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ASD、ADHD、ディスレクシア...多様性にフレンドリーな大学探しのヒント

長男の大学受験シーズンが終盤に差し掛かり、受かった学校の中からどこに行きたいかを決めるエキサイティングな時期に入りました。

彼の意思を尊重して・・・も何も、最初っから大学選びに興味を示さず、かといってそれ以外の選択肢にも興味を示さず、半分なりゆきでここまできた感はあるのですが、大学進学をきっかけに家から出でたら面白いこと見つけてくれるかなと淡い期待。

とは言うものの、就学前からIEPにお世話になってここまで育ってきた彼なので、突然一人で暮らせるのか(キャンパス内だけど)という疑問は大いにあります。ちなみにIEP (Individualized Education Program) とは、アメリカで特別な教育ニーズを持つ生徒に対して与えられる、カスタマイズされた個別教育プログラムです。

受かった大学は一校を除き全て州内にあります。とはいえ車で片道4時間半離れた学校もあるので必ずしも近いとは言えず。でも「カリフォルニアの大学に行きたい!」と言われなくて本当にホッとしている私。大陸の反対側ですから。自分は地球の反対側の大学に来といて勝手なことを言っています。

私立、州立、規模、距離、コスト、選択にあたって色々な要素があります。本来はここに専攻が入るのでしょうが、長男はまだフォーカスしたい分野がはっきりしていません。学校を絞りにくくしている部分ではあります。でも日本とは少し違い、受験の時点で専攻を決める必要はありません。ひとまず未選択で学校生活を始め、その後にやりたいことが見えてきたら専攻を選択すればよく。なので学びたい方向性がわからないのは大した問題ではありません。私だって17歳の時に何がしたいのかなんて分からなかったしな。

そしてもう一つ、夫と私でアンテナを張っている要素があります。それはニューロダイバージェントにとってフレンドリーな大学かどうか。脳の多様性を持つ生徒が安心して学び活躍できる環境を備えているかどうかは、初めて親元を離れるだけあってすごく気になります。

「今の州立大学は大抵ニューロダイバーシティを意識してるから、ある程度の配慮は一定にあるよ」とは人からは聞いていました。私もそうだろうと思います。でも学校選択の判断となるとっかかりが欲しい。違いはあるはず。しかし「ニューロダイバージェントにとってフレンドリーな学校」という私の考えが抽象的すぎて下調べが難航。

しかしそんな悠長なことを言っている時間もなくなり、最近になって鬼のように調べ始めてだんだんと分かってきました。数字を拾えばいいのだ!

私が行った先は、教育機関のデータが揃った州のサイトです。学校に限らず、生徒の統計データもあります。これはニューヨーク州ですが、各州で似たようなサイトがあると予想。日本でも。

そこからHigher Education / 高等教育のタブ(右上)に進むとここのページへ。障害を持つ学生や学校職員に関する統計が年度ごとにレポートされています。アルファベット順で探しやすいです。公立も私立もありました。

ここで私が注目したのは障害を持つ学生の数割合が極端に少ない学校ではインクルーシブな雰囲気はまず望めないのと、障害を持つ生徒へのリソースやアコモデーションが限定されると予想。ニューロダイバージェントな生徒のコミュニティも形成されづらい。

またどんな障害かというカテゴリーのデータもありました。ADHDはどの学校でも多いですね。ASDの生徒は数は意外と少なく。ただそれと並んだサブカテゴリーに「発達障害」もあり、その中にも入っていると予想。他にカテゴリー的に注目したのはメンタル・ヘルス冬が厳しい地域と、アイビーリーグのような競争が激しい学校はこの数字が桁違いに大きい傾向。ギクっとしました。ちょっと前にニューヨークタイムズ紙に生徒の自殺増加に懸命に対応しているとある大学の話が載っていて、他人事に思えなくて涙を浮かべて読んだのですが、メンタルヘルスも無視できない点ですね。

もう一つ注目したいのは障害を持つ生徒のニーズに対応するオフィスの職員の数。この人数は結構決定的です。これで大体、その学校の障害者への対応が見えてくる。下のデータは市内のとある公立大学です。もちろん規模にもよりますが、公立でこれだけスタッフがいるのはいい方です。マンモス大学でスタッフが2人という背筋が凍る学校も見かけました。

ニューロダイバージェントにフレンドリーな大学探し。リサーチは抽象的になりやすいんですが、数字を拾っていくと具体的に学校の様子が見えてくる!という話でした。参考になれば・・・

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