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♯97 時計の夢

振り子の揺れる様子をずっとみていた。
ここは、どこかの洋館か。私は長い長い廊下を進みこの振り子時計の前に辿り着いた。

カチンっ……カチンっ…

音が聞こえた気がしたが、振り子とどうもズレてる気がして目が離せない。

カチっ…ン…カチっ…ン

そもそも、振り子ってこんな音だっただろうか。
私は振り子の様子をただただ見つめ、進む事のない時計の針をいつまでも見上げていた。

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ドミノとシイナは、この異様な空間に声が出なかった。色のないこの白黒の夢の中で風の子・シロイトの色が鮮やかだとさえ思ったぐらいだ。

シロイトが取ってきた「夢のカケラ(egg)」はとても小さな振り子時計の音がしていた。

BOX SPACE:夢現
風の子と契約を結んでいるコントラの「ドミノ」と「シイナ」。 
ドミノ達は夢の向こう側(現実)から迷い込んだ迷人(まよいびと)の夢に入り「夢のカケラ」を集める役目がある。  
 かつて世界を守っていた8人の王達の墓には、眠人(ねむりびと)が『墓の鍵』を眠りながら守っている。眠人(ねむりびと)の眠りを安定させる為に夢のカケラは必要なのであった。

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