2024年5月14日(火)初めての図書館

一昨日の「隣町珈琲」での、小池昌代さんとの対談が終わったのは、すでに午後9時でした。そのあとしばらくサイン会があって、それから近所の中華料理屋で打ち上げがありました。

心地よい飲み会だったのですが、ぼくは夜も遅いので、申し訳ないという思いはあるものの、途中で帰らせてもらいました。

あの日は、会場入りが午後6時だったのですが、かなり早く家を出てしまい、蒲田駅に降り立ったのが午後4時でした。どうやって時間をつぶすか考えていました。蒲田駅は、子どもの頃に住んでいた地元なので、駅のあたりをしばらく歩きながら、昔のことを考えていました。

そういえば、今でも時々思い出す場所があります。あの場所に行ってみようと、歩き出しました。蒲田陸橋近くの、大田区産業会館(昔々のことなので、記憶が確かではありません)という場所です。そのビルの中に、大田区立図書館がありました。

ぼくは小学生で、何かについて知りたくて、姉に相談したのです。「それなら図書館というものがあるから、そこへ行って調べたら」と言われ、後日、姉と一緒に図書館へ向かいました。

ぼくは何事にも緊張する子どもでした。初めて行く図書館のことをあれこれ考えて、頭はいっぱいになっていました。

開館前の時刻に着いたら、建物に沿ってすでに行列ができています。みな、図書館に入る人でした。多くは中学生、高校生のようでした。

姉と一緒に行列に並んで、ぼくは楽しみなことと緊張で、心はぐらぐら揺れていました。

時間になり、列が動き出しました。図書館の入り口まできて、入ろうとすると、館の人から遮られ、話しかけられました。

「小学生は入れませんよ。」

姉がちょっとその人と話して、戻ってきました。ぼくが入れないことを、姉からも言われました。「ここで待ってて、わたしが調べてきてあげるから」と言われたのかどうか、その後のことは覚えていません。

覚えているのは、「入れませんよ」と目の前をふさがれて、みっともなく人前で泣いてしまったことだけです。

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