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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep 73〜

第八章 イエメン編
三十路センチメンタルジャーニー
ep73 イエメンの大晦日でおっさん二人はその生態を遺憾無く晒す・・・

  イエメンの田舎で大晦日を迎える。街にはイベントなどは何もなし、TVも日本の特番のようなものは何もなし、もちろんお酒もなし、そして自分達の予定も何もない。仕方がないので自分達も日本の大晦日のように、それにさらに輪をかけてのんびりすることにした。まずは、たっぷり睡眠。そして安くてとっても清潔、冷蔵庫までついた心地のよいホテルでたっぷりくつろぐ。こんなに何も無いのはイエメンがイスラーム歴にそって活動しているから何も無いのか、はたまたここがすんごい田舎だから何も無いのかは全く不明であった。

 特番のようなものも無いTVではおそらくイタリアの作ったアラビアンナイトの映画が流れている。実際に中東で一番アラビアンナイトの世界に近いと言われているサナアで、これは無いわと思いながら鑑賞するハリウッド版千夜一夜物語は冗談にしかならない。夜飯には手早く簡単、そしてなんだかちょっぴりパーティー感がでるパエリヤもどきを作って食す。

 アラビアンナイトがクライマックスを迎えた後には、アルジャジーラ放送が始まった。TVではタイ、シドニー、東京等各地の年明けの映像がほんの数十秒ずつ流れている。そしてなぜだか、その後にはたっぷりと時間を割き、イラクの独裁者であったフセインの絞首刑の映像が繰り返し繰り流されている。フセインの後にTVが流しはじめたのはブルガリア、ルーマニアのEU入りの話題で大晦日な感じは一切ない。

 でもぼんやりと眺めているTVの向こう側で世界がどんどん変わっていく。こうして僕たちがイエメンの片田舎でのんびりパエリアもどきを食べている間にも、世の中は変化し続ける。そして、ぼんやりと考える。「僕は一生で何を成し遂げることができるのか、またはそんなものはただの幻想に過ぎないのか」「フセインは絞首刑の時、彼の人生でやりきったことを考えたのだろうか」なんて取り止めも無い考えがうっすらと脳内を流れる。

 そして、ぼんやりした状態でぼんやりとTVを眺めていると時計は針は午前0時を指していた。男前R氏とコーラで新年を祝う。「乾杯!おめでとう!ハッピーニューイヤー!!」みたいなノリは全くの皆無で、二人お互いにボソッと「2007年はきな臭い世界になりませんように」・・・と呟いていた。

 なんておっさん二人でセンチメンタルな気分で迎えた年明け。そんな時、TV画面が切り替わった。切り替わったTVはフランスの番組を流し始めていた。これぞ新年というような、なんだが騒がしい音楽が聞こえてくる。そうかつて運動会といえばこの曲だった。

 画面を見ると、なんと、ものすごい数の女性がトップレスで踊っているではないですか!さっきまでのおセンチな感情なんてどこへ吹っ飛んで行ったのか、一瞬にしておじさん二人は壮大な数のおっぱいが並んでいるTVに釘付けになっていた。そしてお互いに「ハッピーニューイヤー!!」の掛け声。うん、これぞ新年。

 そう、おっさんなんて所詮そんな生き物なのである。「フレンチカンカン」よ永遠に・・・Vive la France٩( ᐛ )و、

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)



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