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会いに行った日


一年と少し前。

彼の仕事を見に行きました。

こっそり。
ストーカーとかじゃないはずですけど笑

こっそりにもなっていなかったかもしれませんが笑

まともに顔を見れたのは3年振りでした。
その場所に足を踏み入れてから
どんな気持ちだったのか。

その日行くまで。
かなり悩み2日前位に決断し、当日を迎えた。

彼の記憶を取り戻しながら全てじゃない中、
どうにもならない現実と自分の気持ち。
頭で考えるだけじゃもう何もわからなかった。
彼を見てどんな感情を抱き、どんな想いで彼を見つめられるのか。
彼に対する気持ちを自分が一番知りたかった。

とある場所に行き、
彼はどんな思いでここにいるのか。
自分との関係よりもそこに気持ちを持っていかれ
涙がでる。
中に入り彼を見つける。

遠くから見つからない様にそっと。
沢山いる中に目立たない様な服装で地味に入った。

思い出の音楽が中では響き渡っていて
それだけでも涙が溢れる。
ずっと涙が止まらなかった。

彼を見つけ、
彼の仕事を見届け、
その時。

溢れ出る涙が一瞬スッと止まった時

【あー私達まだだ。】
【まだ会っちゃダメだ】

そう思ってしまった。


何がダメなのか自分でもわからない。
でもまだ会えない。

そう思って
最後まで見届ける前に
そっとそこから立ち去った。

『またね。彼さん。
まだ会っちゃダメみたい、私達。
元気そうでよかった。
カッコよかったよ』

あれから一年以上の時間が経った。
そこから半年の間に娘と今住んでいる
自分の地元へ戻ってきた。

記憶もまだ戻らずにいることにも気付かないまま。


そこから9か月。
必死に生きてる。

そして年末。
noteで彼を綴ろうと思った。

沢山の感情に振り回されて。
現在。

残ったのは一つ。

あなたが好きな事。

それだけ。

私が会えないと思ったのは。
きっと私の自覚ではないのか。

大事な事まだ思い出せてないよ。
彼ともう1人の私に言われた気がした。

『早く思い出せ』
彼の声が聞こえた気がした。

きっと彼はあの日、
私が居たことに気付いていたはず。

彼をサポートしてくれているいつもの方達。
あの日、彼の側で彼と仕事をしてくれていた昔からの最高の相方さん。

皆さんのお陰で
彼の元気な姿を見れました。

ありがとう。

勘違いかもしれないし
勘違いじゃないかもしれない。

あの日、私はずっと目も合わせられず
遠くからそっと見ることしか出来ませんでした。
涙しか出ない。
でもふっとなぜか温かい気持ちになったり
かっこつけてるって笑ってしまったり。
でも終始泣いていた。

あの日から
次々と苦しい事しか起こらない。

ここぞとばかりに追い詰められる様な。

でも一つ嫌な事があると
思い出す。
そしてまた一つ、行動すると
記憶を取り戻す。

ずっとどうして周りは教えてくれないわけと思っていた。
好きで記憶なくしてない。
しかも記憶をなぜなくしたのかが思い出せない。
繋がらないんだ。

その度に。
彼の声が聞こえる。

『お前さ、早く思い出せ』

彼なのか彼の魂ってやつ?笑
が私を許さない気がした。

『俺を何度、苦しめんだよ。
自力で思い出せ』

『大事な事、思い出せてねぇよ』

その時
『思い出せ思い出って言うけど、
思い出せないから苦しいんじゃ。
クズ』と悪垂れた私。

彼に会いに行った帰りの新幹線で。

あの日の彼を目に焼き付けた。
彼を忘れない様に
帰路に着いた。


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