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マギレコの推し、なぎたんについて語ってみるよという話

マギアレコード (以下マギレコ)というスマホゲーをかれこれ5年以上プレイしている。

マギレコとはダーク系魔法少女もののパイオニアである「魔法少女まどかマギカ(以下まどマギ)」の外伝に当たるため、まどマギの主要キャラクターはあくまでサブ的な立ち位置で登場し、基本はマギレコのオリジナルキャラクターを軸にストーリーが進んでいくゲームである。

自分が始めたのはサービス開始から1年経たないくらいの時期だったが、まどマギ外伝という認識がなかったため、ローディング中に流れるキャラクター紹介画面にまどマギメンバーが不在で相当に戸惑った記憶がある。(チュートリアルはマミさんだったが)

本編を開始しても案の定右も左も見知らぬ魔法少女だらけで、「誰だコイツ、、、」と思いつつも、メインストーリーやイベントストーリーを進めていたが、人となりを知るにつれて親愛の情を抱くオリジナル魔法少女もあらわれ始めた。有り体に言えば推しというやつである。

最高レアとしてガチャから初めて排出された月夜(つくよ)ちゃんや、戦力の揃わない初期に散々助けていただいた合法ロリのみゃーこ先輩にも思い入れがあるし、ポンコツ美少女の聖人、莉愛(りあ)様の願いがなかなか闇深い点も特筆に値する。推しを1人だけなんて選べないよ、、!

と言いたいところだが、私の圧倒的推しはなぎたんこと和泉十七夜(いずみかなぎ)である。
十七夜で本当にかなぎと読むのかどうかはこの際どうでもよい。

なぎたんについて簡単に説明しておくと、マギレコの舞台である神浜市を東西に分けたうちの東側に在住する魔法少女を束ねる統括管理者である。
しかも一人称は「自分」で、同年代の魔法少女に対して「息災か」とか「助言、感謝する」とか言っちゃう白髪ボブの美少女だ。うーん好き。

家族構成は父母と弟1人の4人家族だが、父親が怪我によってあまり働けないため家計は相当に苦しく、なぎたんのバイト代で生活費を賄っている。

そんな苦労人なぎたんのバイト先はメイド喫茶である。
もともとはスーパーの惣菜売り場で働いていたのだが、バイトの掛け持ちをせずに家族を助けられるという判断から、より時給の良いメイド喫茶で働くようになった。
メイド喫茶でも彼女はブレない。客に対して「戻ったな、ご主人。無事の帰還、何よりだ」「席に案内しよう」等、モブキャラにして「クーデレメイドさんだ!」と言わしめる接客をしている。
いやでもこれいいよね、いい、、。なぎたんにこんな接客されたすぎて呼吸困難。お客様ー!お客様の中になぎたんさんはいらっしゃいませんかー!

なぎたんが魔法少女になった際の願いは、「人々が大東を嫌う理由を知りたい」だった。(なお、大東とはなぎたんの生まれ育った地域の名称で、神浜市でいう東側に位置する。)

これがマギレコのストーリーの根底を成すものとも言えるのだが、神浜市の東側と西側はあまり良い関係とは言えない歴史を歩んできた。
簡単に言えば西側は比較的裕福で、東側は貧困かつ治安も良くないという構図であり、大東の学校の制服を着て西側の地域に出かければ、「見て、、大東の制服だよ」「この辺に何の用なんだろ、、?」と眉を顰められ、なぎたんの弟に至っては「西のヤツ」に一方的に因縁をつけられて殴られたりもしている。
現実でも「あそこはちょっとね、、」と後ろ指を指される地域があるが、それがもう少しあからさまな世界と言える。

魔法少女も含め、東側に住む人々は多かれ少なかれ同じような経験をしており、それゆえになぎたんは自分の愛する生まれ育った地域がなぜそのような扱いを受けるのか疑問を持っていた。
大東が疎まれる理由が判明すれば、人々の意識の変革に繋がるのではないかと考え、畜生白タヌキに上記のとおり願ったが、分かったのは大東が嫌われることに明確な理由はないことだけだった。

往々にして差別とはそういうものだ。
最初は何かしらの理由(戦乱による略奪とかね)があったのかもしれないが、時が流れるうちに「親が言うから」「周りも皆そう言うから」という理由で醸成された反感・嫌悪といった負の感情だけが脈々と受け継がれてきた結果と言える。
したがってそこに理由や意味はない。敢えて表現するならば形骸化した感情といってもいい。
明確な理由がないからこそ、人々の意識変革に繋がる効果的な策を講じることが難しい。実際になぎたんも、理由なき悪意を向けられる現実に加えて魔女化の事実を知った東の魔法少女たちが「せめて魔女化の運命からは逃れたい」と離反した際に「今できる最善は、魔女によって混乱する町を守ることと、東に残る魔法少女たちを助け、守ること。この2つだ」と結論付けている。

しかし、なぎたん的KGIは「東と西が平等な関係になり、平和な神浜になること」である。
そのための施策として、「力がついたら自らの手で神浜を(物理的に)破壊する」と誓っている。
戦後の日本が一丸となって復興を目指したように、神浜市の東と西が手を取り合う未来に賭けており、何なら「西と東が手を取り合うために自らが共通の敵となって立ちはだかることも厭わない」とすら考えている。
覚悟の決まった高校生、やばいよね。ちょっと視野狭窄になっているので、理想と現実が異なることを歴史から学んでほしいとも思うけど、生真面目な性格から背負い込む責任感の強さや、性善説を根底とした理想主義は若さの描写として割とリアルだと思っている。

ガチャ実装時のイベントストーリーは、メイド喫茶で働き始めたばかりの頃のなぎたんが、苦悩と挫折から立ち直って一人前のメイドを目指す良ストーリーである。
ツッコミどころしかないかりんちゃんのアドバイスを否定することなく一つひとつ正面から受け止めて行動改善に繋げていく様や、かりんちゃんを「画伯」と呼んで慕う姿は上記の重たい背景をほとんど感じさせることなくコミカルに描かれている。
また、そんななぎたんを応援するかりんちゃんや、悩むなぎたんに助言し見守るおネェさまことメイド喫茶の男性店長、プロ意識を持ってなぎたんを導こうとする先輩メイド等、魅力的な脇役も数多く登場する。特におネェさまはめちゃめちゃいい人なので、ぜひ専用グラをつけてあげてほしい。
こんな感じのなぎたんの魅力しか詰まっていないストーリーなので、未読の方や興味を持った方はぜひ見ていただきたい。

最後に。
強キャラ設定のなぎたんにメインストーリーで絶妙な無能ムーブを繰り返させて、無駄にプレイヤーのヘイトを集めさせた運営には強く苦言を呈したい。
私からは以上です。










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