見出し画像

登山ド素人の脳内ひとりごと~登山中に浮かんだ「山登り型キャリア」の解釈~

まどろっこしいタイトルをつけてしまってごめんなさいね。登山ド素人は私のことで、実際に登山してる最中に「山登り型キャリア」について考えてたということです。

山登り型キャリアor川下り型キャリア

上記の2種類のキャリアの築き方があることを知ったのは、昨年11月に行われたSHElikes主催イベントIWSの弘中アナのマインドセット回のとき。

山登り型(※未来の目標に向けてコツコツ進む)」
川下り型(※流れにも身を任せて、決めすぎず自由に進む)」

弘中アナは後者らしいです。


当時、私はどっちかな~って考えたけど、そもそも「川下り型」の概念を初めて知ったので、無意識のうちに「山登り型」だったことに気づく。

概念ではなく実体験の話をすると、受験も就活も自分のレベルより高い目標を掲げて、それに向かって逆算して計画を立てて実行していく、というやり方だった。特に受験に関しては登りたい山が明確で、なにがなんでも登る!それ以外は山じゃない!みたいな勢いだったと思う。いま振り返れば、ただの執着に過ぎない。

でも、頂に届かないことのほうが圧倒的に多かった。

おそらく目指す山のレベルが見合ってない、目指すための計画が無謀、目指す先の正しさが分からなくなり迷子になる、など。

前職の営業時代は高い数字目標を持って、達成するためにどうするかを念頭に置いて仕事をしていた。川に流れてる場合じゃない。月次や週次の数字を追うことに精一杯で、そしてあくまで「その仕事」としての山しか視界に入らなくて、登ってるのか下ってるのか分からない状態だった。山の全体像がまったく見えていなかった。どこに向かってるのか分からないけど、とにかく目の前の道を前に進むしかない。引き返すわけにいかない。休むわけにいかない。

退職は、無職は、山登りでいうどこに当たるのだろう?別に下山してるわけじゃないと思うんだよね。立ち止まる、座る、水を飲む。


本題に入りますね。
ここ数年で登山に目覚めた父の趣味に付き合わされて、長野県白馬村にある八方池を目指して、八方尾根を登ってきました。木道ではなく岩場のコースを。

普段から登山をする方からすると、八方尾根がどのレベルの山なのかはわからないけども、少なくとも私にとっては人生初めての「ちゃんとした登山」という感じでした。長野県出身で山に囲まれて生きてきたとはいえ、登山をしたいかどうかは別の話だよね。

父はちゃんと登山する人の服装をしてるのですが、ド素人の私はというと、私服の半袖に、ジージャンを羽織り、ユニクロのパンツを履き、ショルダーバッグをかけ、キャップをかぶり、極めつけはコンバースのスニーカーです。圧倒的に「連れてこられた人」感。父からポールは借りたけど。


イメージしやすいように登山ルート貼っておきますね。

八方池登山ルート

岩場を歩く登山は人生初めてで、最初の一歩のこれでいいのか?感がすごかった。何歩か歩き始めて、急に頭の中に浮かんだのが「山登り型キャリア」のこと。なんか想像上の「山登り」だけで、判断してたのでは?って思い始めて。実際に山登りだけに集中できる環境になって、ようやく目の前のこと以外を考え始めるという皮肉さ。デジタルデトックスした大自然の中でも、脳内のひとりごとだけはうるさかった。

※以下、一緒に登ってる父には一切話していないので、全部脳内のひとりごとです。

「山登り」に対するイメージは、実は人ぞれぞれなのでは?ってまず前提を疑い始める。イメージ図で出てくる山登りって、くねくね道をひたすら頂上に向かうやつじゃない?これみたいな👇

もしかしたら、きれいな道を歩くこともあるのかもしれないけど、だいたいは足元が不安定な岩場だったり、整備された木道だとしてもそのルートから踏み外したら落ちてしまうようなリスクもあって…。と、山登りとは?って考え始める。考えても人ぞれぞれか、しかたないな、って思って諦める(笑)。


