1/21

1/21.ircle presents humanism。本当に素晴らしいイベントだった。どうしても今この気持ちのまま書き記したいのでここに。

まず始めに俺はCRYAMYと時速36kmが大好きである。元々このイベントに行こうと決めたのもこの2バンドが出る事とその上で友達が勧めてくれたからな訳で。本当は卒研がある関係でやめておこうなどと考えていたけれど、行かなかったらと思うと恐ろしい位、背中を押してくれた友達には感謝しかない。
あえて簡潔にまとめるが、この2バンドは「大好きなバンド」だ。1/21も自分の心に光を放ち、衝撃と愛と優しさをくれた月と太陽、当然この日も素晴らしいライブを見せてくれた。この2バンドはとてつもない衝撃的な愛をいつも自分にくれる。

しかしここで俺が記したいのはこの2バンドについてでは無い、他でもない主催のircleについてだ、というかもはやircleの中でもほぼほぼラストの曲についてだが。

まずは本編ラストの「本当の事」。この曲の前には出演した各バンドに向けた呼びかけのようなMCがあった。愛がこもってた。夢中で聞き入ってしまい逆に詳細には覚えていないのだが、必ず最後にバンドの名前を叫んだそのMCはその場にいた人間全ての動きを止めた。自分の心臓の音と河内さんの声しか響かないようなそんな空間、最後の曲をやるのにこんな舞台を作れる人間がいるのかと思った。
それから始まった本当の事。この曲にはものすごく好きな歌詞がある。

「愛してるなんて 言われる程
自分はそれ程までの人間じゃありませんなんて
心から思ってしまうなんて
そんなのなんかちょっと生きてる気がしないよな」

卑屈で自信がなく、周りを心から凄いと思う反面羨み、自己嫌悪に陥る事が多々ある自分にとっては目を覚まされるような歌詞。人が褒めてくれる事に対して全て否定的で居なくてもいいんじゃないか、そういう自分が自分自身で見えないなら見えるまで真っ直ぐ生きよう、と思えた。1曲でこんなにひっくり返された事って無い。すげえ事だよなほんとに、1曲でこの先の思考が前向きに変えられるんだよ。

そんな曲に夢中で聴き入り、終わった後にアンコールを待った。この時俺の頭の中には2曲浮かんでいた。これが聴ければ悔いが無い、いや聴けなかったとしてももう最早最高を越えたライブをしていたのだけど。ただそれでも聴きたかった。それがこのアンコールでまさかの2曲ともやる事になる「ばいばい」と「アンドロメダの涙」だ。
少し長いMC、「他のバンドが優秀で巻き気味だから長く話そうと思って…」そんなMCが終わった後に静寂が訪れ、第1音、第1声が鳴り響く、それは紛れもなく俺が欲していた「ばいばい」だった。

ここで話は少し前に遡る。俺は高2で友達を亡くした。バイクの事故、突然のことだった。
2019年11月、文化祭を終えて、カラオケと自分の家で打ち上げをした俺と友達はこんな楽しいことがあって良いのかと思う程に高揚感に包まれ、眠りについた。友達はその翌日に事故って死んだ。
現実は無常で受け入れ難い、本当に辛かったし何よりこれから隣の席に友達が居ない事が受け入れられず、1人でいる事もままならず、どうすれば良いのか分からなかったのを覚えている。その傷は別に今でも癒えないし、よく思い出す悲しい事の1つ。
それから2年が経っても未だに心の中で受け入れられずに踠く様な日々が続き、自分自身の事も重なって本当に精神的に参ってしまった時があった。

そんな時にFFの方が教えてくれたのがこの曲、「ばいばい」だった。その時のことは本当によく覚えてる。今でも忘れられない。
この曲はircleのボーカルである河内さんが親友である新世界リチウムの千葉さんを亡くした時に書いた曲だ。この曲を自分の思いと重なる、と言って勧めてくれた人が居た。
まず自分はそういう人がいるという存在が嬉しかった。自分の中のこびり付いて取れない痛みを晒しても助けてくれる人が居る、そしてそれは1人じゃないって事を思い知らせてくれた。
そして曲自体も、正直で誠実で泥臭く親友との事を歌う曲で、心を掴んだ。この曲の最後は「幸せな夢の中でありますように 幸せでありますように」と締められる。俺はそんな風に生きられるのだろうか、その友達は生きてたらどうだっただろうか、そんな事を考えた。

