と「有名」は「満足度の高い人生」と比例すると
考えていた。
けれども、違ったのだ。

ということは、考えるべきは、
これらの「満足度の高い人生」の変換効率が一番いい関係を
考えるようになった。

たとえば、有名になりすぎると、
誰からも声をかけられずに食事をすることにコストがかかる。
個室のある店は価格帯が高いし、探す時間だってかかるし、空いているとも限らない。
すっぴん部屋着みたいな状態で行ける店は今よりも限られていく。
結局、収入が今より増えても、支出も増えていく。

恋愛だっていちいちバレる心配をしなきゃいけないし、
うっかり世間から公認風味になればなんとなく別れにくくもなる。
ジャッジがにぶるし、自分らしいこと最優先でいるのには、今よりもリスクが伴う。

買い物だって「お金を持っているだろう」という前提に
店員さんの営業トークが始まる。
もちろん、お金がないときには見れないものに
お目にかかる機会も増えるけど、
高品質低空飛行なセンスいい買い物へは遠回りになることも多い。
相手が本音なのか、足元を見て話しているのかジャッジするストレスは
今よりも増える。

人間関係だって、富と名声を目当てに寄ってくる人だって増える。
これも、相手の本心を常にジャッジするストレスが今よりも増える。

今ならSNSで「有名なんだから」とフルボッコに叩かれたりもする。
ちょっとした言葉たらずが、とんでもないネガティブな渦に足元をすくわれることが今よりも増える。

挙げだしたらキリがないが、
「成功」と「有名」が「満足度の高い人生」とちゃんと比例するわけじゃないってことを
知っておくっていうのは大事だなぁ、と思う。

アジカンの後藤くんが「星野源くんほど顔が割れずに、ヒットしたい」と
先日ポロっと冗談めいて(いや本心か)で言っていたけれど、
それはまさにこのことだと思う。


どんな「成功」と「有名」をめざすか

だからこそ「満足度の高い人生」にとって、
ちょうどいい「成功」と「有名」にどうあるべきか、という問いは大事だ。

「プロセス」や「質」のほうが大事なんだろうなぁ、
というのがわたしの今のところの仮説。

人生100年もあるからね。じわじわ確実なのを育てていったら
どうなのかなぁ、と。


より満足度の高い人生のために手に職を増やしておく

あとは、「成功」も「有名」にもなっていない
ただの伊藤菜衣子のうちに、
いろんなことをできるようになっておくのが
「満足度の高い人生」の変換効率がいいんじゃないかなぁ、と
思っていたりする。
今なら失敗もしやすいし、足元も見られにくいから。

だから、
写真もコピーライティング、制作、営業、映画制作、編集、
最近は断熱エコハウスに一番くわしい素人(竹内さん認定)も
いろんなことをやる。

「お前はなにがしたいんだ?」と
撮影スタジオでアシスタントをしていたときに
カメラマンさんにあきれられていたけれど、
今はこんな理由でいろいろやっているとやっと言語化されてきた。

ま、あとは、
まっすぐに「成功」と「有名」になる才能は
備わってないなって、若い時に思う機会が多かった。
だから、そうじゃない方法をずっと探していた。
これが一番大きいのかもしれない。


手に職が多いといろんなひとの人生と関われる

うれしい想定外は、いろんなことができると、
いろんなひとのいろんな人生のフェーズに関わることができる。

広告制作は、事業の立ち上げや拡大のときに
家に詳しい素人は、人生の大きな買い物に
いろんな人生の節目に、そばにいれることは
素敵なひととの関係を親密にしてくれたりもする。
たくさんの生き方のケーススタディにもなる。

そこから学ぶことがものすごく多い。

ということで、今日も暮らしかた冒険家は、
わかりにくく「満足度の高い人生」と
じわじわとたぶん着実に距離を縮めている今日このごろ。


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