【入試分析 】田園調布学園 2024年 1回 算数

 田園調布学園の2024年1回の入試問題を講師陣で解き、感想をまとめてみました。あくまで、講師陣の雑感でしかありませんが、よろしければお付き合いください。

※難易度は、五段階で評価します。
    解なくてもよい=☆☆☆☆☆
    解なくてもよい=☆☆☆☆
     合格を左右する=☆☆☆
       合格に必須=☆☆
  解けることが受験資格=☆


大問1

(1)~(5)☆

一般的な計算問題と一行問題のため、分析は省略します。
ここまでをノーミスで通過して、受験資格が得られるとお考え下さい。

(6)☆☆

小学生は、「一人に何個配ると…」という過不足の問題はすぐに理解できるのですが、「1脚に何人~」という表現になると、途端にわからなくなる子が増えます。「イス」を擬人化して「人間」を配布物とすれば良いだけなのですが、概念を置き換えて考えるのが難しいようです。

(7)☆☆

「たて」と「よこ」の長さの比から、図形の仲の長さを一つずつ解明していく問題です。多少手数がある問題なので錯覚する子もいると思います。

(8)☆☆

「分数」と「比」の関係性の理解を求められています。
「分数」を「比」に直して線分図が書けるようになっていれば問題ありません。「比」の理解が覚束ない子は苦しむかもしれませんが突破したい壁です。

(9)☆☆

「距離」と「時間」がわかっているので「速さ」の問題として解けるのですが、「流れの速さが2倍になる」というところで、少しだけ「比」の理解が求められます。そこを難しく考えてしまう小学生はいる思うので「☆☆」にしました。
これくらいのハッタリに慣れておきたいです。

(10)☆☆☆☆

「エジプト分数」を理解する問題です。

知っていれば得、知らなくても考えれば解けそうですが、直ぐに理解できなければ飛ばしてもかまいません。この問題で点数が取れなくても、残りの問題で点数が取れれば合格に必要な点数は取れます。
ここで時間を使ってしまうのは、リスクがあります。

大問2

(1)☆☆

多くの線が引かれていますが、「砂時計」型の相似比を3つ見つけ出すだけの問題です。難しく考えずに、基本型を見つける意識だけ高めましょう。

(2)☆☆

(1)の相似比をもとに「連比」を解く問題です。
「連比」で躓く小学生は少なくないので、壁に当たる子はいます。
類題をこなして、しっかりと理解しておきたいです。

(3)(4)☆☆☆

(2)をもとに、「底辺比」=「面積比」の理解が求められています。
難しい問題ではありませんが、(1)~(4)までが連動しているので、この大問2を全て取りきれるかどうかは、合否を分けるポイントになると思います。
類題を多く解いて、取りきれるようになりたいです。

大問3

(1)☆☆

図2のグラフの理解が求められています。
点Pが点Cに到着するまでが11秒です。辺AD間の12cmを点Pは6秒で進むので、残りの5秒が辺DCを進むのにかかる時間になります。

(2)☆☆

出来上がる図形を認識する問題です。
点Aと点Pが重なっているときの三角形からスタートし、点Dに点Pが到着したときに面積が最大の台形になります。そこから点Cに点Pが到着したときに、再び三角形に戻ります。
部分的に言えば、「三角形」と「台形」の面積の出し方を問われているだけです。
描かれていない図形を想像することを苦手にする小学生は多いので、意識して類題を解いておきたいです。

(3)☆☆☆

図2のグラフから「78㎠」になる点が二カ所あることを理解します。
2点あるとわかれば、あとはどんな解き方でもかまいません。
「すべて」と言われたとき、答えを出す前に「すべて」の根拠を把握できるかどうかが重要です。
それを把握できる小学生は多くないので、この問題をミスなく取れる子は、合格する可能性が高いと考えます。

大問4

(1)(2)(3)☆☆

「平方数」の問題です。
「N段目」までの枚数が「N×N」で導き出せて、「10」を「0」と考えると、一の位の数字のカードが並び続けていることになります。
その理解をもとに「平方数」の一の位を考えれば解くことが可能です。
「平方数」の問題は頻出するので、それに気づく感度を高めておきたいです。

大問5

(1)☆☆

「四捨五入」と「百分率」の理解が求められているだけです。
簡単な問題ですが、小学生がうっかりミスをしやすい問題なので「☆☆」にしています。

(2)☆☆☆☆

あまり気にする必要は無いと考えます。
時間があれば着手してもいいと思いますが、この問題に時間をかけるべきか、見直しに時間をかけるべきかは、判断が難しいです。
「解く」「解かない」は戦略の問題です。

【総括】

[ポイント]

・線分図を書く力を養う。
・図形の中から「相似」を見つけ力を養う。
・「連比」を確実に理解しておく。
・グラフを読む力を養う。
・「平方数」を理解しておく。

[テキスト]

SAPIXのテキストについていく必要はありません。
『予習シリーズ』もオーバースペックかと。
『新演習』で問題ありません。

[模試]

合判模試で十分です。
日能研の合格力判定テストまで対応できれば盤石だと思います。
サピックスオープンは必要ありません。
合不合判定テストに対応できていれば余裕が生まれそうですが、対応できなくても諦める必要は無さそうです。

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