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仕掛け学✖️消しカスを勇者の剣に😁

こんにちは!
まだまだ週一投稿頑張ります!!

今回は最近読んだ「仕掛け学」という本と、教育現場で使えそうな仕掛けのアイディアについて書いてみます。
「仕掛け学」ってこんな本です。


表紙には、ゴミ箱にバスケットゴールをつけて、ゴミ箱にゴミを捨てさせる仕掛けが描かれています。
もうこの段階で面白そうでしょ!😂
即購入、即読み切りました。

いやぁー面白かった!!🤩
自分も仕掛けを作ってみたい!!って思わされます。
私たちの身の回りには、たくさんの小さな仕掛けがあります。中には言われてみないと気づかないようなことも。
そうした仕掛けを、学問として体系的に捉えてみよう、というのがこの本の趣旨です。

簡単に仕掛けについてまとめます。
仕掛けとは、「つい行動してしまうきっかけになるもの」です。
仕掛けには3つの満たすべき要件があります。

1つめは公平性です。
仕掛けによって誰も不利益を被らないことが大切です。
仕掛けは、自分の目的と相手の目的を同時に満たすものなので、相手が仕掛けられたことに気づいたときに、嫌な気持ちにならないことが大切です。

2つめは誘引性です。
ついしたくなる性質を備えている、という意味です。
これがないとそもそも誰も行動してくれませんね。

3つめは目的の二重性です。
仕掛ける側と仕掛けられる側では目的が異なる、ということです。
与えられた問題を、別の問題にすり替えることで、解きやすくします。

例として挙がっていたのが、「マジックハンドを使ったティッシュ配り」です。
なにそれ!ってなりますよね笑
マジックハンドで遊んだことはありますか?

ぱっと私がイメージしたのはこんなものです。
小さい頃に触ったことがある、ぐらいではないでしょうか?🧐

ティッシュ配りはよく目にしますよね。
私は花粉症なのですぐ受け取りに行きます(ありがてぇ)が、無視する人も多いと思います。
はいはい、宣伝でしょって。
もういいって、断るのも無視するのも心が痛いし、かといって要らないし。。
目があったら声をかけられるから俯くことになるし。。

想像してみてください。
ここで、ティッシュを配る人が、手渡しではなくマジックハンドで掴んだティッシュをこちらへ差し伸べてきていたら、、

なんじゃそりゃー!!!変すぎるけど面白そう!!ちょっと受け取ってみよう!!
ってなりませんか?笑
この、つい受け取ってみたくなる、というのが仕掛けです。
仕掛ける側は、広告のためにティッシュを受け取ってほしい。
仕掛けられる側は、マジックハンドで配っているのが気になるから受け取ってみたい。
どちらも嫌な気持ちにならずに、そしてあまりお金をかけることもなく目的が達成される。
たった少しの工夫でこれだけの効果があるのなら、やらない手はないですよね!

もう一つ気になったのは、ポイ捨て禁止の看板です。
これも、ポイ捨てが多い地域で捨てるのをやめさせるための仕掛けです。

大きくポイ捨て禁止と書かれた看板が建てられれば、その周辺のゴミは減ると思いますよね?
完全には無くならないとしても、減りはすると思いますよね?
これがびっくり、なんと看板の周りがゴミだらけになってしまったようです。
実際に、ゴミが盛り盛りしている写真が紹介されていました。

そもそもゴミをポイ捨てする人は、ルールを守らない人です。
簡単に言えば、頭のおかしい人です。
その頭のおかしい人に対して、正常な人の理屈は通用しません。
看板を建てればゴミが減る、と考えるのはまともな理屈ですが、ポイ捨てをする人からすると、
「あ、この辺はポイ捨てが多い場所なんだな!じゃあここに捨てるならいいだろう!」
という理屈でどんどん捨てていくのでしょう。
一方で、それまでは辺り一面にゴミが散乱していたのが、看板の近くに集まって捨てられるようになったため、掃除の手間は少し減りました。

ここが面白すぎるポイントです。
目的があって、それに向けて仮説を立てて仕掛けを作りますが、結果が仮説とは全く違うものが出るんです。
仮説と結果が異なることはよくありますが、ここまで乖離しているのも珍しくないですか?
その結果自体も面白いですし、結果からまた仮説ができるのも大興奮です。
これを学校、なにより教室に持ち込めばきっと面白いことができる!
小学生なら仕掛けによって良い行動を習慣化させることができるんじゃないか!
仕掛けがある教室は、子どもたちにとっていいものになるぞ!
そう確信した瞬間です。


