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【後編】臆病な猫と南フランスへ20時間の地獄のフライトを経験した話

愛猫を守れるのは飼い主の私だけ!
私が泣きそうな面をしてどうする・・・!
しっかりしろ!!

そう自分を奮い立たせ(実際に自分の顔を平手打ちした)
エールフランスの飛行機から出る。

すると、日本人?らしいおばさまが
「あなた日本人!?ねえ、分からない・・・ブラジルに行くんだけど○ヹ×△☆♭●♯⒥▲★※・・・」

なんだかカタコトの日本語で、何を言ってるのかさっぱり分からない。
方言なのか、それとも日本人ではないような気もする。
雰囲気もなんだか胡散臭い感じが。。。(ごめんなさい)

私「あの・・・日本の方ですか?」
おばさん「・・・うん。日本人だよ。」

変な間があったから、おそらく日本人ではないのだろう。
そして、私もトランジット時間が1時間と少ないから早く猫と手荷物検査に向かいたく、あまり心に余裕はなかった。

でも、おばさんは英語も話せないそうで無下にはできない。。。

(もおおおお、、、仕方ないなぁ。。。)

一緒に空港の立ってるお姉さんに聞きに行った。
ぶっきらぼうに突っ立っていたが、
「ちょっと調べるわ!」と意外と優しくて
最後もニカっと笑ってくれて、なんだか緊張がほぐれた。

おばさんと途中まで歩いたが、トランジットの方向が違うので
私「チケット見せたら大丈夫だから!頑張って!じゃあね!」
おばさん「ありがとね!助かったよ!!」

とここでバイバイ。色んな焦りで思わずタメ口になっていた私。

そしてやっと手荷物検査に到着。

ここでも事件。
男性検査官「あ、猫がいるね。はーい、猫を出して」
私「はーい、出しまーす」

でも、暴れてしまい、猫はバッグに戻ってしまった。
男性検査官「あらら、怖がってるね!じゃあ、このままX線にバッグごと猫を通します」
私「え!?それって大丈夫なの!?危ないって聞いたんだけど!?」
男性検査官「何言ってる!猫は怖がってるだろ!可哀想だろ!このまま通すぞ」
私「ええええ?!ほんとに?大丈夫なの???」
別の女性検査官「大丈夫ですよ、毎日たくさんのペットをこのままX線に通してます」
私「ううううう、、、ええええ、、、」

そのまま愛猫はX線に通されてしまった。
まあ、猫にとってはこっちの方が良かったのかな。。。

無事に終わったと思えば、検査した別の男性はなぜか猫のチップが引っ掛かったみたい。ゴニョゴニョ2人で揉めてる。

男性検査官「もう一度猫を見せて」
私「なんで・・・?!なんで?!」
でかい声を出して威嚇する私。
女性検査官「いいよいいよ、行って!」

と逃がしてくれた。。はああ、怖かった。。。

私も緊張で喉がカラカラ。
猫にも水をまた飲ませなきゃ・・・

自動販売機が目に入る。ちょっと買ってみよう。
クレジットで支払ったはずが、全然商品が出てこない。

おかしいな・・・。もう一度トライ。
ちゃんと支払ったのに、また出てこない。。。

なんでええええ!?

近くにいた空港の人と思われる男性に勢いで質問してみた。
と、よく見ると一般の人で急いでる人だった。笑

男性「え?僕、急いでるんだけど。。早くしてね」
私「ごめんなさい。自動販売機のやり方だけ教えてください」

と、一緒に自動販売機でもう一度トライ。
結果、、出てこなかった。

男性「下に売店があるから、そこで買いなよ」
私「えええ、そうなんだ。どうもありがとう。」

と、そそくさと走っていく男性。
(ちなみに、この人と同じ飛行機だった。笑)

でも、売店で買ってる時間がないし、機内で水は貰うことにした。

トゥールーズ空港行きの搭乗口にいくと
まさかの長蛇の列が・・・。

(え!?夜11時のフライトも、こんなに多いの!?)
と、ショックを隠せない。。

とりあえず椅子に座って、ボケーっとその長蛇の列を眺める。

そして隣に座っている強面の男性に話しかけてみる。(海外だと、なぜか自然と他人に話しかけることができる、なんでだろ・・・)

