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手当て

怪我や病気の時に使う「手当て」という言葉は文字の通り手を当てることで心や体の苦痛を和らげる、手を当てて治療したことから来ているらしい。

子供の頃お腹が痛いとき母にさすってもらうと不思議と痛みがひいたのを覚えている。
出産前の大変な時も母の「手当て」に助けられた。
そういえば私も子供が体調不良のときにはそっと手を当ている。
自分もそうしてもらっていたからなんだろう。

最近我が家の老犬の体調が悪くなり、介護が始まった。
去年の春に1頭亡くなっているので看取るのは2回目。
1回目の時の夫の様子で何ができて何ができないかはわかってはいるけど夫と協力して何かをするというのはなかなか大変で、私はまた風邪を引いている。
犬が何かを訴えて鳴くとき、様子を観察すればどうしたいのか見えてくる。
夫には見えてこないのかな…。
なんなら鳴いていても椅子に座っている。
でも多分夫は面倒を見たいんだろう。
自分の犬だ!くらいに思っていると思う。
かと言って早く帰ってくるわけでもなく、私は夫が帰るまで犬の隣でウトウトして、風邪をひく(貧弱すぎてごめんなさーい!)
全部私がやるから〜と言えないそのへんが難しい。

たまたま夫が午前休を取っていて、朝のんびりしていた。
犬が鳴いているのに子供の食事をただ見ている。
私はお洗濯。
鳴いてるよ?と声をかけたら見に行ったけど見に行ってもずっと鳴いているので洗濯を代わってもらった。
私は犬に手を当てた。
目が見えない耳も聞こえない、三半規管がおかしくなったのかまっすぐになれない、後ろ脚はすっかり言うことをきかない状態。
不安と戦う犬に「手当て」は有効なようで、スッと落ち着く。
30秒ほどで目を閉じて寝た。
これができないかー…それじゃあ夜も明け方も鳴くよなぁ…。
さすってあげるといいよと伝えはしても、口で説明できることではないように思う。
私も体が辛いとき夫に頼んだことがあるけどその一度きりだった。
なんの効果もなかったから。
マッサージも同じく効果がなかった。
そうじゃなくて…と言うと不機嫌になって、俺には無理だからといなくなった。
「手当て」をされないで生きてきたのか?
記憶していないだけなのか?

そんなこんなでせっかく車があるからと子供を幼稚園に送り届けてから二人で買い出しに行くことにした。
ところが子供の出発準備を夫に任せたせいで忘れ物をしてしまった。

私「買い物している間に取りに行ってくれる?急ぎじゃないから買い物帰りに届けに行こう」
夫「じゃあ車から降りて」
スーパーの開店時間は9時、現在時刻8時45分。
私、風邪。
真冬の朝は寒い。
私「まだお店あかないよ?」
夫「間に合わなくなるだろ!」
私「何に?」
夫「時間!君が買い物終わるまでに戻ってこられない!」(片道15分くらい)
私「1時間もかかる?」
夫「1時間はかからない。いつも外で並んでるんだろ?」
私「じゃあ間に合うよ!私風邪ひいてるって言ったはずなんだけど…」
夫「効率が悪いんだよ!!」
効率は変わらないはず。
忘れ物をした時点で効率っていうかなんていうか…。
言い返すのはやめた。
くだらない。

相手を思いやれないのは相手の気持がわからないから。
相手の気持がわからないのは想像することができないから。
できないんだからしかたないね…?
犬、ごめんね。
夫がいないときはできるだけ側にいるからね。
それでも夫は犬を大事に思っているし、大好きだってきっと犬はわかると思う。
犬も猫もみんな夫が大好きだったから。
人間って難しい。


オマケ
帰り道「俺もエアコンつけたら喉痛い」って言ってた。
オレオレオレ〜!!!!



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