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[法案調査]道路交通法の一部を改正する法律案の概要

要旨 - Summery

2024年参議院第213会国会にて議論される「道路交通法の一部を改正する法律案」について浜田聡参議院議員の依頼で調査を行うので、その結果を依頼に基づき公表する。

(参考) 第213会国会 (令和6年常会) 提出法律案 ー 厚生労働省

(参考)新旧対照表

背景 - Background

子供からお年寄りまで、気軽に便利に使える交通手段である自転車。通勤や通学、買い物といった普段の生活での移動手段であることに加え、サイクリングなど余暇を楽しむツールでもある。

一般財団法人自転車産業振興協会の資料によると、2021年の自転車保有台数は約5,724千台である。同年の日本の人口で計算すると国民一人当たり約0.46台の自転車を保有していることになる。

欧州諸国では、モータリゼーションの拡大に伴って蔓延した交通渋滞の緩和、交通事故の削減、そして地球温暖化防止策として都市部での自転車利用を促進している国が多い。

世界自転車同盟とヨーロッパ自転車連盟の作成した海外都市別の自転車分担率を見るとオランダのフローニゲンがトップでほかにもデンマークやドイツ、ベルギー、イギリスの都市が並ぶ。そんな中でも日本も大阪市は第6位、東京は13位と、欧州諸国にも負けない健闘ぶりを見せている。

自転車分担率の海外比較

このように自転車利用が活性化する一方で道路整備や交通ルールの徹底といった環境整備がおらず、自転車乗用中の交通事故がこれまでになく問題になっている。

警察庁によると自転者常用中の交通事故件数は総数では減少しているものの交通事故全体に占める自転車関連事故の割合は間してきており自転車の安全な利用及びその見直しが重要になってきている。

自転車関連の相手当事者別交通事故件数の推移

自転車常用中に事故に遭って負傷した人の数を見ると小学生から高校生の若年層が最も多いことがわかる。その一方で死者数は70歳以上の高齢者が圧倒的に多くなっている。高齢者の場合は事故にあった際に重症化するケースが多いことに起因していると考えられる。

こういった自転車乗用中の事故では警察庁によると約3分の2が自転車利用者側のなんらかの交通違反が原因となっている。自転車は子供から高齢者まで誰でも乗れる乗り物ではあるものの、車両であり、交通ルールの遵守が求められるもののルールの理解不足、あるいはルールを軽視する割合が高いことが問題となっている。

国や警察は自転車利用のルールの徹底を積極的に広報しており2013年6月に交付された改正道路交通法では自転車で路側帯を走行する際に進行方向左側の通行を義務付けている。もし右側を通行した場合には「3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」の懲罰を受ける可能性も出てきている。ルール遵守の意識が高まることが
期待されている。

年齢別自転車乗用中重症者および死者数

本改正案ではこのような最近における道路交通をめぐる情勢等に鑑み、自転車運転中における携帯電話使用等の禁止、自転車等の運転者による一定の違反行為の反則行為への追加等の措置を講ずることによる自転車等の交通事故防止を推進することを目的とした。

法案の概要 - Method

警察庁が発表した法律案の概要

・ 自動車等の交通事故防止のための規定の整備

・携帯だけでなく自転車に取り付けられるか持ち込まれた画像表示装置に表示された画像表示用装置に表示された画像も注視してはならない。(第71条関係)

・自転車の酒気帯び運転をしたものだけでなくこれを幇助する行為をしたものに対する罰則も創設する(第117条の2及び第117条の3の2関係)

・第8章の罪にあたる行為のうち別表第2の上欄に掲げるものであって、重被牽引車以外の軽車両の運転者がしたものは反則行為になる(第125条及び別表第2関係)

・ その他

・「準中型自動車仮免許及び普通自動車仮免許の欠格事由を17歳6ヶ月に見たないものに引き下げ準中型自動車免許及び普通自動車免許の運転免許試験を受けることができる年齢を17歳6ヶ月に引き下げることとする。(第88条及び第96条関係)」とあるように普通免許だけではなく準中型自動車仮免許も取得できる様になる

事前評価 - Assessment

・ 自動車等の交通事故防止のための規定の整備

・「携帯電話及び酒気帯び運転」と「自転車等の安全を確保するための規定の創設」に関しては規制強化と言える。仮に携帯電話及び酒気帯び運転を規制したいのであれば台湾の様にもし違反した状態で交通事故などを起こした場合に罪を上乗せする形にするべきでそれそのものを禁止するべきではない。以下に理由を述べる。例えば携帯を使用している時に自転車を運転している人がいたとしてそれら全てを捕まえることなど当然できない。法律は作られた以上可能な限り完全に守られるべきであり作ったとしても必ず守られるわけではない法律を作るのは時間と費用の無駄である。また逮捕するか否かは役人の気分次第ということになるわけだがこれもまた問題である。以上の理由によりこれらの部分は撤廃するべきであるし作るのであれば他の交通事故の様な罪を犯した後に追加の罪とするべきである。

・「自転車等に対する青切符の適用」に関しては警察庁が発表した法案の概要に「自転車の検挙数が増加する中」とあるが今法案の様な無駄な法案を作り続けているなら検挙数が増加するのは当然であり自分で問題を作りながらその問題を解決するパターンの典型的な例であると言えるであろう。茶番であり、そもそもいらない法律を2対1ルールで削除すれば良いだけなので2対1ルールの実施が急務であるという結論に達する。ただ2対1ルールを制定しないという前提では少しは妥当できるものであるとも考えられる。

・その他

・「原動機付自転車等の運転の明確化」に関しては規制強化と言える。そもそも原動機付自転車と従来の電動アシスト自転車の違いは速度制限とペダルをこがなくても走れる点であるが速度制限はまだしもペダルを漕がずに走れてそもそも何が悪いのか、ペダルを漕がずに走ればそれだけ移動が楽になって良かったねとなぜ思わずに規制をしようとするのかに理解に苦しむ。この様な規制があるせいで我々日本人はいまだにペダルを漕ぎ続けなければならないのである。そもそも原動機付自転車と電動アシスト自転車を分ける規制をなくすべきである。

・「普通仮免許等の年齢要件引下げ」に関しては概ね賛成である。しかしこの法案は自動車免許を取る人間が減っている現状からそれを増やすことを目的としていると考えられるがもしそうであるなら運転免許取得課程の簡略化による費用やコストの削減を行うべきであると考えられ今回の様な対策をしても焼け石に水の様なものであると考えられる。

想定質問 - Discussion

1.今法案の実効性について


今回の法案で作られた新たな規則は「自動車等の交通事故防止のための規定の整備」で述べた様に本当にしっかりと取り締まる気があるのかまた、取り締まるとしてその様なことが現実的に可能かと思っているのかを問う。

2.運転免許取得手続きの簡略化について

「その他」でのべたように運転免許取得者を増やすためにはまず現在の運転免許取得のために教習所で過ごす莫大な時間と金銭的コストを減らすべきであるがその点をどう考えているのか、またやる気があるのかを問う。





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