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ため息

 リストのピアノ曲に「ため息」というのがある。美しい曲で、私は大好きである。

 この曲に触れるたびにいつも思う。
 このため息は、落胆のため息なんだろうか? それとも感動のため息なんだろうか?

 始まりや終わりのほうは、パステル調の淡い優しいピンク色に見えるのに、途中に黒やネイビーのような濃い強い色味が落ちてきて雑にかき混ぜられる。
 これはどんな心境を表現しているのだろう?

 今日もそんなことを考えてしまった。このため息は何のため息なんだろう。

 人生なかなか上手くいかないことも多くて理不尽に悔しい思いをする場合もあるけれど、そういうことは全て、ひとに優しくなれるための糧なのだと信じてやり過ごしたい。

 今日の私の「ため息」はどうやら落胆のほうに近いらしい。

 そんな時はあまり深く追及せず、さっさと寝てしまうのが賢いかもしれない。

 明日にはきっと、感動のため息をつけると信じてオヤスミナサイ。

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