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美意識と合理性の調和~ジョセフヒースと近藤麻理恵の提案

カナダの哲学者ジョセフ・ヒースが、NHKの番組「思考のオルタナティブ」に出演しました。米国で取材を受けたヒースは、「これからの時代に必要な思考法」について語りました。以下はそのインタビューの要点をまとめた視聴メモです。

◆ヒースは何を主張したのか?
・近代社会は「合理性」のもとで発展してきましたが、30年ほど前から米国社会で「非合理」的な大衆の動きが出てきています。
・若者の行動にも「非合理性」の影響が見られ始め、それを利用する経済的、政治的動きも見受けられます。
・「合理性」を取り戻すために、個々人が「美的シンプル」さで環境を変えていくしかないと主張しました。

◆米国で「非合理」化が起きる背景は?
・米国でコロナ禍のワクチンの接種率が7割に留まったこと。
 →エリート官僚や専門家が提供する情報への「反抗」と「陰謀論」の蔓延が影響したと考えられます。
・米国にはキリスト教の「無律法主義」をベースにした思考文化が存在すること。
 →無律法主義が60年代の米国で起きたカウンターカルチャーの「反抗」を生み出しました。
 →最近では「トランプ主義」の台頭など、右派の方で一般化しつつあります。これは「理性の穴埋め問題」として繰り返されています。
・インターネットの普及により、企業や個人を標的にした「キャンセルカルチャー」が蔓延していること。
 →学校では非主張的な生徒が放課後オンライン上で差別主義者の「モンスター」になる現象が起きています。
 →若い世代ではネット上の炎上と規制から、コミュニケーションの質が19世紀の社交界のようになる「ネオヴィクトリアン」現象が発生しています。

◆「合理性」を取り戻す方法は?
・日本の伝統的な美意識による「美的シンプルさ」を活用することを提案。
 →これによって合理性を維持する負担を軽減し、注意力を維持させることにつながります。
・そのために、近藤麻理恵が主張する「持ち物を全部捨てて、本当に好きなものだけ残す」生活環境を整えることが重要。
 →近藤麻理恵が大切にする「直観」は「合理性」と対立しないとされ、私たちが「合理的」になる環境作りの手助けになってくれると説明しています。

【番組ウェブサイト】
https://www.nhk.jp/p/ts/GLP33Y7513/episode/te/M8V6JV78L7/

#NHK #思考のオルタナティブ #ジョセフヒース #キャンセルカルチャー #ネオヴィクトリアン #啓蒙思想2 .0 #反逆の神話 #近藤麻理恵

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