私「すみません、これってトゥールーズ空港行きの列ですよね?」
強面の男性「うん!そうだよ!何か不具合があったみたいで×△☆♭●♯⒥▲★※・・・・大丈夫、合ってるよ!!(ニカっとGOODのサイン)

あまりにも眩しい笑顔を急に向けられたので、思わずへへっと笑ってすぐに目を逸らしてしまった、、

猫を持って搭乗すると、さっきのエールフランスの男性CAと違い
おばさまCAは、とても優しかった。

おばさまCA「ボンジュール、マダム。どうかされましたか」
私「猫がいるんですけど、2つ空いてる席があれば嬉しいのですが」
おばさまCA「ごめんなさい。満席なので、それはできないわ。一緒に席まで行きましょう」

(ちなみに私はフランス語は一切話せず、英語しか話してません)

席に行くと、男性2人がすでに座ってる。私は窓側。

私を見るやいなや、すぐに立ってくれた紳士2人。
2人ともニコニコして優しかった。これが紳士大国:フランスか。。

席に着いて隣の男性にお礼を言う。
この隣の男性に、この後救われることになる。

機内からのシャルル・ド・ゴール空港

トゥールーズ空港まで1時間弱のフライト。

(まあ、すぐに着くでしょう。やっとフライトが終わるぅうう・・・)
と若干安堵の最初は表情だったのだが、一向に離陸しない。。。
フランス語で何かCAがアナウンスをしている。

猫も足元で「にゃーにゃー」と不安げに鳴き始める。。

機内の猫の様子

隣の紳士に聞いてみた。
私「すみません、、何で飛行機は出発しないんですか?」
紳士「飛行機にトラブルがあったみたいだ。だから、ちょっと移動して、、もしかしたら他の飛行機に移動するかもしれない。今は修理しているみたいだけど、どのくらいかかるか分からないよ。。」

ぎょええええ。。。
もう疲労困憊の私たちに最後の試練。。

その後、紳士と少し雑談をした。
私と猫は東京からすでに長時間のフライトを頑張って、非常に疲れていること。紳士は仕事の出張でパリに来ていて、今からお家のあるトゥールーズに帰ること。しかも明日も朝から仕事とのこと。モンペリエ出身だけど、あまりモンペリエは好きではないとのこと。

猫が心配になって、CAに水をもらうことにした。
男性CAがものすごいスマイルで水をくれた。
水を猫にあげている間、隣で紳士も黙って猫を眺めていた。笑

飛行機に乗って、約2時間遅れで
ようやく修理が終わったとのこと。

周りのフランス人から拍手と歓声。
はああああ、、、良かった。

離陸してまもなく、私は疲労がピークにきて
眠ってしまった。たった30分だけだったけど、ちょっとスッキリした。

トゥールーズ空港に無事到着。
紳士にお礼を言う。

荷物を持った紳士は「また荷物のとこで会おう!」とニコリ。
なんていい人なんだろう。。。
本当に隣が英語ペラペラの紳士で良かった、、、

荷物のとこに行くと、紳士の顔が分からなくなる。笑
どの人だったっけ。。。

でも、こっちをみてる男性がいたから
「あ!この人だ!!!」と紳士の元へ駆け寄る。

紳士は丁度スーツケースが出てきて
私に話しかける。
紳士「僕はもうこれで行くけど、あとは1人で大丈夫そう?」
私「もちろん、本当に色々とありがとう。」
紳士「素敵なフランス滞在を!じゃあね、バイバイ!」

心がほっこりしたとこで、私の荷物も無事に運ばれてきた。

ゲートを出ると、彼が心配そうな顔で待っていた。
すぐに彼は猫に駆け寄る。笑
私は彼をみたら、きっと泣くかなと思ったけど、もう紳士のおかげで
緊張はほぐれていた。ありがとう、紳士・・・。

そんなこんなで無事に午前3時にお家に到着。
猫は意外とキョロキョロとお家を探検して、大丈夫そう。
はあああああ、良かった。。。

私はアドレナリンが大量に出ていたので、眠くなかった。

すぐに探検する愛猫

約24時間の移動を頑張ってくれた愛猫に
感謝。。。本当によく頑張ったね。泣

これからは、南フランスでの生活などをお届けしていこうと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪


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