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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep 69〜

第八章 イエメン編
三十路センチメンタルジャーニー
ep69 シャンプーは一本5000円

 明日からイエメン周遊に出るために、まずは最初の目的地であるボデイダ行きのバスチケットを探しにいく。行った先はバーバルマヤンという場所にあるバスチケットオフィスだ。だがたどり着いたチケットオフィスではまだ何も言葉を発していないのに、僕らの顔を見た途端、すぐに「フル(満席)」と言われてしまった。

 どうやら犠牲祭関係のために実家に帰省する人が多いようだ。うーん参ったと思いながらも、仕方がないので乗り合いタクシーの場所を確認して、明日はギュウギュウ詰めになるであろう乗り合いタクシーで行くことにした。

 その後、男前R氏と相談の上、サナアで一番デカいと言われているスーパーに買出しに行くことにした。理由は年末、年始(こっちは特に関係ないが)特に犠牲祭に備えて、レストランそれから商店も閉まってしまう可能性があることを見越してのことだ。

 宿泊しているホテルからおよそ5分ほどのところにある噂のデカいスーパーはまるで別天地で、ここがイエメンであることを完全に忘れさせた。なぜなら、品揃えがとにかく充実していて世界中の食品などが売られていた。マジか、イエメンにこんなところあるのかと感心したが、このスーパーは大使館関係の人や、一部の超がつくほどの富裕層、そして数は少ないが各国の企業の駐在員向けとのことだった。

 驚愕したのはここではオロナミンCやポカリスエットまで売られていた。徳島県の大企業である大塚製薬はここまで触手を伸ばしていたことに感銘を受けながらも、明日からの買い出しをスタートさせる。カートの中に放り込んでいったのは、まずは一個17セントのおそらく東南アジア製のインスタントラーメン20個に、カルフォルニア米2キロ。その他調味料なんかもちょこちょこ買ってとりあえずスーパーを出る。それから街角露天電気屋さん街に行き、とっても懐かしい電気コイルで作ってある電熱線コンロ、それからアルミ製の鍋2つを五百円程度で購入。アラブ慣れしてきての値切り倒し価格である。

 宿に戻るとここまで一緒だったT氏とお別れの挨拶。彼の年齢は40歳でこれまではずっと日本周遊一人旅に費やしてきたらしい。主に車で車中泊を繰り返して日本全国を旅していた。そんな彼は、去年から人生初めての海外旅行に出た。そして一瞬でその虜になったと言っていた。本当に誰にでも心優しくとってもピュアで素敵なミドルエイジだ。

 そんな誰にでも愛されるような素敵なおじ様T氏とは、はじめはエジプトのダハブで同じ宿になり、その後カイロで再開、イエメンサナアで一緒に旅をした。当初彼はカイロの後モロッコに行く予定だったが、男前R氏と共に僕らは言葉巧みに彼をイエメン旅行に引きずり込んでしまった。でも最後には「イエメンなんて本当に普通は一生で来ることは無いところだから、引っ張り込まれて良かったよ、ありがとう」とお礼まで言われてしまった。

 最後まで素敵すぎる言葉を残した彼に別れを告げ、空港行きのバスターミナルまでR氏とお見送りをした。最近とっても多い抜け毛を気にして、旅行用のシャンプーもリーブ21で買った一本5000円の物。そんな彼を心から敬愛しながら宿に戻った僕たちはリーブ21のCMソングを子守唄に眠りについた。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)



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