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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep59〜

第七章 エジプト編
三十路センチメンタルジャーニー
ep59 旅の嗅覚

 朝8時30分のカイロ行きのバスに乗る。ここから約9時間のバス移動だ。エジプトってマーでかい。しかし大変だったのはここからで途中合計4回の検問、パスポートチェック3回、荷物検査1回の火薬犬までお出ましだ。

 ここ最近(2006年当時)連続して起こっているダハブの爆破テロとルクソールの乱射事件。こうした観光地を狙ったテロにエジプト政府は相当躍起になっているようだ。それも当然、エジプトは観光立国であり、古代エジプトの遺跡群、特にピラミッド群はドル箱中のドル箱。そんな大量の外貨を落としてくれる観光客を狙ったテロ事件が頻発したら、エジプトは財政的に大打撃となる。

 約10時間のバス移動を終え、カイロに到着。約5年ぶりのカイロになる。以前は一年ほど住んでいたマルタ島から飛行機でカイロに直行だったのでカイロ空港からのスタートだったが、今回は初めてのバスステーション。しかも今回は地図もガイドブックもない。

 まあ、なんとかなるだろうと5年前の記憶をあてに歩き始めた。翌日知ることになったのだが、今現在はわからないが、当時の到着したバスステーションはカイロの中心部からかなり遠くにあった。これも着いてから知ったのだが、通常であれば乗合タクシーを使わなければならないらしい。当然この時点でそんなことはまったく知らない。まさに「インシャ・アッラー」神のみぞ知るである。

 人に道を聞きながら(センターと叫んだだけ)人の指差す方向にひたすら歩いていく。そしてまた、人に道を聞きながら(センターと叫んだだけ)人の指差す方向にひたすら歩いていく。しかし、あるく事1時間・・・うーーーーん、着かない。だんだん辺りも薄暗くなり、ついには真っ暗に。そんな不安に駆られ始めた頃、5メーター先では親父同士が殴り合いをしている。

 間髪入れずに僕は「タクシー!!」大きな声で叫んでいた。殴り合ってる親父どもを横目に見ながらタクシーに乗ってとりあえず考古学博物館の前まで送ってもらう。この場所は見覚えがあるはずだし、着いたらなんとなく5年前にお世話になったホテルもわかるんじゃないかと期待した。考古学博物館前に着き、タクシーから降り、周りを見渡してみる。僕のノミのような脳ミソの記憶は考古学博物館すらうまく認識していない。うん、やっぱり思い出せない。

 旅行者の姿も見えない。おーこりゃ参ったなーなんてのほほんと考えていたら、たまたま英語が達者なエジプシャンが話しかけて来た。世界三大観光地で世界三大うざい国という名誉を拝している国インド、モロッコ、エジプトとTOP3に出てくる国なので、申し訳ないが最初は鬼のように警戒した。しかし、大変申し訳ないことに、そのおじさまはただの気のいいミドルガイであった。本当にありがとう、そしてごめんなさい。

 こうしたナイスミドルに出くわすことができて、僕は自分の記憶を辿りながらナイスミドルに「安宿街と近くにメトロの駅とアスワン行きの電車が出てる駅がある場所はどこっすか?」と尋ねてみた。そして、その超曖昧な質問に的確に答えてくれた。ナイスミドルにお礼を言って、5年前の記憶を朧げながら確かめつつ歩き出す。そして数分歩いたところで教えてもらった場所に近づいたとたん、僕の老練な当てにならない旅の嗅覚が動き出した。そんな嗅覚に従い道を数本曲がっていくと・・・着いた・・・スルタンホテル・・・このホテルは5年前に泊まっていたホテルの2階下にあるホテルだ。人の記憶って馬鹿にならんなと自分を褒めまくった夜だった。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)

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