そうしてこの曲は自分の中で本当に大切な曲になった。ただ良い曲なだけじゃない、俺の人生において分岐点となった曲とすら思う。自分を本当に分かってくれる人、逆に俺が分かりたいと思う人は目に見える範囲にだけ居るとは限らない事、人生における目標のような答えのようなもの、色々と気付かされ、一種の自信が生まれた瞬間だった。

だからどうしても聴きたかった。会場にその教えてくれたあの人もいる。あの日から時間が経って本当に仲良くなれた親友も沢山いる、自分にとって本当に大切な人もいる。そんな中で聴きたかった。そして、聴けた。
歌い出した瞬間、隣にいた友達と肩を組み、奢ってくれたビールを掲げ、乾杯して、飛び跳ねて、後から他の友達が教えてくれるくらい異様だったかもしれない。ただそれでも伝えきれないくらい本当に本当に嬉しかった、涙目で見えなくなってた。

そうして最後は「アンドロメダの涙」
この曲は思い入れどうこうという訳では無いが単純に物凄く大好きな曲。
もう少し話そうかと思ったのだけど、この先が思った以上に長くなりそうなので少し割愛。ただ、ほんとにこれ以上の終わり方は無いくらいの抜け目ない、ircleのライブを締めくくった曲だった。


ばいばいを聴いている時色んな人の事を考えたけどやっぱり今大事な人達の事を考えた。

この曲を教えてくれて、誰と話しても貴方はすごいってなるような俺も俺以外の人も沢山救ってくれたあなた。
偶然地方のライブで初対面して、仲良くなれて、今回ライブに行こうと誘ってくれて、沢山感情を共有出来たあなた。
ビールを奢ってくれて、あの最高の瞬間を一緒に肩を組んで迎えてくれたあなた。

そしてこの日だけじゃなく、

W杯も一緒に見たよな、声聞きすぎて久々でも久々感ないくらいの、友達が大好きで心から思いやって向き合って生きてる、俺を含めた皆が大好きなあなた。
数少ない同い年で仲良くなれて、遠くから来る度になんの気兼ねもなく心から語り合える、ほんとに優しいあなた達2人。ういろう、まじで美味しかったよ。
思えば最初心の内を話したのも、心から楽しい瞬間を一緒に経験したのも貴方だったと思う、終電を逃してカラオケに行ったはずが語り込んでいた、本当に愛が深いあなた。
遠くに住んでて初めて会えたっきり会えてないけど、もうすぐこっち来るよな。離れて居ても心から大切に思ってくれて、大切で会いたいと思わせてくれるあなた。
俺の事を10年前の自分と言っていたよね。責任も、葛藤も、嫌悪も沢山背負って、必死に生きていて、年の離れた俺を親友のように扱ってくれる同じ音楽を大好きなあなた。
今は試験を頑張ってる、突然話し始めたと思ったらずっと長文でお互いの悩みとか痛みを沢山話して、心からお互いが上手く行けばいいと祈れて、絶対的な味方でいてくれて、絶対的な味方でいると断言出来るあなた。
そして本当に俺を愛してくれてる、愛を沢山くれる、本当に大好きなあなた。

挙げていけばキリがないのだが、一緒に楽しい時間を過ごした人全てが頭をよぎった。同じライブに行った人、飲みに行った人、カラオケに行った人、遠くから来る度に気付いてくれて乾杯する人、一緒に中華料理屋に行って変な人に絡まれて円陣を組んだ人、本当に沢山。
俺はここで出逢えた人達が本当に本当に大事で大好きで誰1人離れて欲しくは無いし、これからも感動を共有したいな、と心から思う。

終わった後に教えてくれた人のところに行って「聴けたよ!!!!!」と言えたのがまた嬉しかった、それを喜んでくれる事がもっと嬉しかった。俺は開演前から本当に聴きたいと仲良い人みんなに言っていたからみんな知ってくれてて、「聴けたじゃん!!!」って言ってくれる事も嬉しかった。またここで俺は絶対にこの人達を幸せにしたい、幸せな時間を一緒にこれからも過ごしたいと心から思った。
そしてircleは「大好きになったバンド」になった。

最後になるが、俺は新たにこの日分岐点を迎えた。改めて出逢えた人が大好きで、大事にしたいと心からまた、思い直した。
俺にとって本当に大事な曲を本当に大事な人達が沢山いるあの空間で聴けたこと、生涯忘れないし今後何回も思い出しては鳥肌を立てながら幸せな気持ちになるんだろう。
俺には人として至らないところが山ほどあるだろうが、それでもこの幸せな気持ちを他でもないあなた達と一緒に感じていたいから、絶対に自分から逃げずに向き合って生きていく。この3600文字はその為の決意表明の文。



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