とにもかくにも、足を踏み出しやすい「岩」を探して登るわけです、ひたすらに。必ずしも前の人が歩いた道(岩)が、自分にとっても歩きやすいとは限らない。体格も歩幅も、体力も、登山歴も違うんだから。しかも最初に書いたように、私はスニーカーを履いている。圧倒的初心者で未経験。最優先で避けなくてはならないのは、滑ること。ぬかるんでるところは避けて歩きたい。明らかなぬかるみは避けられても、ぬかるみの足跡が残る岩は避けられないときがある。

最初はいい感じの岩を探すのに必死だったけど、途中からコツがつかめてひょいひょい登れるようになった。そもそも岩場を歩くことに慣れたこと、自分の歩幅の限界が分かったこと、ちょうど周りに登山客がいないタイミングで自分の心地いいペースで登れたこと。

あれ?キャリア(転職活動)にも通ずる…?自分のことを知る、相手(企業)のことを知る。隣の芝生が真っ青なときもあるけど、人それぞれにペースやタイミングは違うし、たまたまその一部始終を見てるだけってこともよくあるよね。急に周りが成功してるように見えるとき、その成功に至るまでのことは見えなくなっちゃうし。逆に自分が調子のいいテンポで少し先に登ってるときは、後ろから登ってきてる人の影に気づかないかもしれない。


登りやすい岩を見つけるのが楽しくなってきた。自分の思い通りに登れていると、周りの人や景色も気にならない。ただ目の前のことに没頭できてる状態。初めて進む道なのに、恐怖も感じない、不思議だった。

まあ何事そうかもしれないけど、ずーーーっと同じ状態が続くことはないですよね。いいときも悪いときも。調子よく登ってたと思ったら、勾配が急になって、岩と岩の間も広くて、え?ここ登るの?みたいな。無理すぎて、ちょっと端っこに避けて、後ろから登ってきた人に先に行ってもらうみたいな時間を過ごしてた。「こんにちは~!お先どうぞ~!」キャリアには置き換えられないテンションだな~ってしみじみ。そんな快く採用とか昇格とかを他人に譲れないし、自分の登ってきた道をそんな簡単に手放しにできないなあ。

ちょっと休憩したあとでも、急勾配はきつかった。きつかったけど、急勾配そのものよりも、その先も終わりが見えない緩やかな岩場が続くことのほうがしんどかった。やっと乗り越えた~!って思ったのに「終わりの始まり」みたいな瞬間。「山場」じゃなかったの?ってなる。


そういえば岩場じゃなくて、木の階段になってる部分もあった。岩場と木の階段、どっちが登りやすいかは好みの問題だと思った。私は、岩場を登るほうが好きだし楽しいな~って。なぜなら、木の階段は単調すぎるから。トラックマラソンと駅伝、どっちが好きか?という問いに似てる気がする。

ちなみに、登山ルートの序盤で木の階段が出現していたとしたら、答えは変わっていたかもしれない。岩場に慣れていない状態だったら、安定感もある階段のほうが、断然安心だ。階段をどういうものか知ってるし、躊躇することもないはず。

でも、ある程度の岩場を経験し、自分なりのペースを掴んできたタイミングで、なおかつ山場を乗り越えて疲れてるときに階段が表れても…。本来の「安心安定」という強みが完全に裏目に出てた。今じゃない、今欲しいのは違う。


「ケルン」という積み石で作られた道標が何ヵ所かあった。初めて見て感動した。「山登り型キャリア」っぽい~!って勝手に思った。ゴールである頂上に向かうまでの中間目標的な感じだよね。マイルストーンってそういうこと!?ゴールも、中間目標も、人によって違うだろうけど、ここまで登ったぞ!って進捗が目に見えて達成感が味わえる。ゴールまで残りがどれくらいかも分かる。でっかい目標を立てたとしても、ちいさな成功を積み重ねていかないとしんどいもんね。振り返ってみたときに、自分の軌跡がちゃんとそこにあるの、大事だね。

