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【ライブ感想】Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」

(セットリスト等については下記記事を参照している)

MyGO!!!!!のアニメ第13話で作中世界における鮮烈なデビューを飾ったAve Mujica、そのリアルバンドとしての1stライブは昨年2月の11thライブにてプロジェクト起動が公のものとなってから1年近く経ってのものとなった。
合計11曲、途中にセットリストと連動した朗読劇を織り交ぜて「破壊と再生」を描いたMC・アンコール無しというストイックな構成も徹頭徹尾Ave Mujicaの世界だけを楽しむことができた。

昨年6月に"0th LIVE"をやっていたのだが、では何故今回が1stを名乗るもので去年は0thだったのか。考えられる要因は本来魅せたい世界観を示したものではないから…だろうというのが真っ先に浮かんだものだった。
アニメでも示されているように同バンドは「世界観」に観客を没入させることをオーディエンスに訴求する際に心掛けている。直前のスクリーンに宣伝PVは流さないし、MCでトークを入れることもない、そして物語が締めくくられたらアンコールもなく終演…その物語の余韻だけを残して送り出すというわけだ。コンセプトをはっきり打ち出した構成はなるほど確かに終演後も物語の余韻をより強く印象付けてくれた気がする。

ライブが開演するとそのアニメ13話のシーンが流れて、紗幕が上がるとそのままアニメ通りに"Ave Mujica"から始まる。アニメで描かれたのはその1曲だけだったがそこから続くかのようにストーリーと絡めた演奏が続いていったのだ。続いて「ふたつの月 ~Deep Into The Forest~」と"KINGS(カバー曲)"、ここで他のバンドならキャラ紹介などのMCとなることが多いが、ここでは仮初の命を宿した人形達の物語の続きが語られる。

朗読劇からバトンを受け取るかのように演奏パートが再び始まり最近発表された新曲の「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」、ストーリーが深みを増していく中初めてライブで聴くこの曲は迫力があった。"Choir 'S' Choir"も個人的にかなり気に入っている曲の1つで、スピード感と力強さを感じる。ここでまた朗読劇が入りストーリーが大きく動く。キャラクター達のセリフも(彼女達の人となりを断片的にしか存じ得ない今こういうのもおかしな気がするものの)いかにも言いそうな気がする。

続いては"Mas?uerade Rhapsody Re?uest"、トップクラスの推し曲だけに大いに盛り上がってしまった、そしてモーティスちゃん…貴女ここでヘドバンするようなキャラだったのね。前列の3名は特に演奏中に掛け合いが見られる機会も多くハイタッチを交わすような場面も。「堕天」を経て「神さま、バカ」でこのパートは終わり、いよいよクライマックスに入る。

これからの未来に続く物語が語られて流れるは「黒のバースデイ」、なるほどこれはこのライブを通じて語られてきた物語の締め括りにピッタリの曲だ。朗読パートの直後故により強く感じるものでもあった、それからの最後の曲こそ最新の"Angles"。きっとどこかで演奏されるだろうと思っていたがこの箇所となった。来年のアニメ放映に向けてどのような展開があるのだろう…曲のアウトロに合わせて紗幕が降りていきライブは終了となった。
最後に紗幕に映し出される形で1stシングル、5ヶ月連続の新曲デジタルリリース、そして東名2公演の2ndライブの告知が行われ、会場が明るくなった。

まだ夢の中にいるような、そんな心地。徹底的に「世界」を魅せることにこだわったライブは何かこれまでとはまた異なる面白い世界を楽しませてくれる…そんな期待への誘いのようだった。

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