茶碗蒸し食べすぎたヘルプの人の話

これは友人の話である。
友人は、結婚式場で働いていた。
だが、彼は現場ではなく、総務部勤務だった。だから、通常は結婚式には携わらない。
式場のある会館とは別の場所のオフィスに勤務していたからね。

結婚式にはシーズンがある。やはりJune brideには根強く憧れがあるみたいで、その時期の土日祝日は、すぐ満員になる。
1部屋の会場では、通常は2回転、11:00からと15:00からとか。
繁忙期には1会場で3回転が普通だった。

その時期には当然手が足りない。
アルバイトも普段より多く雇っているが、まだでは足りない。
だから、一般の事務部門にもヘルプ依頼が来るのである。
通常は、タキシードを着て、サービスをする。タキシードは会社の貸衣装であるから、汚しても心配ない。

披露宴が終わってから、次の披露宴の準備をする必要がある。この時披露宴の会場を片付けるのをどんでんと言う。
舞台のどんでん、どんでん返しと同じ使い方である。
蕎麦や天ぷらの汁とかの汁物は、バケツで1席毎集める。それぞれの食器を形に合わせて回収する人もいる。
また食べ残した食品は、違うバケツの人が集めるのだ。
どんでんには、人手が要る。だから厨房の調理人たちもこの時は手が空いてるから、ヘルプとなる。

余った食品で、結構多いのが、茶碗蒸しである。ちゃんとした式場のだから、プラスティック容器のコンビニで売ってるようなのとは違う。ちゃんとした陶器の容器で、ちゃんと調理人がその日に作って蒸してある物だ。
みんな刺身とかは食べるし、鯛とか天ぷらは残ったら持ち帰りする。
だが茶碗蒸しは、容器は持っていけないから、持っていけば窃盗だもんね、残して行く。
通常は、茶碗蒸しの中身だけバケツに捨てて、容器は別の人が回収する。
でも彼は茶碗蒸し食べたいと思い、支配人に食べていいか許可を求めたw
どんでんは勿論支配人もやってるから。総務部勤務の彼は、支配人とも軽口叩ける仲だったし。
許可を得た彼は、中身の入った茶碗蒸しを20何個か回収したのである。
そして、それを食べ始めたw
周りは面白がって見ている。結婚式場のスタッフがそれをしてたら、多分誰かに文句言われただろう。だがヘルプに来てくれた人だから、文句は言われない。それに支配人が面白がってたから、容認して乗っかって笑っていたのだ。
彼はなんと18個茶碗蒸しを食べたのだった。
そして、ちゃんと夕方からの披露宴でもサービスマンを務めたのである。

だが、勿論彼はお腹を壊したw
夜激痛と戦いながら、トイレに篭る羽目ななったそうだ。本人談w
翌日もお腹が痛く、日曜日ヘルプ出勤した代休を使い、仕事を休んだのである。
そして出勤して来てから、何故昨日休んだかを武勇伝として話していたw
彼は総務課長とは毎日ランチに一緒に行く仲良しだったから、総務課長も馬鹿だなと言いながら笑っていた。課長が怒らないから、周りも笑って馬鹿だなとやじっていたよ。
仲がイマイチの係長だけが、苦虫を噛み潰していたらしい。総務の女の子談w

ちなみに彼の茶碗蒸し漁りは、これで終わったらしい。
それ以降は、食べても2,3個と言う普通のレベルに抑えたそうだ。本人談。

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