私が思いついた仕掛けを一つ書いてみようと思います。
名付けて、「勇者よ、消しカスを持て大作戦!!」
我ながらセンスがボンバーですね💥

この作戦の目的は、子どもが消しカスを捨てるようになり、きれいな状態を気持ちいいと思えるようになることです。
順番に説明します。

消しカスは子どもたちが最も簡単に出せて、登場回数も多いゴミです。
そして暇な小学生の遊び道具にもなるスーパーアイテムです。
(私もよく練り消しを作っていました。
クラスに1人は、練度の違う本物の練り消しを作り出せるプロフェッショナルがいたものです。)
そして飽きたら机からサッサっと払います。
床にはゴミが溜まります。
これが良くないと思うんです。たかが消しカスと思ってしまうと、大きな問題に発展しかねません。


ゴミが落ちている教室は、さらにゴミが増えます。
「壊れた窓の理論」(Broken Window Theory)が有名ですよね。
この理論は、犯罪学や都市計画の分野でよく引用されるもので、環境の乱れが更なる犯罪や不調を引き起こすという考え方を示しています。
具体的には、たとえばある建物の窓が割れていて、それが修理されないまま放置されている場合、その状態は人々にその地域が無秩序であるという印象を与えます。
すると、人々はその地域での犯罪やルール違反が許されるかのように感じ、結果としてさらに窓が割れたり、ゴミが捨てられたりといった行為が起こりやすくなるとされています。
消しカスが捨てられている→ゴミを床に捨ててもいい環境なんだ→そんな環境ならこれもいいよね、、、という塩梅でエスカレートすることが予想されます。

逆に、小さな問題をすぐに対処し、環境をきちんと整えることで、より大きな問題を未然に防ぐ効果が期待できるというわけです。
今回でいえば、教室において消しカスをゴミ箱に捨てさせることで、大きな問題を防げるかもしれないんです。

ではどうやって子どもたちにゴミ箱まで消しカスを運ばせるか。
ゴミはゴミ箱に捨てましょう、と言うことは正論ではありますが、子どもたちに対しては少々筋が悪い手だと思います。
こんなときこそ仕掛け!!!

まず、消しカス専用の小さなゴミ箱(はじめは桶のようなもの)を用意します。
その箱の底に、モンスターの絵を貼ります。
子どもたちは勇者です。モンスターを倒してもらいます。
倒し方は、消しカスをその箱に入れていき、モンスターが描かれた絵が、消しカスで見えなくなるようにすることです。
倒せた場合は、消しカスを入れる箱を少し大きくし、モンスターの絵もちょっとだけ悪そうに、強そうにします。ボスのレベルを上げていくイメージです。
絵は画像生成AIでサクッと作れます。
以下は私がレベル1のモンスターとして、AIで作ってみたものです。

かわいいでしょ?😂
たったこれだけです。
特にお金もかかりません。

この仕掛けによって、これまではただのゴミだった消しカスが、勇者の武器としての価値を獲得します。
小学校なら、何人かの勇者がモンスターを倒したいと思ってくれるはずです。
勇者は近くの勇者に声をかけ始め、武器である消しカスをモンスターにかけるように扇動し始めます。
何人かの勇者は、モンスターに武器をかけるついでに、紙などのゴミを捨てようと考えます。
気づけば教室中のゴミが減り、大きな問題が起きにくい環境を作ることができます。

さらに、きれいな教室は気持ちがいい、ということを子どもたちが理解すれば、掃除でやいやい言う必要はなくなりますし、家に帰ってから自分のいる環境も整え始めると思います。

どうでしょうか、なかなかいい案じゃないですか?笑
私は4月から小学校教員になるので、ぜひ試してみたいです。
まだ単なる青写真ではありますが、現状の仮説が以上のとおりです。
この仮説が正しければ嬉しいですし、想像を超える結果が訪れるのも楽しみです。
もしこういうリスクがあるんじゃないか!ってのがあればお聞かせください😁

次回は、子どもが本を読みたくなる仕掛け、について考えてみようと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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