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家庭用電子レンジにやってきた御一行

こんにちは。季節はすっかり秋になって、澄んだ空気と青い空が気持ちのいい日が続いています。
私は田舎に住んでいるので、田舎あるあるで虫や野生動物が身近に出てくることは日常の出来事です。前回のお話のように、ムカデもハチももう慣れっこになりました。もう少し前には野鳥が家の隙間に巣を作り、ヒナの巣立ちを見守ったりと、なかなか賑やかな所に住んでいます。

これは爽やかなある秋の日の事でした。
小学生の娘と台所で料理をしていた所、突然娘が「きゃーーー!」と叫ぶじゃないですか。
急にそんな大きな声出してどうしたのさ、と振り返った私も「ぎゃーーー!!」と叫んでしまいました。もちろんアリは見慣れていますけど、家の中の行列というのはちょっと出会いたくないものです。

オーブンを動かし始めたら、卵を抱えたアリが大慌てでレンジの電子表示板に避難してきました。

なんと、アリが我が家の電子オーブンレンジの内部で暮らしていたようです。
あの行列を見つけた日、目についたアリさん達は全て申し訳ないと思いつつ殺虫スプレーで対処させていただきました。でもよく考えたら、先発隊は既にレンジの中をすみかに決めて入り込んでいたという事だったようです。

大体に秋という季節は、ハチもアリもそうですが、巣の中で育った新しい女王が巣を引き継いでそのままそこで暮らすか、外へ出て行って新しく巣を作るか選択すると聞いたことがあります。もしかしたらこの時のアリ達も新女王アリとそのお世話係の御一行だったのかもしれません。私がやっつけたのは後発部隊で、先発隊と女王アリはすでにレンジの中を新しいすみかに決めて入り込んでいたということになります。

行列を見た日から数日後、オーブンとして使うためレンジを高温で動かしました。そうしたら文字盤のところにアリが一匹、二匹とワタワタ卵を抱えてやってくるじゃないですか…。娘と一緒に再び「ぎゃーーー!」と言いましたが、本当にぎゃー!と言いたいのはアリの方だったんでしょうね。
まさか、レンジの中で落ち着いて住み始め、さらには卵まで産んでいるなんて。
レンジの電子表示の中で一生懸命卵を抱えて右往左往する何匹ものアリ達の様子はあまりにも衝撃的で、その時は画像を撮ってやろうとか、そんな考えは全く浮かびませんでした。今考えたら滅多にない事だし、写真撮っておけば良かったなあ。

あと、感心したのはオーブンレンジの安全性です。
230°の高温で数十分調理をしても、デジタル表示盤や操作パネルは熱くなりません。これって普段は当たり前すぎて見落としてますが案外すごい事なんだなと実感しました。何も考えずにレンジやオーブン機能を使っていたけど、「ここだけは絶対に熱くならない」ってすごい。何気なく使っているものでも、危険がないよう細部まで考えられて設計されていることを改めて感じました。

その後何度かオーブン機能を使いましたが、デジタル表示の空間に逃げてきたアリ達は私の気持ちなんて全く関係なく、その安全な空間で快適に過ごしているようでした。

数日後速攻でレンジを買い替えたのは言うまでもありません。

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