左奥に小さく見えるのもケルン
八方池のゴールのところにあったケルン

いろんなことを考えながら、ゴールの八方池に辿り着いた。ケルンの写真にもあるように、登ってる間はずっと曇天。分厚いグレーの雲が空を覆っていた。途中で、湿った霧なのか雲なのかわからない幻想空間も突っ切った。

キャリアに例えるなら、「登ったからこそ見える景色」みたいな話がよくあると思っていて、途中で諦めなければ…とか、上を目指し続ける限りは…とか。もちろん登らなきゃ見れない景色はたくさんあると思うけど、それがすべての正解ではないかな~と思う。登山しなくても思ってたけど、実際に登山してみて改めて。「晴れてたら、八方池に映る北アルプスが絶景なんだよ」って父は何度も言ってたけど、全然晴れなかった(笑)。

で、また別のことを考え始めてしまうのだけど、「晴れ」が人生のすべてなのかなあ?って(重たい)。登った先に見える晴れた絶景が最高なのは間違いなくて、でも曇ってたり雨が降ってるからって、登らなきゃよかった~という後悔にはならない気がする。「まあ、そういう日もあるよね。山の天気って変わりやすいもんね。」で話が済む。また登るときに今度こそ晴れてほしいね、みたいな。自然に対してはしかたないよね~って思えるのに、なぜか自分の人生やキャリアだとそうは思えないことのほうが多い。せっかく登ったのに、こんなに頑張ったのに、いつも雨降りなんだけど。自分にとって大きい山であればあるほど、ダメージが大きくて尾を引いてしまう。登山中に怪我したとか、具合悪くなっちゃったとか、致命的なことはなにもないのにね。

話の着地点を見失いつつある(笑)。八方池の写真をどうぞ~。

かろうじて空が明るくなってきたけど…
八方池の証明!アルプスどころじゃない!
唯一の晴れ間!この青色をどれだけ欲していたか…

脳内ひとりごとを垂れ流してたら、4,000文字目前でした。

登山の話をしておきながら、最後にリフトに揺られながら見た景色がベストショットでした。白馬村の街並みと、奥にそびえる山々と、青空と夏らしいもくもくした雲と。田舎の夏っぽさがすごい。すべての背景に「山」がある生活は当たり前じゃなかったんだな~って、長野を離れてから気づいたこと。

リフトで下るときに見渡せた絶景。

「山登り型キャリア」の解釈に、唯一の結論は見出せてません!!ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!!

ただ、「山登り」「川下り」と例えられるほど、単純なキャリアや人生なんてひとつもないよな~って思った次第です。どんな山を登りたいか、登った先に何を求めるのか。はたまた遠くから山を眺めるのがいいのか。登るペースも人それぞれだし。ん~~、どんなに考えても人それぞれじゃん?って結論に至るの、いかにもストレングスファインダーの「個別化」って感じがする。

いつか実際に「川下り」もしてみたいなあ。流れに身を任せるなんて、実際の川だとそんな綺麗事で済まないのでは?って予想してる。コントロールできるようになるまでてんやわんやしそう(笑)。

山でも川でも家の前の道でも、一歩踏み出さないと始まらないのはたしかだと思った。まだまだ私なんて、ここまで勉強してスキル身につけてから、とか私自身もめちゃくちゃ考えてしまうタイプだけど、初心者の軽装でもそれなりの山は登れる。知識武装が必ずしも先ではない、「経験」からしか得られないことがたくさんある。(特大の自戒を込めて)


最後に、昨日の内定もらったよツイートにたくさんのお祝いリプといいねをいただき、本当にありがとうございました!!自分事のように喜んで応援してくれるシーメイトさんに出会えてよかったです、本当に本当に嬉しい…。

内定出る前から書き始めてた「山登り型キャリア」のnoteを先に投稿しました!転職活動noteもお楽しみに~!

noteに書きたいネタが溜まりすぎてるので、熟成させすぎずに…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?